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吉兆か、凶兆か

かなり前のことですが、友人から面白い話を聞きました。朝方、木星が異常に輝いていたと言うのですね。なんでも金星の下の方で変な光りかたをしていたらしい。この女性の友人はスピリチュアルな力を持っているので、彼女にだけ見えたのかと聞くと、星に興味を持つ人間の間ではすでにネット上で話題になっているとのこと。それで彼女は不安になって、私に木星が占星術上持つ意味について確かめようと連絡してきたわけです。一応書いておくと、木星は「温和な力、他者を容認する寛容や、発展」を表わし、善意の宿る場所所と考えられています。ですから、不吉な意味はありません。私が彼女に自分だけに見えるのかと聞いたのは、予兆はそれが吉兆であっても、凶兆であっても万人に見えるような形を取らないからです。本当によくあることですが、人間は天意を自分達に引き寄せて考えすぎます。天でも神でも、人を超越した存在が人の幸、不幸に拘泥するはずがありません(幸不幸の基準自体が人間のものだからです)。昔からと言うか、昔は尚更、こうした吉兆や凶兆を取りざたしてきました。白い雉だとか、藻の生えた亀だとか、赤い雲だとか。勿論、この傾向は今でも残っていて、地震なんかがあると必ず後付けで色々な現象を探し出してきます(地震雲や夜空が光ると云った現象ですね)。いくら科学的には意味がないと言っても聞かない。しかし、今まで実際にそうした現象で災害が予言されたことはないんですね(予言したと主張する人間は腐るほどいますが)。吉兆にしても、今のこの世界では万人にとっての幸せなどありえないのですから、皆に見えるような形を取るわけがないんです。凶兆となるとちょっと違います
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