初心者向けインフレの基礎知識~生活や投資に密接に関係するインフレ~

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マネー・副業
みなさんこんにちは。 
今日は「インフレ」という単語を中心にお話をしていきます。
インフレはお金のことを勉強するときに学んでおきたい知識の一つです。
資本主義経済の仕組みがギュッと詰まっている単語なので、ぜひ今日はこちらを覚えいていっていただけたらなと思います。
今日はQ&Aも交えながらわかりやすくお伝えできればと思います。
・インフレ(インフレーション)ってなに?
インフレとは物の値段の上昇率について表した言葉になります。
例えば企業が80円で仕入れた品物を利益を載せて100円で販売します。
その商品を購入した企業は120円でさらに利益を載せて販売します。
このようなことを繰り返していくと物価は上がり続けることになります。
この上がり幅を1年あたりでみてどのくらいの変化があったかを表すのがインフレ率です。
物価が上がることによって企業の利益も増えることになりますので、サラリーマンの給与は上がっていきます。
そのことにより消費額も増え、また企業の売り上げが上がる好循環が生まれます。
そのため、景気を良くしたい場合にはこのインフレをどのように起こすかを考えます。
日本ではインフレ率を2%にすることを目標にしていますが、長期にわたって達成できていません。逆にデフレと言って物価が下がる時期も経験しており、景気は非常に悪かったと言えます。
現在アメリカやドイツ、イギリス等の先進国のインフレ率は大体2%前後になっています。
今後も同じように物価が上がったと仮定すると今100万円で買える商品の値段は180万円ほどに上がってしまうことになります。
いうならばお金の価値が相対的に下がってしまうわけです。
インフレを身近に感じられるのがお菓子です。
例えばカントリーマアムは20年ほどで値段が変わらず、1袋の枚数が30枚から20枚に減っています。20年前のお金の価値をカントリーマアム基準で見ると3分の2まで下がっていることになります。
アメリカのジェレミー・シーゲル教授は著書で1801年の1ドルの価値は2001年の0.07ドルと同義と発表しています。
別にアメリカが極端なわけではなく、世界中どこでも基本的にインフレは起き続けています。
・消費者物価指数ってなに?
日本でインフレを考えるときには消費者物価指数という指標を使います。
例えば皆さんがスーパーに行って日々買い物をするときのことを考えます。
年間300万円ほど買い物をした場合を想定します。
その買い物の同じ商品を1年後また買い物をしたときに値段が変わっているはずです。
その値段の変わり具合をパーセンテージで表したものが消費者物価指数です。
2015年を100としたときに2020年8月の速報値では102.1%となっています。(東京都区部の場合)
約5年間で300万円の買い物は306.3万円なければできない買い物になったわけです。
消費者物価指数は585品目の値段の上がり下がりを評価しています。
商品のスペックや売れ筋は時代によって変化してしまいます。継続的に指標を確認するために購入されている中心帯の価格になるよう調整しながら作られています。
そのため、ブランド品が多数製造されて消費者物価が上がる等はなく、一般的に購入されている商品で作成をされていることになります。
・インフレが起こっていないならば運用を考えずに銀行預金でおいておけばいいのでは?
インフレが起こっているときには企業の利益が増えていることが多いです。
そのため、株式投資等の利回りがよくなっていきます。
逆にデフレが起きているときには、積極的運用をしなくても貯金をしていれば十分な資産形成になります。日本全体でみるとインフレはほぼ起こっていないため、貯蓄しておけばそんなに問題ないように感じてしまうかもしれません。
しかし、インフレは日本全体のお金の流れで見る考えもありますが、実は個人単位で見ていく必要も考えていかなければならない指標になります。
・消費者物価指数と生活実感に乖離がある気がするのはなぜ?
先ほどの個人単位でインフレを考える思考の話になります。
日本全体で考えると消費者物価指数の上がり幅は小幅です。
しかし、生活している人の属性や購入している商品帯によっては物価の上昇幅が大きく変わってしまう現象があります。
実際の消費者物価指数を参考に見ると生鮮食品は2015年から2020年8月で見た場合17.8%の増加率ですが、光熱・水道費に関しては4.4%のマイナスになっています。
そのため、刺身や生野菜を多く食べる人には大きな物価上昇となったものの、あまりそういったものを食べず家に長くいる人にとっては物価が下がったことになるわけです。
生活行動や住んでいる場所によっては物価の影響が限定的になったり、拡大したりするわけです。
ちなみにニッセイ基礎研究所発表の年齢別消費者物価指数では年齢別の大きな乖離が見られます。
2010年から2017年の7年間を切り取り考えた場合に30代以下と60代以上で見た際に2%もの乖離が見られます。
原因としては自炊率の高さ等が考えられますが、おかれている環境によって物価の感じ方が変わることを知る必要があります。
・いいインフレと悪いインフレがあると聞きましたが、どういうことでしょうか?
良いインフレの下では、企業が販売価格の上昇で儲かります。その結果社員の収入も上がりますし、消費も活発に行われます。
その結果ものが飛ぶように売れるので、さらに企業が儲かり……というサイクルで景気が拡大していきます。
いいインフレとは景気の上昇と同時に起こるインフレのことになります。
一方、悪いインフレもあります。悪いインフレの場合は仕入れのコストが上がったものの企業はさほど利益を上げることができません。
そのことによって物価は上がったが、従業員の給与を上げることができないので消費は冷え込みます。
物には付加価値と経費という価格を決める要素がありますが、悪いインフレはその中でも経費の部分が価格を上げでしまったインフレになります。
悪いインフレのことをコストプッシュインフレといいます。
特に日本で生活している私たちが懸念をしなければならないのが輸入品物価の上昇に伴うコストプッシュインフレです。
日本の場合火力発電所で使われている原油や皆さんの食べている食料品、洋服などを海外に依存しています。
海外では経済が成長し続けていますので、日本の景気にかかわらずインフレが起きる可能性があります。
それに伴って輸入品の値段が上がると原材料価格だけ上がり、利益が増えないコストプッシュインフレが起きてしまいます。
そうすると給与は増えないにもかかわらず物が高くなってしまうので生活は圧迫されてしまいます。
ほかにも通貨を擦りすぎて起こったインフレや自然災害によって物価が上がってしまうインフレ等があります。
・世界で悪いインフレが大きく起こったことがある国はどのような例があるの?
インフレは経済が通常通りに回って起こる場合は問題ありません。
しかし、外的な要因で景気が良くないにもかかわらず起きてしまうコストプッシュインフレもあります。
そういった場合にはお金の価値が紙くず同然になってしまい非常によくない状態といえます。
例えばベネズエラは現在進行形でハイパーインフレーションと呼ばれる巨大インフレを起こしています。
ベネズエラは税金のほぼすべてを原油の生産が賄っている状況の国です。
しかし、近年原油価格の下落と外交の失敗により財政状況が非常に悪くなりました。
財政状況が悪いため、お金を印刷することで赤字を解消することにしたのですが、そのことによって通貨の価値が大暴落しました。
2013年には約40%の物価上昇、2018年には約2880%の物価上昇を起こし、国民生活は完全に破綻しました。
・インフレリスクを軽減するには
インフレによる経済リスクを軽減させるには資産を分散させておく必要があります。
経済成長を伴うインフレを若い時期に受ける場合には特段問題はありません。
物価が上がると同時に給与が上がるのが普通だからです。
しかし、老後に起きるインフレと外的要因によるインフレに関しては非常に困ることになります。
リスクを軽減させるためには資産分散が必要になります。
例えば貯金だけを持っている人は物価が上昇した際にただただ買い物ができる量が減ります。
しかし、株式を持っていれば企業は儲かるでしょうし、海外の通貨を持っていれば海外の物価の影響を受けるため、国内のインフレ影響を受けにくくなります。
逆に海外でインフレが起こっている際には影響が大きくなりますが、リスクを等しく受けることによって有事の際の影響を微小に抑えることができます。
・デフレは逆に怖くないのか
インフレは経済的には非常に合理的な現象ですし、外部的要因がなければ悪いことではありません。
しかし、逆の状況であるデフレが起きると非常に危険です。
デフレは需要と供給のバランスが崩れているときに起きる現象です。
企業が物をたくさん作るのですが、買い手があまりいない状況です。
そのため、価格を下げるのですが、物を買う量はある程度決まっているので価格を下げても買ってもらえません。
そのため、企業は利益を出すことができず売り上げが減少します。
売り上げが減少した企業は給料を出せないのでリストラをしますし、経費の節約等に走ります。
そのため、他業種の消費も冷え込みまた新たに売り上げが少ない企業を生み出します。
これが繰り返され始めると、経済が停滞し始め倒産連鎖が起きます。(デフレスパイラル)
企業の視点から個人の視点に目を移してみると、賃金が下がるため、住宅ローンを抱えている人の負担が増加します。
給与が下がるのでさらに物を買わなくなりますし、預金の金利や株式投資の利回りが落ちてしまいます。
逆に債券を持っている人は返済負担が軽くなりますし、世の中の金利に対して持っている金利が良いもの
になりますから、市場価格が上がり儲かる状態になります。
しかし、需要と供給の関係の逆転を放置することは基本的にしませんし、景気の悪化をあおるだけなので、公的資金の注入等で
デフレの回避に国は動くことになります。
そのため、デフレが長期で起こり続けることはあまりないといえます。
・インフレに関してのまとめ
いかがだったでしょうか。今日の内容をこちらでまとめていきたいと思います。
 ・インフレは物の価値が上がること
 ・景気が良くなるためにはインフレが必要なので、長期的にみると物価は上がる 
 ・インフレには良いインフレと悪いインフレが存在する。
 ・インフレの行き過ぎの時に備えるためには資産の分散投資が必要
 ・消費者物価指数というもので日本全体の物価の上下を見れる
 ・個人のインフレと社会全体のインフレには差がある
 ・デフレが起きると経済危機になっているので、非常に危険
インフレは経済を見る基礎知識の中でも最重要な部分です。
景気の良し悪しや生活感に密接にかかわりますので意識してみてください。
ご一読いただきありがとうございました。
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