※霊視能力をお持ちの方は、対処できる能力を有する方以外はこの内容について深く覗き込んで見ないほうが良いかもしれません。
また、レイキの使い方の応用もチラッと出てきますので、レクチャーを受けただけで使い方も分からないという方は参考になるかもしれません。
これは治療院に勤務していたころのお話です。
その頃はいろあろあってスピリチュアル系の事柄と距離をおいていました。
自分は何も視えないし聴こえないし、そんなものは全ては幻想だったと思い込もうとしていました。
しかし、
『物理的でない存在』の中には現象界に影響を及ぼすほどのものもいて、結局のところはそれを認識してしまうのですよね。
治療家として仕事をしている以上は身体症状として現れている方は無視出来ず、対処するしかないのです。
その日は忙しかったと思います。
一通りの仕事は大体終えて、受付も閉めきろうという時、
ガーーー!!!
自動扉が空いた瞬間、私の肩にとてつもない凝り(もはや痛み)が発現しました!
(何だこれ!?)
そして一人の中年層くらいの男性が入って来ました。
「今から診てもらえます?」
横にいる他のスタッフ(実は霊感バリバリの鍼灸師)はどこか別のところを見てスルーしてるので、私が受け答えすることにしました。
「あ、はい、大丈夫ですよ。(嫌だけど)」
そのまま会話を続けず中に通しました。
中へ案内する途中に背中を向けないのは元々気を付けていることではありますが、この時は特に『絶対に背中を見せてはいけない』と感じていました。
そして個室である程度お話を聞いたらうつ伏せになってもらったのですが、その方の背中を何故か凝視できませんでした。
(何か、気持ち悪い。いや、何かヤバいな!)
どこが辛いのかを尋ねると、背中がとにかく辛いとのこと。
普段はこの辺りですか?と触って正確な位置を確かめるのですが、この時は患部を触るどころか、見ることすらまともに出来ない始末。
取り敢えずご自身で触ってもらい位置の確認をしました。
あまり見てないですが…
というか、案内はしたけど誰がこの方を診るの?
え? 順番的に自分?
いやいや! 無理やろ!
無理だって!
何の罰ゲーム!?
何で? 今日真面目に仕事してたよ?
こんなことを考えながら、ではお待ち下さいねといってカーテンをシャッと閉め、受付にまだいる最初にスルーしてた霊感を持った人の所に戻りました。
自分 「今の人、あれって────」
霊感ある人「うん、憑いてるね(^-^)」
自分「やっぱし( ;∀;)」
自分「えと、あの人を担当するのっ───」
霊感ある人 「頑張って(^-^)」
自分「・・・(-_- )」
自分「あれ、いったい何がいるんです?」
霊感ある人「女の人やねぇ。すごいこっち見てた。どこかで貰ってきたみたい。」
(なるほど、それで目をそらしていたのか。)
(患部を凝視出来ないのもそのためだったのか。)
後で確認すると海に行ってて急に辛くなったとのこと。
さてどうしたものか、ここは治療院。
お寺さんではないのでこの事柄に対しては専門外なわけです。
この時の私は何も知らないし見えないし聞こえないし、何それ? 分かりませーん。のスタイルを取っていたのです。
そして、向こう側の存在に自分がスピリチュアル能力を使えることは絶対にバレたくないわけです。
相当に面倒なことになりますからね。
霊感ある人と相談して、純粋な鍼灸技術のみでこの現象に対処することにしました。
使用するツボは
・肝兪(右側が特に重要)
・脾兪
・腎兪(使ったかは正確に覚えてませんが)
です。
しかしそこに鍼を打ち込むにも患部に触れなくてはならず、かなり嫌な状況でした。
カーテンを開け施術ルームに入り、患部を露出させたら一つのツボに対しほんの一秒にも満たない時間で打ち込んでいきます。
焦点は合わさず、ぼんやりと見ながら進めて行きます。
それでも気持ち悪く、吐き気を催しました。
背筋がゾクゾクしそうでしたが、ゾクゾクさせてはいけないのです。
してしまうと入り込まれるかもしれないからです。
とにかくスピリチュアル能力を隠しながら負のエネルギーが逆流しないようブロックしながら続けていきます。
1つ打つ事に、鍼柄(鍼の持ち手)がビリビリとします。
(うーわ!!!)
信じてない人でも、それを触らせたら分かるくらいに物理的にビリビリしていたのではないかと思います。
ホント吐きそうで気持ち悪くて耐えられない。
そのくせ好奇心からか、一体どうなっているのかと患部をチラッと見てしまったんですが・・・。
(あー・・・(-_- ) もう嫌! 早よここから出たい!)
打ち終わると、ではしばらくこのままにしますねと言って直ぐに出てシャッとカーテンを閉めました。
横から見てると接客態度としてはかなり悪かったかもしれません。
ですがあれが限界です。
出たら直ぐに
「ふっっ!!」
っと邪気を抜き、流水で手を流し、浄化しておいた粗塩で手を揉んで、更に頭から掛けました。
そして次に備え、粗塩をまた浄化しておきます。
浄化に使用した力はレイキの第1シンボルとマスターシンボルです。
詳しくは覚えてませんが、まず第1シンボルで余計なものを浄化してしまい、マスターシンボルで塩の持つ浄めの効果を引き上げ、最後にまた第1シンボルでその状態を固定させたのだったと思います。
(カルラ炎があれば、何にも苦労することもなかったのかな?
そういえば師匠はどうしてるのかな?)
色々考えてる間に時間もあっという間に過ぎていきました。
20分くらい経過すると、流石にいつまでも患者さんを放ったらかしに出来ないので様子を見にいかなければいけません。
嫌嫌視に行くと、さっきまでの気持ち悪さが無くなっていました。
(お! 患部が直視出来る!)
さらに置鍼していた鍼も先ほどまでと違い少しビリビリする程度。
「まだ辛いですか?」
と声かけをすると、大分マシになったとのこと。
まだ若干ですが邪気が残っていたので、もうしばらくそのままにしました。
そして数分するとビリビリした感じはキレイに消えていました。
鍼を外すとすぐに廃棄ボックスに捨て、すぐさま蓋をしました。
症状は改善し、患者さんも喜んで帰っていきました。
もちろんその後、邪気を抜き、流水で手を洗い、粗塩で揉み、頭から掛けました。
嫌な施術経験でしたが、この時の収穫はこういう出来事に対しても鍼灸治療が効果を示すことがあると学べたことでした。
自分を浄めるためにスピリチュアルなことはしましたが、施術においては純粋な鍼施術以外いっさい行っていないのです。
今ほど科学が発達していない時代の人たちの中には、こういう治療を日常的にしていた人がいたのかもしれませんね。
長くなりましたが、ご視聴ありがとうございました。