フィラリア のなが〜いお話① フィラリア の成長について

記事
コラム
小学生向けに「獣医さんとやってみよう犬と猫の自由研究」というブログを運営しています。同じ記事になります。

自由研究のヒント
フィラリアの大人は数十センチにもなるけど、犬や猫の心臓はどのくらい大きいのかな?
そこに25cmもある寄生虫がいたらどうなるかな?

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6月になりましたね。私のすむ本州の地域でフィラリア の予防シーズンが始まっています。フィラリア の予防時期について書こうと思ったのですが、今回は”犬を飼っているとフィラリア の予防は毎年するけど、そもそもフィラリア とはなんだ?”という疑問にこたえていきます。犬や猫の小動物診療において、フィラリアは重要な病気のひとつです。文章の量が多くなるので、いくつかに分けて解説させていただきます。

フィラリア とは?どんな動物に感染する?
フィラリア (犬糸状虫)は白色の細長い寄生虫です。メスの成虫だと約28cm,
オスだと17cmにも成長します。フィラリア が最も好む感染先(宿主)は犬ですが、犬以外でも猫やフェレットなどにも寄生します。

どうやって感染する?
フィラリア の赤ちゃん(ミクロフィラリア と呼びます)は感染した犬の血液を浮遊している時に蚊によって血液ごと吸われます。
フィラリア の赤ちゃんには、成虫になるまでに5つつのステージがあります。人間でいうと赤ちゃんから幼稚園、小学校、中学校、高校にあがっていくというイメージです。
英語で幼虫を意味するLarvaeの頭文字をとってL1~L5とそれぞれのステージにいるミクロフィラリア を呼びます。
蚊の体内に入ったL1ミクロフィラリア は、蚊の体の中でL3になるまで過ごします。いかに犬にとって恐ろしいフィラリア といえど、本丸へ攻め込む前に成長する時間が必要なんですね。L3になったミクロフィラリアは、蚊が新しい犬の血液を吸おうと針を皮膚に刺した時に新しい犬の体内に侵入します。
そしてはじめは皮膚や筋肉、脂肪などで成長し10日後にL4まで成長します。3~4ヶ月するとL5になり静脈という血管に侵入します。そのあと静脈の中を移動して心臓の肺動脈という場所で落ち着いて6ヶ月くらいすると大人(成虫)になります。
大人になってやっと赤ちゃん(L1)を産み始めます。赤ちゃんは血流にのって全身に広がり、蚊に吸われるのを待ちます。成虫の寿命は5~6年とも言われています。


検査は?
動物病院でおもにフィラリア がいないかどうか検査する方法は2つあります。
・ミクロフィラリア 検査:血液を採取して、ミクロフィラリア がいないか確認します。全身の血液にミクロフィラリアL1 が分布するのはすでに成虫がいて赤ちゃんを産んでいるということなので、至急対策が必要です。
・抗原検査:血液中にフィラリア 成虫がいるかどうか確認する検査ですが、L1からL5までのミクロフィラリアはわかりませんし、成虫であっても寄生している数がすくなかったり、雄の大人のみが感染している時は陰性になってしまうことがあるので注意が必要です。

猫では心臓の超音波検査や抗体検査(猫ちゃん自身の免疫システムがフィラリア を攻撃したサイン)で検査していきます。

参考図書・文献
『獣医内科学 小動物編』(文永堂出版)


検査は?
動物病院でおもにフィラリア がいないかどうか検査する方法は2つあります。
・ミクロフィラリア 検査:血液を採取して、ミクロフィラリア がいないか確認します。全身の血液にミクロフィラリアL1 が分布するのはすでに成虫がいて赤ちゃんを産んでいるということなので、至急対策が必要です。
・抗原検査:血液中にフィラリア 成虫がいるかどうか確認する検査ですが、L1からL5までのミクロフィラリアはわかりませんし、成虫であっても寄生している数がすくなかったり、雄の大人のみが感染している時は陰性になってしまうことがあるので注意が必要です。

猫では心臓の超音波検査や抗体検査(猫ちゃん自身の免疫システムがフィラリア を攻撃したサイン)で検査していきます。

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