犬と猫の体温を測ってみよう!

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小学生向けに「獣医さんとやってみよう犬と猫の自由研究」というブログを運営しています。同じ記事になります。

自由研究のヒント:日頃からそけい部を触って体温をチェックしよう。
動物を触るとあたたかいのは人と平熱が違うから。
いろいろな動物の平熱を調べてみよう。

体温は生き物にとってとても大切な指標のひとつです。

犬や猫やうさぎなど、ペットを撫でると暖かいですよね。毛のふわふわな触感と、そのぬくもりは私たち人間を癒してくれます。

犬と猫の正常な体温は
・38.0度から39.2度

人間では3
・36.6度から37.2度の間

とされています。動物を触るとあたたかいのは、平熱が私たち人間より2度前後高いからなのです。

体温(temperature)・心拍数(pluse)・呼吸数(respiratory)はバイタルサインにも入る大切な指標です。
バイタルサインとは、体の状態を示す指標のことです。バイタルサインに異常があれば、全身に異常が起きていることを示します。
犬や猫の診察をする時はTPRと略され、カルテの身体検査の情報として必ず書く項目でもあります。

犬や猫で安静時に40度以上体温がある際は熱中症の可能性が、36度台になってくると低体温症の可能性があり早急な対応が必要です。
みなさんも体がだるかったり食欲がわかない時は発熱を疑って腋の下などで体温を測ると思います。

犬や猫は毛が密でふわふわなので、人間のように腋の下など体表では体温を測りにくい特徴があります。動物病院ではどのように動物の体温を測定しているのでしょうか?
実は動物では直腸(お尻)に体温計を入れて測定して体温を測っています。
動物用の体温計は先が曲がるようにできているので、体温測定中に動物が動いても安全なのです。

体温計カバーというプラスチックのものもあるので、体温計にカバーを被せてゼリーなどを塗ってお尻にいれて体温を測定します。

おうちでは犬や猫をおさえながら、人間用の体温計をお尻にいれて体温測定するのは難しいですし、動いて体温計の先が腸を傷つけてしまう可能性もあります。おうちでは無理に体温を測定しようとせず、日頃のスキンシップの中で大体の体温をチェックしてみてはどうでしょうか。

犬や猫のわきの下やふとももの付け根(そけい部)は比較的毛が薄く皮膚が触りやすいですし、大きな血管も通っています。普段なでなでする際にそけい部のあたたかさがどのくらいか意識して触り覚えておくようにすると、何か体調に異変があった時に気付きやすくなるかと思います。

この時にわかるのは「いつもと比べてあたたかい/つめたい」といったこと程度ですが、動物にとって体温が平熱の範囲をはみ出てしまうというのは全身の状態が悪いことなので、元気や食欲などの異常に加えて体温に変化があるときもすぐに病院を受診するようにしましょう。


参考図書・文献
『獣医内科学 小動物編』(文永堂出版)
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