『元刑事』の医療現場奮闘記~第7回(前編):【組織の防衛】「孤立する担当者を救う、チーム対応の鉄則」

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法律・税務・士業全般
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皆さん、こんにちは。
このブログも7回目となりました。
日々ネタ切れにならないよう、隙間時間にこれまでの対応を思い出しながらメモを作成しています。

少し話が逸れますが、私は刑事時代、あまりメモを取る方ではありませんでした。
若さゆえの記憶力もありましたが、聞き込みの際、メモ帳を取り出した瞬間に相手が身構えてしまい、「証言させられるのでは」と口が重くなるのを避けるためでもありました。
雑談のようなフランクな対話の中にこそ、真実が隠れていることが多かったからです。

ですが、今は違います。
思い出したことをすぐにメモしておかないと、忘却の彼方へ飛んでいってしまいそうです(笑)。

老いには抗えませんが、リタイアするまで現場の最前線で安定した実務能力を維持したいものです。

それでは今回も、私の駄文にお付き合いください。

【クレーム対応は「チーム戦」である】

これまで、私が前面に出て対応してきた事例を多く紹介してきましたが、トラブル対応の鉄則はあくまで「組織対応」です。
個人の対応スキルは、チーム戦の一部に過ぎません。

私のような相談担当の役割は、最終的に病院の判断を伝え、事態を収束させることにあります。
しかし、医学的な説明は現場の医師や看護師にしかできません。事務職の私が最初から説明したところで、納得を得られるはずがないのです。

不当な要求を拒絶するためには、「病院として理解を得るために、これだけの尽力をした」というプロセスを積み上げる必要があります。

そのためには、各関係者がそれぞれの役割を果たすことが絶対条件なのです。

周囲の協力がなければ、現場の苦しい雰囲気に負けて、担当者がその場しのぎの約束をしてしまったり、本来組織として守るべき一線を越えてしまうことも珍しくありません。

その結果、事態がさらに複雑化し、収束が困難になるケースも少なくないのです。

【身内に背後から撃たれる恐怖】

クレーム対応において、当事者スタッフを「孤立」させることは、組織にとって最大の懸念材料です。

医療現場のスタッフは責任感が強く、多少の苦難は一人で抱え込み、受忍してしまう傾向があります。
しかし、周囲のサポートがないまま孤立した状態で攻撃にさらされると、その心は簡単に折れてしまいます。

これが、スタッフが現場から離脱してしまう要因になることも少なくないと思います。

ご承知のとおり、現場のスタッフが離脱すると、残ったスタッフへの負担が大きくなり、心身ともに疲労が蓄積します。

今の病院は経営も大変で、賃金もそれほど上昇するわけではありません。

その中で、業務の質量が割に合わないと感じるようになると、スタッフのモチベーションは低下します。

その結果、離職が進み、提供する医療の質が低下し、患者さんが病院から離れていく――こうした負のスパイラルに陥るリスクが生じます。

ここで皆さんにあれこれとお話しさせていただいている私も同じです。

「難渋事例はTKに繋げば、あとは何とかしてくれる」という誤った認識を持たれ、協力を得られない状況に置かれると、モチベーションは一気に低下します。

組織の無関心は、時に攻撃者以上のダメージを与えるのです。

【事案:正中神経損傷。その時、現場は…】

病院勤務になって2年目のことでした。

ある診療科から、「採血時に正中神経を損傷し、患者さんに神経障害が生じてしまった。医療安全として、病院側の手続きを説明してほしい」と依頼が入りました。

医療事故という、極めてデリケートかつ重大な局面。

現場へ向かった私を待ち受けていたのは、怒れる患者さん……だけではありませんでした。

~次回、後編に続きます。~

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