形だけ整えた「1on1面談」で、後輩の成長意欲を僕が潰してしまった話

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ビジネス・マーケティング
どうも!工場長です。(横文字嫌いだけど使ってます!)

今回は、「新しいツールを導入すれば全て解決する」という甘い考えで、部下の成長機会を奪ってしまった失敗談です。

1. 会社として導入された「目標設定面談」
工場長就任1年目の後半戦が始まり、会社全体として「下期の評価に向けて、目標設定のプロセスを見直す」という号令がかかりました。その一環として、目標シートと連動した「1on1面談」のツールが正式に導入されることになりました。
正直に言うと、1on1面談自体、僕も初めて行う経験でした。だからこそ、僕はインターネットや動画などで、そのやり方、手順、効果について勉強しました。
僕は、これを現場の士気を引き上げ、特に将来の幹部候補である生産技術職の後輩たちを成長させるチャンスだと捉えました。
まず、後輩たちには製造部全体の目標と方針を伝え、「この面談ツールで、各自で下期の個人目標を先に設定してくるように」という宿題を出しました。
僕の意図はこうでした。「自分で考える力を養ってほしい。受け身ではなく、自分の仕事に当事者意識を持ってほしい」と。
そして、その目標設定シートをベースに面談で対話をし、内容を修正したり、さらにチャレンジ目標を上乗せしたりするつもりでした。

2. 「形式」にこだわりすぎて見失った本質
しかし、このプロセスが、僕の大きな失敗でした。
後輩から上がってきた目標設定シートを見ると、どれも「製造部の全体方針を分解しただけ」の、無難で意欲が感じられない内容ばかり。数字は整っているものの、彼らが「本当にやりたいこと」「挑戦したいこと」が全く見えてこなかったのです。
面談で「これは君が心からやりたいこと?」と聞くと、後輩たちは口ごもりながら、「はい、方針に沿って考えました」と答えるだけ。
僕はそこで気がつくべきでした。彼らは「会社で導入されたツールを埋めるための目標」を設定していたのだ、と。

3. 「やらされ感」と「僕の傲慢さ」
なぜ、こんなことになってしまったのか。理由は単純です。
僕が「面談の形式とツール」にばかり囚われ、「対話の土壌」を整えていなかったからです。
「勉強した手順通りにやればうまくいく」という思い込みと、「公式ツール」が、「枠から出るな」という無言のプレッシャーになっていた。
後輩たちにとって、1on1は「目標を承認してもらうための儀式」であり、「本音で話せる場」ではなかった。
僕自身、「会社が導入した手順さえ踏めば、部下は勝手に考えて成長するはずだ」という傲慢な先入観を持っていたのです。後輩たちが本当に求めていたのは、「何をやれば評価されるのか」という答え合わせではなく、「工場長は、自分の将来やキャリアを一緒に考えてくれるのか」という信頼感でした。
結果、僕はせっかくの新しい機会を、「部下の自発的な成長意欲を潰し、やらされ感を強める場」にしてしまったのです。

4. マネジメントは「形」より「信頼」
この失敗から、僕が痛感したのは、マネジメントは「形式」ではなく、「信頼に基づく対話」が全てだということです。
「自分で考えろ」という言葉は、信頼関係がなければただの「丸投げ」でしかありません。
そして、この面談で最も欠けていたのは、「目的の共有」でした。
「なぜ、この目標を立てるのか?」 「その目標達成が、君の未来と工場の未来にどう繋がるのか?」
僕は面談で、「こうしたらどうかな?」とやり方や指示を出していただけで、目標設定というプロセス全体を逆算して設計し、その目的を説明していませんでした。これでは、後輩たちにやらされ感が生まれるのは当然です。
この後、僕は1on1のやり方を根本的に見直しました。目標の話をする前に、「君が本当に面白いと思う仕事は何?」「将来どうなりたい?」という、彼ら自身の感情やキャリアの話から始めるようにしました。時間はかかりましたが、この失敗が、僕のマネジメントに対する考え方を大きく変えるきっかけとなりました。
そして今では、後輩たちは自ら、担当工程の新しい課題や問題点を洗い出し、会社のプラスになる具体的な個人目標を設定できるようになりました。面談では、その目標達成に向けた具体的な数値や行動計画まで、対話を通じて一緒に立てられるようになっています。
この成功は、「形」から入った僕の失敗と、部下と粘り強く向き合うことで築いた「信頼」の賜物です。




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