私は、言わないことも「伝えること」だと思っていた。 ― 沈黙は、こちらの意図とは違う言葉に変わることがある。―

私は、言わないことも「伝えること」だと思っていた。 ― 沈黙は、こちらの意図とは違う言葉に変わることがある。―

記事
ビジネス・マーケティング
私は、

人に何かを伝えるとき、

言葉だけが、

伝える方法ではないと、

思っていました。

あえて、

言わない。

すぐに、

答えを教えない。

本人に、

考えてもらう。

私は、

人材育成の中でも、

そんなことを、

大切にしていました。

何でも、

答えを教えてしまえば、

その場では、

早く解決します。

でも、

本人が、

自分で考える機会を、

奪ってしまうこともあります。

だから私は、

あえて、

言わないことがありました。

言わないことも、伝えること。

私は、

そう考えていました。

でも、

会社を終えるまでの経験の中で、

私は、

もう一つのことを知りました。

言わないことで、

こちらが伝えたいことと、

相手が受け取るものは、

同じとは限らない。

むしろ、

沈黙した場所には、相手の解釈が入る。

そんなことが、

ありました。

会社を終えることを、

考えていた頃、

私は、

いろいろなことを、

同時に考えていました。

いつ、

会社を終えるのか。

スタッフに、

いつ伝えるのか。

最後まで残ってくれる人に、

何ができるのか。

辞める人に、

何ができるのか。

取引先には、

いつ伝えるのか。

会社に残っているお金を、

どう使うのか。

そして、

どうすれば、

できるだけ迷惑をかけずに、

終えることができるのか。

私の頭の中では、

いろいろなことが、

動いていました。

でも、

そのすべてを、

その時点で、

スタッフに話すことは、

できませんでした。

まだ、

決まっていないこともある。

伝える時期ではないこともある。

経営者として、

言えないこともある。

私は、

そう考えていました。

だから、

言いませんでした。

私の中では、

「隠している」のではなく、

「まだ、言う段階ではない。」

それだけでした。

でも、

スタッフから見える景色は、

違いました。

ある社員から、

言われました。

「最近の社長は、

何を考えているのか、

分かりません。」

私は、

その言葉を聞いて、

少し驚きました。

自分では、

何も考えていないどころか、

毎日、

考えていました。

会社のこと。

スタッフのこと。

これからのこと。

むしろ、

考えすぎるほど、

考えていました。

でも、

それは、

私の頭の中にしか、

ありません。

言わなければ、

相手には、

見えません。

そして、

さらに、

こんなことまで、

言われました。

「計画倒産させるつもりですか?」

私は、

衝撃を受けました。

そんなことは、

考えていませんでした。

スタッフを、

だますつもりもありません。

お金を隠して、

逃げるつもりもありません。

むしろ、

最後まで残ってくれる人に、

何を返せるのか。

次へ進む人に、

何ができるのか。

私は、

そんなことを、

考えていました。

でも、

相手には、

そう見えていなかった。

私が、

何も言わない。

何を考えているのか、

分からない。

会社の先行きも、

見えない。

その空白に、

不安が入った。

そして、

不安が、

一つの答えを、

つくった。

「何か、

隠しているのではないか。」

「計画倒産させるつもりなのではないか。」

私は、

そこで、

初めて気づきました。

沈黙は、空白のまま残るとは限らない。

人は、

分からないことがあると、

その空白を、

自分の経験や、

感情で埋めることがあります。

安心しているときなら、

良い方向に、

考えるかもしれません。

でも、

不安なときには、

悪い方向へ、

考えることがあります。

こちらは、

「まだ言えない。」

と思っているだけでも、

相手には、

「何か隠している。」

と伝わることがある。

こちらは、

「自分で考えてほしい。」

と思って、

答えを言わなくても、

相手には、

「教えてくれない。」

「見放された。」

と伝わることもある。

私は、

それまで、

言葉について、

たくさん考えてきました。

どう言えば、

伝わるのか。

どこまで、

説明すればいいのか。

相手によって、

言い方を変えるべきなのか。

でも、

この経験から、

言わなかった言葉にも、伝わり方がある。

そう考えるようになりました。

もちろん、

だからといって、

何でも話せばいいとは、

思いません。

経営者には、

まだ言えないことがあります。

上司にも、

親にも、

友人にも、

その時点では、

言えないことがあります。

相手のために、

あえて、

言わないこともあります。

自分で考えてほしくて、

答えを、

渡さないこともあります。

沈黙そのものが、

悪いわけではありません。

ただ、

私は、

一つだけ、

考えるようになりました。

「自分が言わなかったことで、相手には何が伝わるだろう。」

何も言っていないから、

何も伝わっていない。

そうではありません。

黙っている。

返事をしない。

説明しない。

答えを出さない。

それ自体が、

相手にとっては、

一つの情報になります。

そして、

そこに、

どんな意味をつけるのかは、

こちらには、

決められません。

私は、

人材育成でも、

経営でも、

「伝える」ということに、

何度も悩みました。

伝えたのに、

伝わらない。

同じことを、

何度伝えても、

届かない。

そんな経験を、

何度もしました。

でも、

最後には、

もう一つ、

加わりました。

伝えなかったことまで、違う意味で伝わる。

ここまで来ると、

正直、

何が正解なのか、

分かりません。

話せば、

誤解されることがある。

黙っていても、

誤解されることがある。

丁寧に説明しても、

相手と、

同じ結論にはならないことがある。

それでも、

人と関わる以上、

伝えることから、

逃げることはできません。

だから私は、

完璧に伝えることを、

目指すのではなく、

自分が選んだ、

「言う」と「言わない」の両方に、

責任を持つしかないのだと、

思うようになりました。

言った言葉には、

責任がある。

そして、

言わなかったことにも、責任がある。

あのとき、

私は、

会社を終えるために、

たくさんのことを、

考えていました。

でも、

社員から見れば、

何も見えなかった。

私の沈黙は、

私が思っていた意味とは、

違う言葉に、

変わっていました。

「まだ、

言うときではない。」

という私の沈黙が、

相手には、

「何かを、

隠している。」

という言葉に、

聞こえていた。

私は、

その経験から、

言葉を選ぶことと同じくらい、

言わないことを選ぶときにも、相手からどう見えるのかを考えるようになりました。

伝えることは、

難しい。

今でも、

そう思います。

でも、

難しいからこそ、

考え続けるしかない。

何を、

言うのか。

何を、

言わないのか。

そして、

その沈黙が、

相手の中で、

どんな言葉に変わるのか。

そこまでが、

「伝えること」なのだと、

私は思っています。



🐾アオ日記

主人が、

何も言わずに、

アオを見ているにゃ。

アオには、

ちゃんと伝わってるにゃ。

「かわいい。」

に決まってるにゃ。

「またイタズラしたな。」

の可能性は、

考えないことにするにゃ🤣🐾

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