私は、誠意は伝わるものだと思っていた。 ― 自分が大切にしたものを、相手も大切にするとは限らない。―

私は、誠意は伝わるものだと思っていた。 ― 自分が大切にしたものを、相手も大切にするとは限らない。―

記事
ビジネス・マーケティング
私は、

会社を経営していた頃、

従業員を、

大切にしたいと思っていました。

言葉だけではなく、

できることなら、

行動で示したい。

そう考えていました。

私の役員報酬を、

月15万円にしていた時期があります。

手取りにすれば、

12万円ほどでした。

それでも、

自分の給与を上げるより、

従業員の給与や、

アルバイトの時給を、

上げたいと思っていました。

会社の利益が出たら、

まず、

働いてくれている人へ返したい。

私にとっては、

それが、

従業員を大切にすることの一つでした。

コロナで、

店舗を休業した時には、

社員へ、

100%の休業手当を支払いました。

仕事ができないのは、

社員の責任ではありません。

生活もあります。

だから、

できるだけ、

普段と変わらない給与を、

受け取ってほしい。

そう考えました。

休業している間、

別のアルバイトを始めた社員もいました。

私は、

それ自体を、

問題だとは思いませんでした。

空いている時間を、

どう使うか。

それは、

本人が決めればいいことです。

そんな中、

会社の今後について、

正社員だけで、

集まって話をしたいと思いました。

社員へ、

連絡しました。

すると、

一人の社員から、

「行けません。」

と言われました。

理由を聞くと、

こう返ってきました。

「バイトを入れたから。」

私は、

思いました。

「それって、

なんか、おかしくない?」

会社から、

100%の休業手当を、

受け取っている。

その会社が、

これからについて、

正社員で話をしたいと言っている。

でも、

休業中に始めた、

別のアルバイトを優先する。

私には、

その感覚が、

理解できませんでした。

もちろん、

100%払ったのだから、

会社に尽くしてほしい。

そう言いたかったわけではありません。

ただ、

会社が、

あなたの生活を守ろうとしている。

そのことを、

少しだけでも、

大切にしてほしい。

そんな気持ちだったのだと思います。

でも、

私が大切だと思っているものを、

相手も、

同じように大切だと思うとは限りません。

似たようなことは、

他にもありました。

ある社員から、

「相談を聞いてほしい。」

と、

連絡をもらったことがあります。

私は、

予定を空け、

時間を合わせました。

従業員から相談されることを、

面倒だとは、

思っていませんでした。

自分の時間を使ってでも、

力になれるなら、

そうしたいと思っていました。

ところが、

約束の時間が近づいた頃、

連絡がきました。

「別の予定が入ったので。」

リスケの連絡でした。

私は、

思いました。

「私との予定の方が、

先では?」

もちろん、

家族のこと。

子どものこと。

緊急のこと。

先に約束していても、

後から入った予定を、

優先すべきことはあります。

でも、

理由は、

「別の予定が入った。」

それだけでした。

そして、

同じことが、

何度か続きました。

私は、

本人に、

自分が感じたことを、

そのまま伝えました。

その社員は、

その後、

退職しました。

私は、

従業員を大切にしているつもりでした。

でも、

別の社員から、

こんな言葉を、

言われたこともあります。

「誠意がない。」

その言葉は、

当時の私には、

かなり重いものでした。

私は、

思いました。

自分の役員報酬より、

従業員の給与を優先してきた。

休業しても、

給与を100%支払った。

相談されれば、

自分の時間を空けてきた。

できるだけ、

従業員の生活を、

守ろうとしてきた。

「じゃあ、俺の誠意って、何だったんだ?」

そう思いました。

そして、

傷つきました。

今なら、

少し違う見方ができます。

私は、

自分が誠意だと思うものを、

相手にも、

誠意だと感じてほしかったのだと思います。

でも、

誠意は、

数字では測れません。

役員報酬を、

いくらにしたのか。

休業手当を、

何%払ったのか。

相談に、

何時間使ったのか。

それらは、

私がした行動です。

でも、

その行動を、

相手がどう感じるのかは、

別の話です。

私には、

「大切にしている。」

という行動でも、

相手には、

そう見えないことがあります。

反対に、

私には、

それほど大きなことではなくても、

相手にとっては、

大切なことかもしれません。

自分が差し出したものと、

相手が受け取ったものは、

同じとは限りません。

私は、

そのことに気づくまで、

ずいぶん時間がかかりました。

だからといって、

従業員を大切にすることを、

やめたわけではありません。

相談されれば、

できる範囲で話を聞く。

守れるものなら、

守りたい。

困っている人がいれば、

できることはしたい。

その考えは、

変わりませんでした。

変わったのは、

その先です。

自分が大切にしたのだから、

相手も、

自分を大切にしてくれるはず。

自分が誠意を示したのだから、

相手にも、

誠意が伝わるはず。

そう期待することを、

やめました。

自分が、

どうしたいのか。

自分が、

どういう経営者でいたいのか。

そこまでは、

自分で決められます。

でも、

それを相手が、

どう受け取るのか。

何を感じるのか。

何を返すのか。

そこから先は、

相手が決めることです。

私は、

誠意とは、

相手から同じものを、

返してもらうために、

差し出すものではない。

そう思うようになりました。

でも、

もう一つ、

大切なことがあります。

自分を壊してまで、差し出すものでもない。

私は、

その境界線を、

うまく引けませんでした。

従業員を大切にしたい。

会社を大切にしたい。

お客様を大切にしたい。

そう思い続ける中で、

自分自身を、

いつも最後にしていました。

そして、

最後には、

私の心が、

壊れました。

だから今は、

こう思います。

誰かを、

大切にする。

それは、

素敵なことです。

でも、

その「誰か」の中に、

自分自身も、

入れてあげてほしい。

自分を犠牲にし続けなければ、

示せない誠意なら、

いつか、

続けられなくなります。

自分を大切にしながら、

誰かも大切にする。

その方が、

きっと、

長く続けられます。

私は、

誠意は、

伝わるものだと思っていました。

でも今は、

少し違います。

誠意を示すことは、

自分にできます。

でも、

それを誠意だと感じるかどうかは、

相手が決めることです。

自分が大切にしたものを、

相手も大切にするとは限りません。

だからこそ、

相手から何が返ってくるかではなく、

自分が、

どうありたいのか。

私は、

そこを大切にするようになりました。

🐾アオ日記

主人は、

大切な人の中に、

自分も入れろと言うにゃ。

アオは、

最初から、

自分を一番大切にしているにゃ。

ご飯も、

寝る場所も、

遊ぶ時間も、

我慢しないにゃ。

主人も、少しはアオを見習うにゃ🐾

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私は、自分で判断することの大切さを伝えた。
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