前回までは、戦場のような「大手チェーン店」での経験をお話ししました。
「大手があんなに大変なら、こじんまりとした個人経営のサロンなら、もう少しゆとりを持って働けるのでは……?」
そう思った方、いらっしゃいませんか? 実は私も、そんな淡い希望を抱いて転職した一人でしたがその希望は見事に打ち砕かれることになります。
今回は、私がフリーランスとして働いた**「個人経営の肌管理室」**での、想像を絶するエピソードをお届けします。
👰 予約2〜3ヶ月待ち!「スリミング」の有名店
私が働いていた個人サロンは、肌管理だけでなく「スリミング(痩身)」でも有名なお店でした。 特に結婚式を控えた花嫁さんたちの「駆け込み寺」として人気で、韓国全土から来店され、予約は常に2〜3ヶ月待ちという盛況ぶり。
営業時間はなんと朝9時から、長いときは深夜24時まで!
私はフリーランス契約だったので朝の出勤でしたが、正社員の方々の体力は本当に凄まじいものがありました。
💦 大手とは違う「マルチタスク」の地獄
「個人店=アットホームでゆったり」なんて、大間違いでした。 大手チェーン店には部署専門のスタッフがいましたが、個人店ではそうはいきません。
施術、予約管理、お会計、電話対応
これら全てを、施術の合間を縫ってこなさなければなりません。大手とはまた種類の違う「バタバタ感」に、毎日目が回りそうでした。
📚 合格するまで帰れません!恐怖の「居残り教育」
そして何より辛かったのが、院長によるスパルタ教育です。 個人店が生き残るためには「結果」が全て。そのため、技術指導は徹底していました。
1日かけて新しい技術を学び、その日のうちに合格をもらえなければ帰れない「居残りシステム」。 テストの1週間前から、ストレスで胃がキリキリと痛むほどのプレッシャーでした……。
🚔 ライバル店の嫉妬?警察や保健所が来る日常
そして、ここからが韓国美容業界の怖いところです。 最近ニュースでも「不法施術」が話題になりますが、個人サロンの競争は**「熾烈」**の一言。
私が働いていたクリニックにも、警察や保健所の職員が「偵察」に来ることが度々ありました。 その多くは、繁盛している店を妬んだライバル店による通報です。「あそこは違法なことをしているんじゃないか?」と密告し、
蹴落とし合う…… そんなドロドロとした争いを目の当たりにしました。
🩸「出血」と「クレーム」の狭間で
私のお店には医師や看護師はおらず、医療行為(注射など)は禁止です。
しかし、人気の「スリミング」施術では、空気圧で脂肪溶解液を導入する機械を使用し、その衝撃で出血することもありました。
「これは違法じゃないの?」 「アザが残った!効果がない!」
さらに施術効果がしっかり出るように、アフターケアも説明をして納得していただくことがほとんどですが、中には納得されず、警察に通報されたり、裁判沙汰になったりするケースも決して珍しくありませんでした。
美しくなりたいお客様と、結果を出さなければ生き残れないサロン。
その狭間で起こるトラブルもまた、皮膚管理士が直面する現実の一つです。
まだまだ話し足りない「個人店」のエピソード、続きは次回へ……。