セラー業務支援室です。
今回は、ECサイトでの販売分析においてよく使われる指標のひとつ、
「コンバージョン率(Amazonセラーではユニットセッション率)」について、私なりの見解を書いてみたいと思います。
ECサイトにおけるコンバージョン率とは、
指定した期間の「販売回数 ÷ ページ閲覧回数 × 100」
で算出される数値です。
この数字は、コンサルタントの方々がよく持ち出してきて、「ここを改善しましょう」と力説されることが多い指標でもあります。
しかし、私の長年の経験から言うと、コンバージョン率はそれほど重要な数値ではないと感じています。
■売れた理由は、数量を見ればわかる
「どの商品が利益をもたらしているのか」を分析する際、
もしその商品の販売増加要因が"広告"であれば、売上数量を見た時点で
「あの広告だな」
とすぐに分かります。
一方で、理由がはっきりしない売上の伸びは、"外部要因"であることがほとんどです。
こうした場合でも、今の時代であれば、
• 生成AIに聞いてみる
• ネットで調べてみる
といった方法で、要因は比較的簡単に突き止めることができます。
■「ページ閲覧数」に振り回されないために
ECサイトで買い物をする消費者は、
「欲しい商品を、できるだけ有利に買う」
ことを目的に探しています。
つまり、多くの場合、買いたい商品はすでに決まっているのです。
(配送料を無料にするため、追加商品を探しているケースはありますが)
一方で、コンサルタントの方々は
「コンバージョン率が低いのは、ページに魅力がないから」
とよく言います。
しかし実際の現場にいる立場から見ると、
• ページ構成はECサイト側である程度決められている
• 商品画像も、よほど画質や構図が悪くなければ、販売数が大きく変わるほどの影響は出にくい
と感じています。
それよりも、ページ閲覧数にも販売回数にも大きな影響を与える要因は
セール施策や特典、そして話題性です。
■閲覧数と販売数に影響する要因
具体的には、次のようなものです。
① ECサイト側が行う施策
AmazonのブラックフライデーSALEや、楽天のお買い物マラソンなど
② 出展者(販売者)側の販促・広告
CDやDVDのECサイト別特典(付録)の違いなど
③ メディアで取り上げられて話題になること
①と③は、出展者=販売者の立場ではコントロールできない外部要因です。
①は、普段から購入している商品を「より有利に買いたい」と思ったときに閲覧数が伸び、
③は、メディアによって消費者の購買意欲が一気に高まったときに閲覧数が伸びます。
一方、②は人気の付録や特典がつけば、そのECサイトに購買が集中します。
広告活動を行い、消費者に認知されていくことで、購買意欲につながる可能性を秘めています。
ただし、②は費用がかかる施策であり、無限に実行できるものではありません。
■コンバージョン率を見るべき場面
②のような広告施策については、
広告を打った結果として
「コンバージョン率がどれくらい変化したのか」
を確認し、費用対効果を見る指標として使うのは有効だと思います。
限られた費用のなかで、次にどんな広告を打つべきかを判断する材料になるからです。
ただし、私の経験上では、
コンバージョン率が高くなる傾向があるのは、②よりもコントロールができない①や③だと感じています。
■メディアの影響力を実感した現場経験
私は30年間、そして現在も医薬品メーカーで働いています。
過去を振り返ると、
• 生姜ブームの際には、生姜味の飴が品切れになるほど売れた
• コロナ禍の初めには、「うがい薬が良い」とメディアで取り上げられ、品切れが続出
• 数年前には、処方箋の咳止めの薬不足が報道され、市販薬まで品切れ
といったことが実際に起こりました。
この経験からも、メディアは販売に対して絶大な影響力を持つということを、強く実感しています。
■コンバージョン率は「結果の数字」
コンバージョン率は、毎月必死に追いかける数字ではありません。
あくまで、
• 広告に対する費用対効果を確認するための指標
• 集客力そのものを測る指標ではない
と私は考えています。
広告費は、企業であっても、個人事業主でも、副業でも必ず限りがあります。
そこに時間と労力を使いすぎるよりも、
• どの商品が=売上数量
• なぜ売れて=広告宣伝or外部要因
• 結果として、いくら利益が残ったのか=経費、費用対効果
この数字の流れを見ること。
こちらのほうが、はるかに現場で役に立つ分析だと思っています。
コンバージョン率のような「結果の数字」ではなく、
・何が売上を作っているのか
・どこにコストをかけ、どこのコストを削るのか
こうした判断をするためには、
数字の流れを一貫して整理することが重要です。
私は、Amazonセラー様向けに
「売上数量・広告・経費・利益」を一つにまとめた
月次管理資料の作成をサポートしています。
感覚ではなく、数字で判断したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
現在の資料を拝見して、改善ポイントを簡単にお伝えすることも可能です