第4話「文化祭前夜の静かな不安」

第4話「文化祭前夜の静かな不安」

記事
占い
文化祭の前夜、教室はもう静かになっていた。

段ボールや紙、色とりどりの飾りがそのまま残され、
明日への準備がすべて置かれたまま。

でも、心の中は静かではない。

あの人のことを考えると、胸が締め付けられるような気持ちになる。

近づきたいけど、近づけない。

笑わせたいけど、変に思われたくない。

(どうしてこんなに意識してしまうんだろう)

一人、机に向かい、手帳を開く。
作業のチェックリストを書こうとするけれど、頭に入らない。

さっきまでの会話、
些細な視線、手が触れた瞬間。

どれも、頭から離れない。

「こんな気持ちで明日、うまくやれるのかな」

不安と期待が、混ざり合う。

少しだけ窓の外を見る。
夕暮れの光が柔らかく差し込む。

その光は、
少しだけ心を落ち着かせてくれるような気がした。

でも、心臓はまだ高鳴る。

(明日、何か起こるんだろうな)

一歩先の未来が、楽しみでもあり、怖くもある。

結局、手帳に書いたのは、
やるべき作業のことだけではなかった。

自分の気持ち。

初めて、あの人にどう思われたいか。

どうしたいか。

書くことで、少しだけ整理できた気がする。

でも、心の奥にあるドキドキは、
まだ消えていない。

その夜、ベッドに入っても、
顔が浮かぶ。

笑顔も、怒った顔も、少しだけ寂しそうな表情も。

(明日、どうなるんだろう)

心臓の音を聞きながら、
少しだけ眠れない夜が続いた。

続く。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す