葬儀も、主人の人柄ゆえか、たくさんの方にご参列いただき、
無事に送り出すことができました。
引っ越しや手続きに追われるうちに、時間は容赦なく過ぎていきました。
そしてようやく一息ついたとき――今度は、私自身に異変が起こりました。
もともとあった胆石が、溜め込んだストレスのせいか限界を超え、
強い痛みとして現れたのです。
主人と同じ大学病院での手術となり、なんとか無事に終えることができました。
世の中は、ちょうどコロナが騒ぎ始めた頃。
今まで続けていた仕事も辞め、家でぼんやりと過ごす日々が続きました。
時間だけが、静かに流れていきました。
そんな中、小学校からの友人が心配して声をかけてくれました。
「うちの喫茶店、手伝ってくれない? 気分転換になるから。」
コロナ真っ只中。
お客さんがほとんど来ない日もあるような状況でしたが、
その言葉に救われました。
魂が抜けたように、ただ時間が過ぎていくだけの毎日に、
体を動かせる場所、笑顔を取り戻せる時間をくれた――
彼女には今でも心から感謝しています。
ある日、その友人が言いました。
「はくちゃん、タロットできたよね?
この状況、なんかくさくさするから、希望が持てるように占ってよ。」
その言葉に、ハッとしました。
そうだ、タロット。
主人が亡くなるまでは毎日のようにカードを引いていたのに、
あの日から一度も触れていなかったことを思い出しました。
翌日、久しぶりにカードを取り出し、
友人のために一枚引きました。
それをきっかけに、喫茶店で少しずつ占うようになりました。
やがて常連さんたちからも「見てほしい」と頼まれるようになり、
喫茶店の片隅が、いつの間にか小さな占いコーナーになりました。
「ありがとう。ちょっと気持ちが軽くなったよ。」
その言葉を聞くたびに、心が温かくなり、
「もっと学びたい」と自然に思うようになりました。
たまたま目にしたネット広告で「タロット占星術講座」を見つけ、
気づけばその門を叩いていました。
そこから四柱推命、西洋占星術、インド占星術――
次々と学びたい世界が広がっていきました。
仕事も再開し、喫茶店のお手伝いは土日のみになりました。
常連さんの話し相手になりながら、
小さなテーブルでカードを広げる時間が、何よりの楽しみでした。
そして5年ほど経ったころ、友人が引退して地方に移住することに。
喫茶店での占いの日々も、終わりが近づいていました。
そんなとき、常連の方が言いました。
「はくちゃん、お金もらって、ちゃんと占いしたら?
話を聞いてもらうだけで、私たち元気になってるよ。」
お金をいただいて占う――
そんな発想はまったくありませんでした。
「無理、無理。そんなレベルじゃないよ。」
そう言う私に、
「もったいないよ。はくちゃんの言葉、あたたかいもん。」
と笑ってくれました。
その夜、パソコンの前で考えました。
――占い師って、どうやってなれるんだろう。
検索していて、ふと目に留まったのが「ココナラ」でした。
「こんな場所があるんだ…」
さまざまな先生たちのページを見ているうちに、
そこに溢れていた“感謝の言葉”に胸を打たれました。
「私も、誰かの力になりたい。」
そう思った瞬間、心が少しだけ前を向きました。
それからココナラの仕組みを勉強し、
プロフィールを書き、画像を作り、
ようやく出品ボタンを押したとき、手が震えました。
けれど、その震えは“恐れ”ではなく“希望”でした。
まだ、私の占い師としての物語は始まったばかり。
でも、どこかで誰かの心に、
そっと寄り添える日がくることを願っています。
ここまで、私の歩んできた物語にお付き合いくださり、
本当にありがとうございました。
次回からは、日々の出来事や、感じたこと、
そして少しの“心の呟き”を綴っていこうと思います。
どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。