採用手続のオンライン化が進む中で、「労働条件通知書をPDFにしてメールで送ってもよいのか」と疑問に思う担当者もいるのではないでしょうか。
労働条件通知書は、一定の条件を満たせば電子交付が認められています。ただし、会社の判断だけで電子交付に切り替えられるわけではありません。
今回は、労働条件通知書を電子交付する際のルールと注意点を解説します。
1.電子交付には本人の希望が必要
労働基準法第15条では、労働契約を締結する際に労働条件を明示することが義務付けられています。
労働条件の明示は原則として書面で行いますが、2019年4月から、労働者が希望した場合には、電子メールやSNSなどによる明示も認められています。
ただし、電子交付する場合には、次の点に注意が必要です。
・労働者本人が電子交付を希望していること
・受け取った内容を印刷して書面にできること
・必要な労働条件が適切に明示されていること
・会社が一方的に電子交付を決めることはできません。
2.PDFをメールで送る方法でもよい?
労働者が希望していれば、労働条件通知書をPDFにしてメールで送る方法も認められます。
また、一定の条件を満たせば、SNSのメッセージ機能などを利用することも可能です。
ただし、電子交付を希望していることは、事前に本人へ確認しておきましょう。
採用応募時にメールアドレスを登録しているだけでは、電子交付を希望しているとは限りません。
3.電子交付で注意したいポイント
電子交付を行う場合は、次の点にも注意しましょう。
① 送信先を間違えない
労働条件通知書には、賃金などの個人情報が含まれます。誤送信を防ぐため、宛先や添付ファイルを確認しましょう。
② 本人が確認できる状態にする
メールを送信しても、添付ファイルが開けない場合があります。必要に応じて受領確認を行うなど、確実に交付できる運用が大切です。
③ 交付した記録を残す
電子交付の希望確認や送信日時、交付した通知書などを保存しておくと、後日のトラブル防止につながります。
4.まとめ
労働条件通知書は、労働者本人が希望し、必要な条件を満たせば、メールなどによる電子交付が可能です。
ただし、電子交付が認められることと、労働条件の明示義務を適切に果たしていることは別の問題です。
電子交付を導入する際は、本人の希望確認、記載内容の確認、送信方法、記録の保存まで含めた運用を整えましょう。