「就業規則は昔作ったまま」「開業時や従業員が増えた時に作成して、それ以降ほとんど見直していない」「顧問社労士がいないので、今の内容で問題ないか分からない」このような会社は少なくありません。
しかし、就業規則は一度作れば終わりではありません。会社の働き方、従業員構成、法改正、社会情勢に合わせて、定期的に見直す必要があります。
特に近年は、労働条件明示、育児・介護休業、ハラスメント対策など、企業が対応すべき労務管理の範囲が広がっています。たとえば2024年4月からは労働条件明示ルールが改正され、就業場所・業務の変更範囲、有期契約労働者の更新上限、無期転換に関する明示事項などが追加されています。
1. 法改正に対応できていない可能性がある
就業規則を何年も見直していない場合、まず問題になるのが法改正への未対応です。労働関係の法律は頻繁に改正されます。年次有給休暇、育児・介護休業、ハラスメント、労働条件通知書、有期契約社員の更新、無期転換、テレワーク、副業・兼業など、会社が押さえるべきテーマは年々増えています。
たとえば育児・介護休業法は、2025年4月1日から段階的に改正内容が施行されており、育児期の柔軟な働き方や介護離職防止に関する対応が求められています。
古い就業規則のままだと、実際の法律や運用と規定内容がズレてしまい、従業員から指摘されたときに説明が難しくなることがあります。
2.実際の働き方と就業規則が合っていない
次に多いのが、就業規則と実態が合っていないケースです。たとえば、次のような状態です。
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・就業規則では始業時刻が9時なのに、実際は部署ごとに違う
・固定残業代の記載が不十分
・在宅勤務やテレワークの規定がない
・副業、SNS、ハラスメント対応のルールが古い
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就業規則は、会社と従業員の基本ルールです。そのルールが実態と違っていると、トラブルが起きたときに会社側の説明が弱くなります。
特に、労働時間、残業代、休日、休暇、退職、懲戒、休職に関する規定は、トラブルになりやすい部分です。
3.トラブル時に会社を守れない
就業規則の重要性は、平常時よりもトラブルが起きた時に分かります。たとえば、問題社員への注意指導、懲戒処分、休職・復職、退職勧奨、無断欠勤、ハラスメント対応などです。
このような場面で、就業規則に根拠となる規定がなければ、会社として対応しにくくなります。
もちろん、就業規則に書いてあれば何でも有効というわけではありません。
しかし、会社として適切なルールを定め、従業員に周知しておくことは、労務トラブルを防ぐうえで非常に重要です。
4.「昔のひな形」のままだと会社に合っていないことがある
就業規則を作成した会社の中には、インターネット上のひな形や古いモデル規程をもとに作ったまま、ほとんど見直していないケースもあります。
ひな形自体が悪いわけではありません。ただし、就業規則は会社ごとの実態に合わせて作る必要があります。
たとえば、同じ中小企業でも、
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・正社員中心の会社
・パート、アルバイトが多い会社
・契約社員が多い会社
・現場作業がある会社
・営業職が多い会社
・テレワークがある会社
・シフト制の会社
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では、必要な規定が変わります。
会社の実態に合わない就業規則は、いざという時に使いにくいものになります。
5.まとめ
就業規則は、一度作成すれば終わりというものではありません。会社の働き方や従業員構成、法改正の内容に合わせて、定期的に見直していく必要があります。
何年も見直していない就業規則は、現在の法律に対応できていなかったり、実際の働き方と内容が合っていなかったりする可能性があります。そのまま放置していると、労働時間、休日、休暇、退職、懲戒、休職・復職、ハラスメント対応などでトラブルが発生した際に、会社として適切な対応を取りにくくなるおそれがあります。
特に近年は、育児・介護休業、労働条件明示、ハラスメント対策、カスタマーハラスメント対策など、企業に求められる労務管理の範囲が広がっています。昔のひな形や古い規程のままでは、現在の会社運営に合わなくなっていることも少なくありません。
就業規則は、会社を縛るためのものではなく、会社と従業員の双方が安心して働くための基本ルールです。労務トラブルを未然に防ぎ、いざという時に会社を守るためにも、定期的な点検と見直しを行うことが大切です。