【決めたことを実行に移す方法①】優先順位を決めたのに、なぜ実行されないのか

【決めたことを実行に移す方法①】優先順位を決めたのに、なぜ実行されないのか

記事
ビジネス・マーケティング
この記事は、「決めたことを実行に移す方法」シリーズの第1回です。
「結局、何から手をつけるべきか?優先順位の考え方」の続編として、
決めたことをどう前に進めるかを考えていきます。

「やるべきことは分かっている」
「優先順位も決めた」
「会議でも重要テーマだと確認した」

それなのに、なぜか前に進まない。
会社では、このようなことがよく起こります。

優先順位を決めることは大切です。
限られた人員、時間、予算の中で、何から手をつけるべきかを決めることは、経営においてとても重要です。

しかし、優先順位を決めただけでは、仕事は実行されません。

本当に重要なテーマほど、
通常業務の合間に少しずつ進めるだけでは止まりやすくなります。

なぜなら、重要なテーマほど、複数の部署が関わり、判断が必要になり、
現場の仕事のやり方も変わるからです。

1. 優先順位は、決めただけでは動かない

優先順位を決めると、何となく前に進んだ気になります。

「まずはこれをやろう」
「今期はこれを重点テーマにしよう」
「この課題を最優先で進めよう」

このように決めること自体は、もちろん大切です。
しかし、実際にはそこから先が難しいのです。

誰が進めるのか。
いつまでに進めるのか。
何ができたら完了なのか。
どこまでを対象にするのか。
誰の協力が必要なのか。
誰が判断するのか。

ここまで決まっていなければ、現場は動きにくいものです。

「重要なので進めましょう」
「各部で対応してください」
「今期中に検討しましょう」

このような言い方だけでは、日々の業務に埋もれてしまいます。
通常業務には、毎日やるべきことがあります。

顧客対応。
会議。
資料作成。
トラブル対応。
部下の相談。
上司への報告。

その中で、新しい重要テーマを進めるには、
通常業務とは別の進め方が必要になります。

2. 重要な仕事ほど、日常業務の延長では進まない

たとえば、「利益率の低い受注を減らす」というテーマを考えてみます。
これは経営にとって重要なテーマです。

売上は増えているのに利益が残らない。
現場は忙しいのに会社は楽にならない。
大口顧客ほど特別対応が多く、採算が悪い。

このような状態であれば、利益率の低い受注を見直すことは重要です。

しかし、このテーマは営業部だけでは完結しません。

営業は、顧客との関係や売上目標を気にします。
製造やサービス部門は、特別対応や手戻りの負荷を知っています。
管理部門は、案件別・顧客別の採算を整理する必要があります。
経営層は、どの顧客や案件を重視するのか判断する必要があります。

つまり、複数の部署が関わります。

このようなテーマを、
単に「営業部で検討してください」と言ってもなかなか進みません。

売上目標は変わらない。
既存顧客との関係もある。
採算データも十分に見えていない。
製造や管理部門との調整も必要。

この状態では、担当部署だけで進めるには限界があります。

だからこそ、重要テーマは通常業務の延長ではなく、
プロジェクトとして扱う必要があります。

3. そもそもプロジェクトとは何か

ここで、プロジェクトという言葉を整理しておきます。

プロジェクトとは、通常業務とは別に、特定の目的を達成するために、
期限を決めて進める取り組みのことです。

毎月の請求処理。
日々の受注対応。
定例の会議運営。
毎週の報告資料作成。

このように、繰り返し行う仕事は通常業務です。

一方で、

新しい管理会計の仕組みを導入する。
営業プロセスを見直し、利益率の低い受注を減らす。
基幹システムを入れ替える。
新規事業を立ち上げる。
部門横断で業務プロセスを再設計する。
商品別・顧客別の採算を見える化し、撤退や値上げの判断に使える仕組みを作る。

このように、目的があり、期限があり、複数の関係者を巻き込みながら進めるものは、プロジェクトとして扱うべきです。

プロジェクトは、日常業務の延長で何となく進めると止まりやすくなります。

なぜなら、通常業務とは違い、担当者、関係者、期限、判断事項、進捗確認の方法を意識して設計しなければならないからです。

4. プロジェクトとして扱うとはどういうことか

プロジェクトとして扱うとは、単に「プロジェクト」という名前を付けることではありません。

目的を明確にする。
ゴールを決める。
対象範囲を決める。
責任者を決める。
関係者を整理する。
期限を決める。
進捗確認の場を作る。
止まっている理由を見える化する。

こうした仕掛けを作ることです。

優先順位を決めることは、出発点です。

しかし、それだけでは実行には移りません。

優先順位を実行に移すには、重要テーマをプロジェクトとして立ち上げ、
動かす仕組みに落とし込む必要があります。

5. 実行されない原因は、やる気だけではない

決めたことが実行されないと、つい「現場の意識が低い」「やる気がない」と考えてしまうことがあります。

もちろん、そういう場合もあるかもしれません。

しかし、多くの場合、実行されない原因はそれだけではありません。

目的が曖昧。
ゴールが曖昧。
担当者が曖昧。
関係者が整理されていない。
期限が遠すぎる。
進捗を確認する場がない。
誰が判断するのか決まっていない。

こうした状態では、
どれだけ重要なテーマでも日々の業務に埋もれてしまいます。

つまり、問題は「やる気」ではなく
「実行される仕組み」がないことかもしれません。

まとめ

優先順位を決めたのに実行されないことは、珍しくありません。
原因は、現場のやる気がないからとは限りません。

目的が曖昧。
誰が進めるのか曖昧。
何を達成すれば完了なのか曖昧。
誰の協力が必要なのか曖昧。
どこで進捗を確認するのか曖昧。

こうした状態では、どれだけ重要なテーマでも、前に進みにくくなります。
優先順位を決めた後に必要なのは、実行に移すための仕掛けです。

重要テーマは、通常業務の延長ではなく、プロジェクトとして扱う。
目的、ゴール、責任者、関係者、期限を明確にする。
進捗を確認し、止まっている場合にはその理由を見える化する。

ここまで落とし込んで初めて、決めたことは実行に移りやすくなります。

次回は、優先テーマをプロジェクトとして立ち上げるために必要な
「プロジェクトチャーター」について考えていきます。

経営判断、事業計画、管理会計、業務改善などについて、
「何から整理すればよいかわからない」
「自社の場合はどう考えればよいか相談したい」
という方は、お気軽にご相談ください。

現状を一緒に整理しながら、
次に取るべき打ち手を考えるお手伝いをいたします。



サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す