決めたことを実行に移す方法④ 決めたことを前に進めるためのプロジェクト管理(後半)

決めたことを実行に移す方法④ 決めたことを前に進めるためのプロジェクト管理(後半)

記事
ビジネス・マーケティング
前回は、
プロジェクトを前に進めるための計画づくりについてお話ししました。

課題を明確にし、WBSで作業を分解する。
担当者と期限を決め、クリティカルパスを意識する。
ここまでできれば、プロジェクトの土台はできています。

しかし、実際のプロジェクトはここからが本番です。
どれだけ良い計画を立てても、
その後の管理ができなければ、プロジェクトは少しずつ遅れていきます。

今回は、プロジェクトを最後までやり切るための「進捗管理」と「課題管理」についてご紹介します。

1. 進捗管理は「予定どおりか」を確認することではない

進捗会議というと、
「予定どおり進んでいますか?」
「遅れていますか?」
という確認だけで終わってしまうことがあります。

しかし、それだけでは十分ではありません。
本当に確認したいのは、
このまま進めて、最終的にゴールへ到達できるのかです。

遅れがあれば、
 ・取り戻せるのか
 ・他の作業に影響するのか
 ・誰かの支援が必要なのか
まで考える必要があります。

2. 課題管理では「止まっている理由」を明確にする

進捗管理が「予定どおり進んでいるか」を確認するものだとすれば、
課題管理は「なぜ進んでいないのか」を明確にし、その原因を取り除くためのものです。

プロジェクトでは、作業を進める中でさまざまな課題が発生します。

必要なデータがそろわない。
関係部門の合意が取れない。
判断する人が決まっていない。
ルールが統一されていない。

こうした課題をそのままにすると、担当者が個別に抱え込み、気づかないうちにプロジェクト全体が遅れていきます。

そこで、課題管理表を使って、
 ・対象の課題は何か
 ・どの部署が対応するのか
 ・誰が責任を持つのか
 ・いつまでに対応するのか
を明確にします。

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課題を登録した後は、
単に対応状況を聞くのではなく、次の点を明確にします。

何が決まれば解決なのか。
解決のために、誰の判断や協力が必要なのか。
解決したと判断する基準は何か。

例えば、「顧客別利益を算出すること」であれば、単に計算表を作っただけで完了とは限りません。

売上、原価、物流費などの計算ルールが決まり、対象となる顧客について同じ方法で継続的に算出できる状態になって、初めて解決したと判断できます。

課題管理表は、問題を記録するための表ではありません。
課題を曖昧な状態から、誰が何をすれば解決するのかが分かる状態に変えるための道具です。

3. 問題は小さいうちに見つける

プロジェクトの遅れは、ある日突然発生するわけではありません。

最初は、
「少し確認に時間がかかっている」
「まだ関係部署から回答が来ていない」
「担当者が忙しそうだ」
「成果物の内容が想定より薄い」
といった、小さな違和感として現れます。

「違和感があったのは自分だけかもしれないから、止めておこう」と
指摘せずに心の中で消化するのは止めましょう。
「小さな違和感」はプロジェクトメンバーの多くの人が共感するものです。

この段階で対応できれば、関係者への確認や役割の見直しなど、
比較的小さな対応で済みます。

「順調です」だけでは判断できない
担当者の「順調です」という言葉だけで判断しないことも大事です。

悪気がなくても、
「期限までには何とかなると思う」
「まだ遅れているとは言えない」
「自分で解決してから報告したい」
と考え、問題が表に出てこないことがあります。

責任者が問題を知った時には、すでに取り返しのつかない状態になっており、何かを妥協しなければならないことがあります。

そのため、進捗確認では「順調かどうか」ではなく、事実を確認します。

 ・現時点で具体的にどこまでが終わっていて、何が残っているのか
 ・次は「いつ」「何を」行う予定か
 ・次の作業は始められる状態にあるのか
 ・完了までに不確定なことが残っていないか
といった点です。

例えば、「80%終わっています」という報告にも注意が必要です。

80%という数字だけでは、何が完了し、何が残っているのか分かりません。
残りの20%が簡単な仕上げなのか、関係部署との合意形成のような
難しい作業なのかによって、意味は大きく異なります。

進捗率ではなく、完了した成果物や次の作業を始められる状態になっているかを確認することが重要です。

悪い情報ほど早く出せる環境をつくる
問題の早期発見には、確認方法だけでなく、報告しやすい環境も必要です。
遅れを報告した担当者を責めると、次から問題が隠されるようになります。

大切なのは、
「なぜ遅れたのか」と個人を追及することではなく、
「何が進行を妨げているのか」、「今ならどのような対応ができるのか」
を一緒に考えることです。

問題が起きないプロジェクトはほとんどありません。
問題そのものよりも、問題が見えないまま時間が過ぎることの方が危険です。

進捗管理では、予定どおり進んでいることを確認するだけでなく、
まだ問題とは言い切れない小さな変化を見つけ、
早い段階で手を打つことが求められます。

小さな違和感を早く共有できるプロジェクトほど、
大きな問題を防ぐことができます。

4. 会議は報告会ではない

プロジェクトの進捗会議は、往々にして長くなりがちです。
その原因の一つが、出席者全員が順番に状況を報告することです。

もちろん報告も必要ですが、
事実の共有だけであれば、事前に資料や課題管理表を確認すれば済みます。

会議で時間を使うべきなのは、報告ではなく意思決定です。

例えば、
 ・どこが止まっているのか、その原因は何か
 ・どうすれば前に進めるのか
 ・解決のために誰の判断や支援が必要なのか
を明らかにします。

例えば、「顧客別利益の算出が遅れている」という報告だけでは、
プロジェクトは前に進みません。

データが不足しているのか、計算ルールが決まっていないのか、
部門間で認識が異なるのかを整理し、その場で何を決めるかが重要です。

また、会議の最後には、
 ・何を決めたのか
 ・誰が担当するのか
 ・いつまでに実施するのか
を明確にします。

「検討する」「調整する」といった曖昧な結論では、
会議が終わっても何も変わりません。

会議は報告の場ではなく、プロジェクトを進めるために意思決定する場です

5. 完璧を目指さない

プロジェクトでは、
100点を目指して止まるより、80点で前へ進む方が良い場面が多くあります

もちろん、品質は重要です。
しかし、すべてを完璧にしてから次の工程へ進もうとすると、いつまで経っても終わりません。

なぜなら、プロジェクトは一人で完結するものではなく、多くの作業が連携して進むからです。
一つの作業が完成するまで待っている間に、後続の担当者は着手できず、プロジェクト全体が止まってしまいます。

また、プロジェクトの初期段階では、すべての情報が揃っていることはほとんどありません。
実際に進めてみることで新たな課題が見つかり、当初の計画を修正することも珍しくありません。

そのため、最初から100点を目指すよりも、まずは80点の状態で前へ進み、フィードバックを受けながら改善していく方が、結果として早く高い品質に到達できます。

もちろん、安全性や法令順守など、妥協できない部分はあります。
一方で、資料の表現や分析方法などは、まず形にして関係者から意見をもらった方が、完成度が高まることも少なくありません。

プロジェクトでは、完璧な計画を作ることよりも、改善しながら前へ進めることの方が重要です。

まとめ

前回は、
 ・課題を明確にする
 ・WBSを作る
 ・担当者と期限を決める
 ・クリティカルパスを意識する
という「計画」の話をしました。

今回は、
 ・進捗管理
 ・課題管理
 ・問題の早期発見
 ・会議の進め方
という「運営」の話をご紹介しました。

計画と運営の両方が揃って初めて、プロジェクトは最後まで前に進みます。

「プロジェクトが途中で止まってしまう」
「会議ばかりで前に進まない」
「進捗管理のやり方を見直したい」

そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
事業計画、管理会計、業務改善、プロジェクトマネジメントなど、実務経験をもとに現状を整理し、実行につながる進め方を一緒に考えます。

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