知らずにやっていませんか? 「首切り写真」「くし刺し写真」は、見る人を追い払ってしまうぐらい不快

記事
写真・動画
「本当はNGなんだが、あまりに普通に出回りすぎて、おかしいと思う人も少なくなってしまった」と思える写真の撮り方に、「首切り写真」と「くし刺し写真」があります。

これらをサイトなどに掲載していないでしょうか。「どこがおかしい」と指摘までできないにしても、「チープな作り&チープな内容の記事」の印象を訪問者は持ってしまったかもしれません。

「首切り写真」「くし刺し写真」とは

「首切り写真」とは、特に人物写真を撮ったときに、その人物の背後でちょうど首の高さに横切る線があるものをいいます。私が普段見るものの範囲でいえば、ライターが原稿だけではなく、写真撮影まで担当した記事で当たり前にあります。

このパターンで多い「横切る線」は、ホワイトボードの「粉受け」の部分です。「取材場所を会議室にしてもらい、相手に座ってもらうと、ホワイトボードの下の端がちょうど首の後ろにくる」ということでしょう。次に多いのは窓枠です。
首切り写真 copy.jpg
「くし刺し写真」も問題になるのは、やはり人物写真です。頭のてっぺんに縦の線が下りてきているものをいいます。こちらで多いのは、屋内ならば窓枠や建具、屋外ならば樹木や交通標識などです。
串刺し写真 copy.jpg

人物から注意がそれてしまう「首切り写真」「くし刺し写真」

「これら2つがなぜ悪いか」は、すっきりとした説明はなかなかないようです。ただ、私なりに考えるのは……

人物の写真を撮っているのならば、特に意味がない限り、背景には見る人の注意がいかないような撮り方をする。ごちゃごちゃしているのならば、すっきりとしたところに移動する。いらないものがあれば動かす。それら見る人の注意をそらしてしまう極端なものが、「首切り」と「くし刺し」の線

……です。

なにしろ、首の部分で人間を上下に分け、頭のてっぺんにものが突き刺さっているような姿になっているのです。注意がそれたり、嫌な印象を受けるのも無理のないところでしょう。

このページ内にも2、3、首切り写真とくし刺し写真を用意しました。「わざわざ説明されたせいだ」もあるでしょうが、いったん「首切り」と「くし刺し」の線に気がついてしまうと、もう人物には注意がいかないのではないでしょうか。ちなみに、その「人物」は私なのですが……

「おかしいと思える人さえ少ないのだったら、それでもういいだろう」と考える人もいるかもしれません。しかし、「おかしいとも思わない」の背景には、「じっくり見る写真とは思っていない」があるような気がします。サイトに掲載した写真であれば、離脱率を高め、滞在時間も短くしてしまうでしょう。アイキャッチとして使っている写真であれば、完全に失敗です。

また、「首切り写真」「くし刺し写真」に限らず、素人くさい写真全般にいえることですが、どういったサイトに出すかでも受ける印象が違うかもしれません。たとえば、個人サイトであれば、「へたな写真も、それはそれで手作り感があっていい」となることもあるでしょう。しかし、企業のサイトであれば、「金を掛けていないサイト・力を入れていないサイトを、世間にさらしている」として、企業イメージのマイナスになるだけのような気がします。

「首切り写真」「くし刺し写真」を撮ってしまうのは、テクニックの問題ではない

「首切り写真」「くし刺し写真」を避ける方法のひとつに、「被写界深度を浅くする」があります。中級者以上向けの話なので、具体的なやり方は省略しますが、ホワイトボードの下の端や窓枠があっても、形があやふやになるぐらいピンボケさせてしまえばいいのです。

それよりも先に「首切り・くし刺しになる線が入らないように、カメラの位置や撮影相手の位置を変える」をやるべきでしょう。これはテクニックではありません。ファインダーや液晶モニターを見れば、首切りなどの線はそこに見えているのですから。

おそらく本当に必要なのは、「首切り・くし刺しになる線が入っていても、平気でシャッターを切っていた。だらしない撮り方だった」と気が付き、この姿勢を変えることでしょう。ひとことでいえば「写真撮影に対する意識改革」です。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す