高いカメラを買う前のはもっとあと まずは、腕を上げる・今のカメラを使いこなす

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「もっといい写真が撮りたい」と考えるときに、多く人は「今のカメラじゃダメなんじゃないか。もっと高いカメラを使ったほうがいいのでは?」となるのではないでしょうか。中には、「今使っているのは○○社の製品だが、どうも△△社の方が評判がいい。買い替えようか」といった人もいるでしょ

100パーセントとまではいいませんが、かなりの高い確率で、写真がよくないのはカメラのせいではなく、腕のせいです。

写真の失敗の種類

写真の失敗には、思いつくだけでもざっとこれだけあります。

(1)露出オーバー・アンダー≒画像が真っ白・暗すぎる
(2)ホワイトバランスが調整しきれていない≒色がおかしい
(3)ピンぼけ
(4)手ぶれ≒シャッターを押す瞬間にカメラを揺らしてしまっている
(5)被写体ぶれ≒シャッターが開いている間に、被写体が移動する
(6)構図≒「構図がいい悪い」の前にそもそも構図を考えていない人も多い

これらのうち、初心者がカメラを買い替えることで改善の可能性があるのは、(1)から(4)です。「カメラ任せのオートにすれば、カメラのほうで失敗を防いでくれる」ということでの「改善」です。

ただし、初心者の大半は、自分の撮った写真の「露出オーバー・アンダー」「ホワイトバランス」の判断はできていません。「ピンぼけ」「手ぶれ」「被写体ぶれ」については、よほど極端になれば認めるでしょうが、大半は大甘です。構図については、どんなにいいカメラを使っても、改善しません。

たとえば、このガリバー像の写真の「補正前」を見てください。これだけを見て、「ああ、露出に失敗している。構図も考えていない」と気がつく人はどれだけいるでしょうか。自身で撮ったものならば、「ちょっと暗いような気もするけど、こんなもんだんだろうな」で済ませてしまうのではないでしょうか。
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値段の高いカメラだといい写真が撮れるか?

「高級なカメラ・最新のカメラは画質がいい」のは、一般的な傾向としては間違っていません。この場合の「画質がいい」とは、「色の再現性がいい」「明暗のコントラストが強すぎず・弱すぎず」「ピントを合わせている部分については、細かい部分までボケずに写っている」などを指します。

しかし、ガリバー像の「補正前」と同じような写真を撮って、それがおかしいとも思わない人には、宝の持ち腐れでしょう。肝心のガリバー像が、これだけ真っ黒では「色の再現性」も「明暗のコントラスト」も意味がありません。

カメラ・レンズの製品の紹介をするサイトでは、確かに「新型の○○になって画質が向上した」「△△製と□□製を比べると、近年は△△製の方が画質がいい」といった記事が常に出ています。

画質についてのいい悪いの話は、「専門家があら探しでもするような目で見て、分かる程度の差」と考えておきましょう。そうでないならば、「5年前・10年前のカメラは今のものよりも劣る。これらによって撮られた写真も、今撮られている写真と比べて劣る」となるです。これらを判別できる人はいますか? はっきりいって私は無理です。

イメージセンサーの大小をどう考えるか

いいカメラ・高級なカメラを考える上で、欠かせない要素がイメージセンサーの大きさです。「イメージセンサー」とは、レンズから入った光を電気信号に変換する電子部品のことで、昔のカメラでいえばフィルム、目でいえば網膜にあたります。

カメラによって大小に差があります。デジイチ(デジタル一眼レフ)の場合、一般的に「それだけの面積があれば、十分だろう」とされているのが「フルサイズ」で、36×24ミリの大きさです。ニコンやキヤノン、ソニーなどの高級機種に採用されています。

その9分の4の面積なのが、「APS-C」で、ニコン・キヤノン・ソニーの下位機種、フジフイルムの主力機種に採用されています。フルサイズの4分の1の面積が「フォーサーズ」で、オリンパスなどはこれです。

詳細は避けますが、イメージセンサーが大きいほど高画質につながります。ただ、「ほとんどの人にとって、フルサイズはオーバースペックである。パソコンの画面で見る程度ならば不要」との考え方もあります。

例外も少なくありませんが、ごく一般的なコンデジ(コンパクトデジカメ)のイメージセンサーは、フルサイズの30分の1しかありません。「一応のことならば、こんなに小さくても間に合っている」といっていいのではないでしょうか。

もし、「今の自分に、大きいサイズのイメージセンサーが必用か」を考えるのならば、まずは、「フルサイズのカメラで撮られた写真と、一般的なコンデジで撮られた写真を見て、ひと目でどちらか分かるかどうか」をチェックしてみましょう。もし、わからなければ、フルサイズのカメラを買う前にやらなければならないことがたくさんあります。

まずは、今もっているカメラを使いこなしてみる

デジイチやコンデジでいい写真が撮れないと、「スマホの方がきれいに撮れる」とせっかく買ったデジイチやコンデジには見向きもしなくなってしまう人までいます。

「もっといいカメラを買ったほうがいいかも」という人も、「スマホの方がよさそう」という人も、まずは、薄いものでいいので『写真の撮り方』の1冊でも読むようにしましょう。

かつて、カメラは「写真が撮りたい。カメラがほしい」という動機があって、それから手にするものでした。そういった人たちは、当たり前にノウハウ本に頼っていました。しかし、今はスマホが生活必需品であって、それを手に入れたら自動的に内蔵カメラもついてきます。ふわっと撮りはじめてしまって、その延長のままきている人が大半ではないでしょうか。

「カメラは使いこなすのに、知識もスキルも要る」が忘れられているような気がします。

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