写真撮影初心者がやりがちな失敗・「日の丸写真」とは

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写真撮影の初心者がやりがちな失敗のひとつに、「日の丸写真」があります。「メインとなる被写体、あるいは、その被写体の中でも最も重要な部分が、画面中央にくる」ものをいいます。被写体によってはこれでOKなことも少なくありません。

しかし、初心者が撮り、しかも被写体が人物ならば、かなりの確率で何を見せたいのかわからない写真になります。

真ん中だけしか使わず、周辺にむだが広がる日の丸写真

これらの写真でいえば、左側が日の丸写真です。「最も重要な部分」はいうまでもなく像の顔で、それが上下でみても、左右でみても中央にきています。周辺が「♪白地に……」、顔が「♪赤く……」で日の丸です。露出オートで撮影したために、「背後の空の明るさに引きずられて、肝心の像はアンダーになる」という、おまけの失敗までつきました。
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頭の上には全体の3分の1かそれ以上の空間が広がります。その空間に背景として意味のあるものがあれば、それはそれで記念撮影ぐらいにはなったかもしれません。しかし、「像を撮りたかった」のであれば、像の印象が薄くなっただけです。

日の丸写真を撮ってしまうわけ

日の丸写真を撮ってしまうのは、次のような理由でしょう。

・「最も重要な部分だから、画面の中央にあるのは当たり前」と思っている。

・被写体をどこでカットすればいいかわからない。なので、「念のために」と意味のない周辺部まで入れてしまう。

・どのカメラも、特に操作しなければ、フォーカスエリア(ピントを合わせる位置)が中央なので、そのまま主役を中央に置いてシャッターを切ってしまう。

あるいは、広角レンズ(ズームレンズの広角側)で撮影したのならば……

・広角レンズの使い方がわからない。

……もあるかもしれません。

詳しい説明は避けますが、人物など主役になるものがあって広角レンズで撮る場合、その主役に極端なぐらいに近づかないと、小さくしか写りません。初心者はそれをやらず、「画面の中に撮りたいものが入っている」だけで安心してしまうのです。

「セミナー参加者など室内を撮った写真で、着席している人は、画面の真ん中から下にだけ入っている。上半分は天井で、照明器具の並び具合まで確認できる」も珍しくない写真です。「貸し会議室の物件案内」の写真であれば、天井まで入っていていもいいかもしれません。しかし、「こんなにたくさんの人がセミナーに参加してくれました」「熱心に講師の話に聞き入る参加者たち」であれば、天井は要りません。

「日の丸写真」とは呼びませんが、撮り方の失敗としては同じです。

日の丸写真を避ける最初のステップは、「四隅も見る」

日の丸写真を撮らないようにするためにやることの第一は、①「画面中央でピントを合わせる癖をなくす」です。同時に、②「構図も考えて、カメラを構える」もやらなければなりません。

②は初心者には荷の重い話でしょう。「構図」にはいくつもパターンがあるだけではなく、そのときどきの撮影意図でも変わってきます。

まずは、「シャッターを切る前に、一度は画面の四隅を見る」から始めるといいでしょう。多くの人は、それだけで「かつての自分は、構図を全く気にしていなかった」と気がつくのではないでしょうか。

「セミナー参加者など……」の場合は、少しカメラ位置を高くするだけでも、構図がガラリと変わることがあります。奥行きが見えるようになり、天井が入らなくなることが大半です。

その場でイスでも借りて、その上に立ってみるといいでしょう。ただし、折りたたみのパイプイスは、背もたれ側半分を踏むと折り畳まれます。踏み抜いたような形になって、落下してしまうのでご注意ください。

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