医療機器の品質マネジメントシステム(QMS)では、不適合が発生したときの対応が非常に重要です。その中でも特に重要なのが「修正(Correction)」と「是正処置(Corrective Action)」の違いです。
現場ではこの2つを混同しやすく、内部監査や外部審査で指摘されることも少なくありません。本記事では、両者の違いと、ISO 13485に基づく正しい対応のポイントを実務的に解説します。
修正とは?
修正とは、不適合が見つかった際に行うその場の対応処置です。たとえば、不良品の廃棄や再作業、誤表示のラベル貼り替え、製品の回収などが該当します。
修正の目的は、今発生している問題への迅速な対応です。
ただし、原因には踏み込まず、再発防止にはつながらないため、同じ問題が繰り返される可能性があります。
是正処置とは?
是正処置は、不適合の再発を防ぐための活動です。
修正が「目の前の火を消す」行為なら、是正処置は「火事の原因を探して対策する」ことにあたります。
ISO 13485では、是正処置のプロセスとして、不適合の内容を確認し、その原因を分析し、必要な対応を実施し、その効果を確認することが求められています。
つまり、「なぜそれが起きたのか?」を明らかにし、「二度と起きないようにするにはどうすればよいか?」を考え、行動に移すことが是正処置です。
実務での流れ
不適合を検出したら、まず修正を行って事態を収拾します。
その不適合が繰り返される可能性がある、または影響が大きいと判断された場合は、是正処置を検討します。
是正処置では、原因分析を行い、必要な改善を実施し、効果を確認します。
この一連の流れを記録として残し、再発防止の証跡とします。
よくある誤解と注意点
「不良品を処分したから是正処置完了です」といった報告がよくありますが、それは修正にすぎません。
是正処置とは、同じ不適合が将来起こらないようにすることが目的です。
審査では、原因分析の妥当性や効果確認の実施までチェックされます。
まとめ
・修正は、発生した不適合へのその場の対応。
・是正処置は、不適合の再発防止を目的とした根本的な対応。
・是正処置では、原因分析・対応の実施・効果確認・記録保持が重要。
最後まで読んでいただきありがとうございました。