喘息の薬と副作用とダイエットの話。

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こんにちは、薬剤師の青狐です。

今日はタイトルの通り、喘息の薬とダイエットの話。私の体重も含めて書いていこうと思います。
先にお見せしましょう、私の体重の経過を。

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ばばん。

まだ上背があればいいのですが生憎と私は低身長。そして社会人になりたての頃は52kgくらいでした。さあ、おわかりでしょうか。なかなかの大惨事っぷりが。
というのも、数年前から仕事でそこそこのストレスに晒され、喘息は悪化の一途を辿っていました。

大学生の時に使っていた薬一覧はこちら↓
☆アドエア250(朝夕各1回吸入) ※(1回あたりサルメテロールとして50μg〔※気管支を拡張〕+フルチカゾンプロピオン酸エステルとして250μg〔ステロイド〕)
☆アレロック5(万年花粉症対策抗ヒスタミン)
☆シングレア10(喘息に効くからと先生が出してくれたロイコトリエン受容体拮抗薬)
☆インタール細粒(食物アレルギー用)
★プレドニン5(発作の時用、粉うことなきステロイド代表)

こんな感じ。

通学距離が片道1時間半くらいあったのと、若い頃の代謝ですから、大学生の時は好きなだけ飲み食いしても大体体重は48kgでした。なのでちょうど献血が400mL(全血)ができないくらいの体重です。
しかし社会人になって、薬局に就職してからというもの。運動不足が顕著に体重に現れ始めます。
そう、薬局の中って狭いんですよ。広い薬局もありますけれど。そうするとあまり歩かないんです。
そうしてゆっくり体重が増えていきました。でも、まだ最初は良かったのです。
この3月スタートの体重写真。この前に職場でなんやかや多大なストレスを抱えた結果、薬の使用量は爆増。

3月時点の薬の使用量はこちら↓
☆アドエア500(朝夕各1回吸入) ※(1回あたりサルメテロールとして50μg〔※気管支拡張〕+フルチカゾンプロピオン酸エステルとして500μg〔ステロイド〕)
☆アレロック5(万年花粉症対策抗ヒスタミン)
☆シングレア10(喘息に効くからと先生が出してくれたロイコトリエン受容体拮抗薬)
★プレドニン5(発作の時用、粉うことなきステロイド代表)
★シムビコート 1日10回(※1回あたりホルモテロールフマル酸塩水和物4.5μg〔※気管支拡張〕+ブデソニドとして160μg〔※ステロイド〕

何が変わったかと言うと、一つ目はまず吸入薬のアドエア。250→500のステロイド倍量。この薬は発作を抑えるものではなく、普段の炎症を継続的に抑えるものなのでこれを発作の時に吸ってもすぐに咳が止まるということはないです(多少は効きますけれども)
二つ目はシムビコート。正式名称はシムビコートタービュヘイラーという吸入薬。こちらは喘息発作を抑えるためにも普段の炎症維持にも使える薬で1日最大8回まで吸入して良い薬です。

さて。↑をご覧ください。私10回って書いてあるんですよね。
……イーケナインダーイケナインダー、セーンセーニイッテヤロー。

一応8回までと決まっているのにもちゃんと理由があります。
ホルモテロールフマル酸塩水和物4.5μg〔※気管支拡張〕、と書いてあるこの薬、気管支を広げる薬なので喘息の時に気管支が狭くなっているのをぐぐっと広げてくれる薬です。便利でしょう。

では、人間の気管支が薬ではなく日常で広がる時ってどんな時でしょう。喘息の方はご存じかもしれませんが、呼吸器系に疾患のない方はあまり馴染みがない話かもしれません。
ちょっと話が飛びますが、人間には交感神経と副交感神経というものがあります。どっかで聞いたことありません? 交感神経は大体昼間に働いていることが多くて(戦闘モード)、副交感神経は夜に働いていることが多い(リラックスモード)です。
では、戦闘モードとは具体的にどういうことかというと。血圧を上げる。心拍数を上げる。筋肉を緊張させる。汗を出やすくする。胃腸の動きをゆっくりにする。膀胱に尿をためる。
いわゆるバトルモードです。走って戦ってをイメージするとわかりやすいでしょうか。戦ってる最中にのんびり食事はしないので胃腸の動きはゆっくりに、まさか戦っているときに『トイレ!!!!』というわけにもいきません。
で、バトルモードなので当然呼吸もたくさんします。酸素もたくさん必要です。なので気管支も広がって、酸素が全身に届きやすくなるように日中は比較的気管支は広がっています。
では、夜になったらどうでしょう。人間は眠るので、リラックスモードになります。戦闘モードとは逆のことが身体に起こります。血圧を下げ、心拍数を下げ、筋肉を緩めて、栄養を消化して、トイレもして……さて、気管支は? 昼間と逆で、狭くなります。

喘息やCOPD、気管支炎だったり風邪でない方にとっては気管支が多少狭くなっても大して問題はありません。ゆっくり眠って、朝になればまた戦闘モードに戻るだけですから。
喘息の方の気管支は、炎症で元々腫れていることが多いです。たとえば怪我したときに腫れているのがイメージできますか? 気管支は筒のようになっています。そこが腫れていて、しかも狭くなったら?
物理的に空気が通りにくい、通れなくなってしまいます。これが、喘息の方の息苦しさの原因であり、しかも夜に発作が多い理由です。2017年で年間1,451人が喘息で死亡と発表されています。戦後直後から見ても少なくなったとはいえ、発作は時に命取りになります。

では、話を戻しましょう。
ホルモテロールフマル酸塩水和物〔※気管支拡張〕を使おうが、サルメテロール〔※気管支拡張〕を使おうが、薬を増やして、気管支をいくら広げても無限に広がるわけではありません。炎症が酷く、腫れが酷ければ塞がってしまいます。でも、この薬は気管支を広げることだけに効くわけではありません。心臓にも効きます。先ほど言った、交感神経の働きと同じことが起きます。簡単に言うと、使い過ぎれば血圧爆上がり。心拍数爆上がり。
普通に言って危ないです。心臓にも負荷をかけるので。これがシムビコートの吸入が8回までと決められている理由の一つです。
わかっていました、頭では。でも苦しくてどうしようもなくて、使いました。薬剤師で勉強していてさえ、そうなのです。もっと重篤な方は使い過ぎる患者が出てもおかしくありません。

シムビコートで発作が治まらないとステロイド(プレドニン)の飲み薬使うんですよね。もっと酷いと注射のゾレア、ヌーカラ、ファセンラ、デュピクセント、テゼスパイアも視野に入ってきます。
さて、ステロイド(プレドニン)、発作用で使いました。でも仕事のストレスは増える一方。プレドニンを使う量が増える。何が起きるかって、太るんです。ぶくぶくぶくぶく。
食べなくても太る。顔が丸くなる。手足の筋肉が落ちる。腹が出る。控えめに言って最悪の気分です。でもプレドニンで痛み(筋肉痛とか)を感じにくくなるため、普段より動けてしまう。挙げ句の果てにプレドニンを飲んだら胃酸がたんまり出るので食欲爆増。プレドニンの効果が切れた時は地獄です。痛みを感じないで動いていた全ての一日の疲れと鈍痛が一気に襲ってきます。それだけならまだしも、意味もなく頭の中に『死にたい』が大渋滞。これはステロイドを使った後の精神症状の一つですが、自分でも二重人格になったかというほど変わります。

このときは、仕事を辞める決断をしました。薬剤師がオーバードーズなんて笑い話にもならないし、夜吸入しなければ死ねるかな、と何百回頭をよぎったかわかりません。発作が起きたら正直吸入薬に手を伸ばすのもしんどいし、発作は夜に起こるからほとんど徹夜で仕事に向かう。ミスを起こさないようにするので精一杯。……患者を殺すか、私が死ぬかなら、一度仕事を辞めてどちらも回避するのが社会人としての責務でしょう。

仕事を辞めてから、発作が嘘のように減りました。夜によく眠れるようになって、薬も減らしました。自己判断でステロイドをガンガン減らしたので、倦怠感と言えばおしゃれな言い回しと思うくらい起き上がれず、全身の鈍痛に一日中呻き、元々低い血圧は更に下がり、ナマケモノに負けない生活をしました(※ステロイドを急に減らすとこのように離脱症状が結構酷いです、皆様は医者の指示に従いましょう)。
ただし体重は面白いほど減りました。
ステロイドをやめれば胃酸が出ないからお腹も空かないし、浮腫みもとれるし、身体が元に戻っていくのは本当に嬉しかったです。
仕事を辞めてまもなく健康診断に行ったときにメタボ健診で引っかかって泣きたくなりましたが、2ヶ月で腹囲も92cm→87cmへ。良かったー。

今は大学生の頃と同じくらいの薬の量で健康的に過ごしています。喘息が完璧に治るわけではないので、のんびりお付き合いが必要ですね。
ミイラ取りがミイラになってはいけませんね。薬は養生するためにあるのであって仕事を頑張って身体を壊すために使ってはいけません。当たり前だけれど、追い込まれると正常な判断ができない時もあります。
なまじ勉強して多少なりとも知識がある分、短期的には『死なない』ことがわかっているので、駄目な使い方をしても麻痺してしまっていたなあと思います。だめですよ。他の患者様がやってたら止めますからね。オーバードーズは真似してはいけません。

もし、現在ステロイドをお使いの患者様がいらっしゃったら、担当医の先生と増量減量は相談してください。うわあコワイ飲むの止めよとかしないでください。すごく切れ味が良い薬です、使い方の問題だけなので。突然飲むのを止めた方がめちゃくちゃ怖いので、どうかどうか減量は先生とご相談ください(重要なことなので2回書きます)。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

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