私は村上春樹の作品をまぁまぁ読んでいます。
熱心に全作品をどっぷり読むほどのいわゆる「ハルキスト」ではありませんし、ノーベル文学賞を取っても取らなくてもどちらでも良いと思っています。
それでも有名な長編作品は大体読んでいます。
彼の代名詞である『ノルウェイの森』から始まり、大学時代には読み漁っていました。
その時はハマって読んでいた作品もあるのですが、そこには「村上春樹を読んでいる自分」という自意識もどこかにありました。
村上春樹の作品を読んでいることがかっこいいとか、偉いとか、そんなことを正面から思っていたわけではないのですが、それらに触れている自分にどこか陶酔している感覚はありました。
作品を素直におもしろいと評価できるかは今となってはわからないです。
忘れてしまった内容も多分にあります。
どこか不純な自意識に突き動かされながらなかなかの分量の作品をいくつも読んでいたことは大学時代のなせる業だなと思いました。
その中で私が本当に心を掴まれた一作があるので紹介します。
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』です。
村上作品を読まれる方には言うまでもない傑作ですが、あまり知らない方にとっては『ノルウェイの森』『海辺のカフカ』などと比べると一般的な知名度は低めかもしれません。
詳しくはぜひ読んでいただきたいのですが、『世界の終り』と『ハードボイルド・ワンダーランド』と言う全く異なる2つの世界線が段々と一体化していく様にゾワゾワしながら一晩で読んでしまった思い出があります。
今でもファンタジーは好きなのですが、この作品はファンタジーのジャンルの中で一線を画すようでいながらさまざまな作品に影響を与えた跡も見える名作です。文庫版上下で出ているのでなかなかの分量ですがハマってしまえば一気に読めるのではないでしょうか。
村上春樹って有名だけどそういえば読んだことないと言う方は週末の秋の夜長に読んでみるのはいかがでしょうか?