「好きだよ」と言われるたびに、不安になる理由
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彼は、何も言ってくれない人ではなかった。
むしろ時々、ちゃんと言ってくれる。
「好きだよ」
「会いたいよ」
「大事に思ってる」
その言葉を聞くたびに、私は安心した。
……はずだった。
でも、スマホを閉じたあと、
なぜか胸の奥に小さな不安が残った。
好きって言ってくれた。
会いたいって言ってくれた。
大事だって言ってくれた。
なのに、どうして私はこんなに寂しいんだろう。
彼の言葉は優しかった。
「無理しないでね」
「ちゃんと寝てね」
「考えすぎだよ」
そう言われると、一瞬だけ救われた気がした。
でも、そのあと予定を聞くと、返事は曖昧になる。
「今週はちょっと忙しいかも」
「また分かったら言うね」
「落ち着いたら会おう」
落ち着いたら。
その言葉を、私は何度聞いただろう。
最初は信じていた。
本当に忙しいんだと思った。
彼にも事情があるんだと思った。
私が待てる女でいれば、きっと大切にしてくれると思った。
でも、待っている時間が長くなるほど、
私の中の「好き」は、少しずつ不安に変わっていった。
会えないことだけが苦しいんじゃない。
会えない理由を、いつも私だけが想像していることが苦しかった。
仕事かな。
家族かな。
疲れてるのかな。
私に飽きたのかな。
他に優先したい人がいるのかな。
聞きたい。
でも聞けない。
「いつ会える?」
たったそれだけの言葉が、ものすごく重く感じる。
聞いたら、面倒くさいと思われるかもしれない。
責めているみたいに受け取られるかもしれない。
彼の自由を奪っていると思われるかもしれない。
だから私は、また笑ってしまう。
「無理しないでね」
「大丈夫だよ」
「落ち着いたらでいいよ」
本当は、全然大丈夫じゃないのに。
彼が「好きだよ」と言ってくれるたび、
私はその言葉を何度も心の中で繰り返した。
好きって言ってくれたから大丈夫。
嫌いならそんなこと言わないよね。
まだ終わってないよね。
そうやって、自分を安心させようとした。
でも本当は、気づいていた。
私は彼の言葉で安心しているんじゃなくて、
彼の言葉にすがっているのかもしれない。
「好き」という言葉がないと、
この関係を信じられなくなっているのかもしれない。
本当に安心できる恋は、
言葉を何度も確認しなくても、心が少し落ち着いている。
もちろん、不安になる日もある。
寂しくなる夜もある。
相手の気持ちが分からなくなる瞬間もある。
でも、言葉と行動が少しずつ重なっていると、
心はちゃんと感じる。
「ああ、大切にされているんだな」
「待たされているだけじゃないんだな」
「私の気持ちも、ちゃんと見てもらえているんだな」
そう思える。
でも、言葉は優しいのに、
行動がいつも遠いままだと、
心はだんだん疲れていく。
「好きだよ」と言われているのに不安になるのは、
あなたが欲張りだからではありません。
愛情を疑いやすい人だからでもありません。
言葉の温度と、現実の距離が合っていないから、
心が戸惑っているのかもしれません。
「好き」と言われても、予定は決まらない。
「大事」と言われても、寂しさは置き去り。
「会いたい」と言われても、会う日はいつも曖昧。
そんな状態が続けば、
誰だって不安になります。
私はずっと、
彼を信じられない自分が悪いのだと思っていた。
もっと大人にならなきゃ。
もっと余裕を持たなきゃ。
もっと彼を理解しなきゃ。
そうやって、自分の気持ちを何度も後回しにした。
でも本当は、
信じたいと思っているからこそ、苦しかった。
大切にしたい恋だからこそ、
小さな違和感を見ないふりできなかった。
もし今、あなたが
「好きと言われるのに、なぜか安心できない」
「会いたいと言われても、予定が決まらなくて苦しい」
「彼を責めたいわけじゃないけど、寂しさが消えない」
そんな気持ちを抱えているなら、
その不安を責めなくて大丈夫です。
不安は、あなたの心が出している小さなサインです。
無理に消そうとしなくてもいい。
強がらなくてもいい。
「私が重いだけ」と決めつけなくてもいい。
まずは、そのままの気持ちを誰かに話してみてください。
心葉(ここは)では、
あなたの気持ちを否定せずにお聞きしています。