こんにちは、稲月シロです。今日は、ヒーラーとしての心と体を整えるために大切なことの一つ、「食」のお話をしたいと思います。特に、小麦粉について、少し考えてみましょう。
私たちは日々の生活で、たくさんの「美味しいもの」に囲まれています。ラーメン、うどん、パン、ケーキ、クッキー、お好み焼き、ハンバーガー…。こうした食べ物は、どれも小麦粉が使われていて、ついつい手を伸ばしてしまうことが多いのではないでしょうか。時には「また食べたいな」と強く感じることもあり、それは小麦粉の依存性から来るものかもしれません。
しかし、小麦粉をたくさん食べた後、体が重く感じたり、疲れやすくなったりしませんか? 私も以前は小麦粉をよく食べていましたが、気づいたらだるさが残り、次第に体も心も元気がなくなってしまうことがありました。どうしてこんなに影響が出るのだろうと調べてみると、小麦粉にはいくつかのリスクがあることが分かりました。
まず、小麦粉に含まれるグルテンは、消化しにくく、腸に負担をかけることがあります。これが原因で、血糖値が急上昇しやすくなり、すぐに空腹を感じたり、食べ過ぎてしまうことが多いのです。特に過敏性腸症候群やセリアック病、不耐症を持つ方は、小麦が原因で健康を害してしまうこともあります。また、アレルギー反応や、運動後に発症する「小麦依存性運動誘発アナフィラキシー」と呼ばれる危険な症状も報告されています。
さらに、小麦粉に使われる農薬や化学肥料の影響も見逃せません。特に現代の大量生産された小麦は、栄養価が低下し、体に負担をかける可能性があると言われています。
でも、こんなにたくさんのリスクがあるのに、なぜ私たちは小麦粉の食べ物をやめられないのでしょうか? それは、小麦粉自体が持つ依存性に関係しています。実は、小麦は人類の歴史の中で大きな役割を果たしてきました。栽培しやすく、保存が効くため、世界中で広がりました。しかし、その結果、人類は小麦に依存するようになり、今や多くの人が小麦を食べないと生活が成り立たない状況です。小麦粉を使わないと、現代の食文化は維持できないのです。
小麦の歴史的背景:人類はどうして小麦の奴隷になったのか
ここで、少し視点を広げてみましょう。人類がどのようにして小麦の奴隷になったのかは、歴史の中でも興味深いテーマです。ユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・サピエンス全史』では、農業革命がそのきっかけとして描かれています。
およそ一万年前、人類は狩猟採集生活から農業へと移行しました。その中でも、小麦は最も重要な作物の一つとなりました。当初、小麦を栽培することで、人々は安定した食料を確保できると思われていましたが、実際には逆のことが起こります。小麦を育てるには広大な土地を耕し、灌漑や収穫の手間をかけなければならず、以前よりも人々の労働量が増えてしまったのです。
これによって、人類は小麦を栽培するために働くことを余儀なくされました。小麦は人間に栽培させることで、広がり続け、ついには人類の生活の中心に位置づけられるようになりました。食料の安定供給という幻想のもと、小麦は人間の繁栄を手助けしているように見えましたが、実際には人類が小麦に依存するという逆転現象が起きたのです。
このようにして、私たちは知らず知らずのうちに、小麦の奴隷となり、小麦を育て、食べることで生活が成り立つ社会を築き上げました。小麦を栽培しないと人口を維持できなくなり、結果的に人類は小麦に囚われ続けているのです。
小麦粉の代替え品と食べ方の工夫
けれど、私たちは小麦粉を完全にやめることが難しくても、少しずつ代替品を取り入れることで体に優しい食生活を送ることができます。例えば、米粉やそば粉、アーモンド粉などは、小麦粉の代替品として優れています。これらを使って、パンやお菓子、料理を楽しむことができるのです。
小麦粉をやめるのが難しい方もいるかと思いますが、まずは量を減らしてみること、そして体がどう反応するかを感じてみることが大切です。ヒーラーとして、自分の体と心の声を聞きながら、無理なく小麦粉との付き合い方を見直していきましょう。
心と体が軽やかに、そして健やかであるために、食べ物の選び方を少しずつ工夫していけたら、より豊かな日々を過ごせるかもしれませんね。
温かい一日をお過ごしください。
稲月シロより