おはようございます。
今日は私が経験した社会経験のあるみなさんにとって共感できるかもしれない、あるあるの話をさせて下さい。
文句を言わない人が損する言ったもん勝ちのストレス職場
もう20年以上前の話ですが、私はヘルパー2級を取得してグループホームで介護の仕事をしていました。
今はどうか分かりませんが、当時介護の仕事を志す人はざっくり2種類いて、お年寄りに寄り添いたいと思って介護職を選んだ人と、「仕事」として介護職を選んだ人に分かれていました。
そして当時、少なくとも自分の職場では「仕事」ととして業務をこなす人は少数派でした。
この職場ではバリバリ日々のルーティン業務(食事の準備や寝る準備、下のお世話)をこなす「少数派」が凄まじく力を持っていました。実際彼ら/彼女らがいないと回らないのです。
彼らが「あの人(利用者)は暴れるから自分は面倒を見ない」とか「あの人は食事が遅いから途中で切り上げていい?」などと言うとだいたいまかり通ります。
不利益をこうむるのは何も言わない他の従業員たちであり、利用者さんたちです。
この職場では文句を「言ったもん勝ち」でした。
個人的には若かったこともあり自分は他の人の分も問題なく業務をこなせたのでそれほど不満はありませんでしたが…。
よく覚えていなくて恐縮ですが、その会社は「利用者さんが自分らしく生きることがすべて」とかなんとかキレイな理念を掲げてアピールしていました。(自分が雇用された時も丁寧に説明されました)
しかし「結局利用者のことなど一番にしてないんだな…なら最初からそんな理念掲げるなよ」と思った記憶があります。
「改善しよう」と言ったら負けのストレスだらけの職場
一方で言ったもん負けな職場も多くありました。
私は30代はずっと半導体製造に携わってきました。
私の職場ではみな日々の生産の為のルーティン業務で忙しく、改善に取り組む時間がなかなか与えられませんでした。
しかし、競争社会の中で会社が生き残るためにコストダウンや人工数削減、デリバリー短縮のための改善は当然必要です。
では忙しい中で誰が改善に取り組むのでしょうか?
私の職場では「ここの作業にはこういう問題があるからこういう改善をしよう」という”言い出しっぺ”が「じゃあ頑張ってね」と改善業務を押し付けられるという悪しき文化がありました。
まあ、仕事ですから改善するなら淡々と取り組めばよいように思いますが、私の職場ではその改善業務をしている人の本来の仕事分は他の誰かがこなさなければなりませんでした。
つまり、改善に取り組んでいる人は端的に言えば「サボっている人」もしくは「自分個人の成果だけ考えて職場全体の利益を考えていない人」という風にとらえられていました。(さすがに改善の必要性は頭ではみな理解しているので口には出しませんでしたが)
そして改善が上手くいくかどうかはトライ&エラーが必要ですし、製造以外の技術部門との粘り強い交渉も必要です。
頑張ってチャレンジしたあげく結局は取り組んだ改善が導入できないというパターンもあります。(一応会社的な評価はされますが)
まさに「言ったもん負け」の状況でした。
…ちなみに私は改善とか全然興味がありませんでした。
「生産バカ」という立ち位置を獲得していましたのでそもそもお声もかかりませんでした。
「そんなことやってるヒマがどこにあるんスか!」と上司に逆ギレしてましたので。
まあ、会社的な評価はいつもイマイチでしたが。
でも一応改善に取り組んでくれる人のことはリスペクトしてましたし、協力してましたよ!
言ったもん勝ちストレス職場と言ったもん負けストレス職場、この悩みをどうとらえるべきか
今回のケースでは私はそれほど不利益を被っていませんが、気持ちの上ではずっとモヤっとしていました。
このケースの問題の本質と解決方法は実は理屈としては非常に簡単です。
いずれも管理職や上司のガバナンス(適切な指示・管理)がしっかり効いていない事が原因です。
介護の(言ったもん勝ちの)職場では会社の理念に基づいたルール設定をして従業員の負荷を公平にするような仕組み作りをすれば良いでしょう。
「この利用者さんの面倒はみれません」という声については、わがままで言っているのか、それとも人間同士の相性に起因したもっともな相談なのかを管理者がしっかり判断し、合理的な基準設定を知見として積み上げてノウハウ化させていけば良いのです。
本当にバリバリ業務をこなす人を優遇しないと回らない、と言うのなら、そもそも経営者のビジネスモデル設定が間違っています。
半導体の(言ったもん負け)職場の場合も同様です。
「ここはどうしてこんなやり方をしているのか」とか「こういう風に改善してはどうか」というアイデアを職場として個別に吸い上げる仕組みを作り、上司が適正を見ながら個別に業務の割り振りをすればいいだけです。
…もっとも嫌われながらも改善をした人の業績評価は高くされていたのですから、会社としては現実ベースで上手くやっていた、ということなのでしょう。(80%くらい本音で20%くらい嫌味です)
…実は最近我らが事業部では「言ったもん勝ちの文化にしよう!」というキャンペーンが張られています。
これは最近「心理的安全性」が話題になり、事業部としてこのテーマに取り組むためにアンケートを実施しました。
一部の人から出たこのキャチーな文言を事業部として取り上げた、という訳です。
若い頃さんざん「言ったもん勝ち」のひどい有様を見てきた私は複雑な気持ちになりました。…というより呆れました。
「言ったもん勝ち、言ったもん負け」などという考え方は分かりやすいかもしれません。
ですが、ビジネスである以上必ず競争の波に飲まれます。
競争する以上「完成形」などないのですから、ビジネスマンはずっと自分自身のスキルや業務の質をどう改善するかを悩み続けなければなりません。
「言ったもん勝ちの文化にする」…そんな0か100かの考え方で仕事をとらえること自体がそもそも間違っているのです。
あなたが「言ったもん勝ち、言ったもん負け」の職場で悩みやストレスを感じている場合
上でさんざん理想論を書きましたが、現実の社会では理想的なガバナンスが働いている職場など(少なくとも私は)見た事がありません。
ではあなたがそんな職場で被害にあっているならどうすべきでしょうか
「言ったもん勝ち」の職場におられて、人の仕事まで押し付けられているでしょうか。
私の提案は
1.上司に不公平を訴える
2.これがあるべき役割だとだまって耐える
「だまって耐える」ってなんだよ、って言わないでください。
今回はあくまで私がいたグループホームの例を想定しています。
状況を改善するための具体的な方法論はいくつかありますが、私の職場のケースは特殊でした。
「不公平」と言いつつも「言ったもん勝ち」の人たちは嫌な人の相手をあなたに押し付けていてもその分サボっている訳ではありません。別の仕事しているのです。
そうなってくると結局、面倒な利用者の対応があなたに回ってくることになりますが……。
まずは上司に相談しましょう。「ガバナンスが効いてない」職場の上司ですから頼りにならないでしょうが、普段我慢するような人の訴えに耳を傾けないほど無能ではないかもしれません。
逆に、「言ったもん勝ち」を許しているのですから「言えば」いいのです。
…そんな働き方は不誠実、とお考えになる方なら、面倒な利用者さんの相手をするスキルを伸ばす機会だと思って取り組まれてはいかがでしょうか。
難しい仕事に向き合うあなたの努力は無駄にはならない、と私には思えます。
「言ったもん負け」の職場にいらっしゃる方はどうでしょうか。
私の提案は
1.やるって言い出さない
2.周りをまき込みほどほどに改善
です。
「言ったら負け」なのですからシンプルに「改善やります」などと言い出さないのが一番です。
ですが上司に指名されたり、「言ってない」のに押し付けられることもあるかもしれません。
または家族を食べさせるため、高い評価をもらわなければならないご事情があるかもしれませんね。
そうであれば、まずは生産のルーティン業務を第一にする姿勢を取りつつ、空き時間になんとか改善を進める「計画表」だけなんとか作って下さい。
そんなに素晴らしい出来でなくて構いません。Excelのシート一枚に収まる程度の情報量で十分です。
改善を導入するために何の検証をしてどこの部門に許可を取って導入するには具体的にどんなアクションが必要で…などのやるべき「タスク」とそのタスクにかかるであろう時間だけどんぶり勘定で入れて下さい。
例えば半年で導入までこぎつける計画であったなら、計画開始から一か月くらい経過したところで進捗を上司と共有して下さい。
当然生産で忙しい訳ですから進捗は遅れていると思います。そうしたら改善が進まない理由を「忙しいから」と言ってみて下さい。
上司は恐らく「忙しい中でどう改善の時間を作るか考えるのもお前の仕事だろう」と言うでしょうから、「おっしゃる通りです。その認識で時間を取るように工夫してきましたが結果として遅れてしまっております。大変申し訳ありませんが、ことここに及んでは一人で対応するのは難しく○○さんと××さんにこのタスクのこの作業をお願いしたいのですが、課長の方からご指示を出して頂けませんでしょうか?」とお願いしましょう。
上司が動いてくれればしめたものです。
ここまで言って上司が動かないのであれば、その改善はその上司にとってそれほど重要ではないのでしょう。適当にアクションした風を装って未達にしましょう。
あとは評価面接などの際、「あんなにお願いしたのにあんたが時間作ってくれないからだろうが!言ってしまえばあんたのせいなんだよ!」という旨を丁寧で下手に出た表現に変えて申し上げましょう。
なにせ上司の改善の指示に対して「そんなことやってるヒマねえっスよ!」という逆ギレで返す輩が闊歩している職場です。
あなたの評価は相対的に安泰です。
今回も長くなってしまったのでこの辺で…「今宵はここまでにしとうございます」という話です。
ここまでお付き合い下さって感謝です。最後にいつものことですが、今回の対応方法はあくまで一例です。
あなたのご性格、職場の環境によって対応は変える必要があります。
具体的なアドバイスをお求めであればぜひ私のサービスをご購入下さい!電話相談サービスも始めました!