コンサルティングファームのケース面接。
「“完成度の高い回答“はできるようになってきたが、細かいロジックを指摘されて落ちてしまう」ーーそういう声をよく耳にします。
しかし、ケース面接は”模範解答”を時間内に導く試験ではなく、面接官との”質の高いディスカッション”を通じて(互いに)良い仕事仲間を見つける場です。
元MBBの採用面接官として、また新卒/中途の受験者として複数の戦略コンサルファームの選考を突破してきた経験から、採点基準を率直にお伝えします。
面接官が見ているのは、実はたった1点
ケース面接の評価基準は、突き詰めると一つです。
「この人と一緒に働きたいか」
具体的には次の2つで判断しています。
①自分と同じ土俵で議論ができるか——ロジックの筋が通っており、ビジネス感覚がある
②ビジネスパーソンとしてマチュアか——クライアントの経営陣の前に出しても安心できる
それぞれについての基本的な考え方を以下に記載します。
回答・ディスカッション3つのコツ ~同じ土俵で議論できるか~
① 数値や細かい説明に入る前に、構造を端的に伝える
何の観点の議論なのか、その観点はどういう論点分解から出てきたのか、共通認識を取ってから議論に入らなければ、“そもそもその観点を深堀する必要があるのか”が定まりません。
何を差し置いても、まずは議論構造を明確にするところから始めましょう。
② 打ち手は「網羅的に幅を伝える→ビジネス感覚から強弱の見立てを伝える」の順番で
結論ファーストを意識した結果、以下のような回答を冒頭説明する受験者は多いですが、体感、通過率はかなり悪いと思います。
「海外展開をやるべきだと思います。なぜならxxx業界において日本市場はシュリンクすることが見えており、、、。具体的には、xxxをxxxのようにして拡大を見据えていく、、、方針が良いのではないでしょうか。」等
施策の説明についても①同様、どのような構造のもと、どんな選択肢があるか、その中で何が有望そうなのか、その順番で話すことが肝要です。
数分で考えた施策それ自体にあまり価値はありません。どんな構造・方針で議論すると良さそうなのか、切り口を説明することに重点を置きましょう。
③ エピソードトークを混ぜる ※発展編
これは必須ではありませんが、できると格段に評価が上がることがあります。
自分の経験や知人のビジネス事例を織り交ぜるイメージです。
「知人がこの業界で事業をやっていて、規制面でこういう課題があると聞いた。この施策を考えるとき、その点も踏まえると…」等
こういったトークは対クライアントで行うことが多々あり、エピソードトークができるコンサルタントはファームでもバリューを出しやすいです(特にメンバー上位以上の役職)。
ケース面接において必須のスキルではありませんが、非常に本質的で重要な力ですので認識はしておいていただけると良いかと思います。
「話し方が9割」はケース面接にこそ当てはまる~ビジネスパーソンとしてマチュアか~
ケース面接は、内容だけの勝負ではありません。むしろビヘイビア面接以上に、見た目・雰囲気・話し方が合否に影響します。
きちんと丁寧なコミュニケーションができれば全く問題ありませんが、ロジックの中身に気がとられ、雑なコミュニケーションとならないように注意しましょう。
また、ケースの手ごたえが悪いと感じた際、質疑等の時間を使ってディスカッションに持ち込み、コミュニケーション力をアピールする手もあります。
「〇〇さんはこの件、どうお考えですか?」と聞き、「私はxxxという理由でこう考えていましたが、おっしゃる通り、その観点が大事でしたね」と返してリカバリーをする等。
実際のコンサルワークでも、クライアントコミュニケーションに不安があれば、バリューを出すことは非常に難しく、採点基準で定量化されない場合でも必ず重視されています。
事前準備でやっておくべきこと
• 試験形式を事前確認する:エージェントや直近の選考経験者に細かく確認する。形式を知るだけで安心感が大きく変わります。
• 基本的なフレームワークは引き出しとして持っておく:構造化できればフレームワークに拘る必要はありませんが、やはり知っていると便利です。
• 財務知識の基礎を押さえる:ROA・ROE・ROIC・EBITDAくらいは知っておくと安心。コンサルのケースで直接問われることはあまりありませんが、ふとした時に財務的な理解を欠いていると大きな減点になります。
まとめ
ケース面接は回答よりもディスカッションの質が重要であり、それにはコツの理解と実践経験が必要です。
実際の出題を基に模擬ケース面接を行い、皆様のバックグラウンドや回答の癖に合った個別フィードバックを行っています。採用面接官として指導した受講者の中には、MBB等に内定した方も複数いらっしゃいます。
興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。