子犬を自宅に迎えて初めての動物病院。
通常、生後3ヵ月目で2回目のワクチンを接種することから、
ワクチンで動物病院デビューするというケースがほとんどだと思います。
もうすぐ動物病院デビューだという方に向けて、子犬が病院を大好きになるためのコツを獣医師の視点でお伝えさせていただきます。
なぜ、動物病院デビューは重要なのか?
多くの子犬が初めて動物病院に来院する生後2~3か月ごろは、
「社会化期」と呼ばれる子犬にとって非常に重要な時期であり、この時に覚えたことは生涯を通じて続きます。
新しい環境に慣れやすい時期であると同時に、この期間に怖い体験をすると、一生涯その場所を怖い場所だと認識し、避けるようになります。
初めての動物病院で、いきなりワクチンという恐怖や痛みのある体験は、
子犬にとって動物病院は怖い場所になってしまいます。
一度怖い体験をしてしまえば、その後成犬になっても病院を嫌がるようになり、必要な治療が受けられないことにもつながります。
だからこそ、初めての動物病院は子犬にとって「楽しくて、行くといいことがある場所」にしていきたいものです。
ワクチンの前に、おやつ外来を
動物病院デビューでぜひおすすめしたいのが、「おやつ外来」です。
飼育相談や健康チェックなどを兼ねて診察室で「おやつ」をあげる時間をぜひ作ってください。
中には初診の段階でワクチン、爪切り、健康チェック、肛門腺、糞便検査……と全てを一度に済ませてしまうケースもありますが、
子犬にとって初めての場所でいきなり不快なことが続けばあっという間に病院嫌いになってしまいます。
まずは子犬が診察室に慣れ、「病院は大好きなおやつをもらえる場所だ!」と認識することを優先させてください。
その時に、獣医師さんや看護師さんにもおやつをあげてもらうと、なお良いです。子犬のうちであれば、緊張しておやつが食べられないというケースはまれです。
処置は少なく、おやつは沢山!が重要です。
おやつ外来で確認したいこと
おやつ外来のもう一つのメリットは、動物病院の雰囲気を飼い主様も予習できることです。
できれば、おやつ外来を受け入れて下さり、
子犬の行動学の知識があり、おやつを使いながら子犬のペースで診察を進めてくれる動物病院がおススメです。
ぜひ初診では獣医師さんを含め動物病院の方針が
子犬とマッチするか色々と質問してみてください。
おススメしたいおやつの種類
基本的には大好物を用意してください。
大好きなおやつの中でも1位、2位……とランクがあると思います。
その中の第1位を用意するようにしてください。
第1位のおやつは基本的には動物病院に行く日だけに与えるなど、あげる頻度を下げておくことが重要です。
1回にあげるおやつの大きさですが、
大型犬であっても小指の先ほどの大きさで十分だと言われています。
病院に行く前に大好きなおやつを小さく切って用意しておくとよいと思います。
たまに好物だから、という理由でデンタルガムのような固いおやつを用意する飼い主様もおられるのですが、
緊張状態では固いおやつは食べないことも多いので、
できればやわらかくて嗜好性の高いものがおススメです。
病院での処置の間は気をそらすためにも
おやつを繰り返し与えるようにして下さい。
すでに病院嫌いの様子があったら……
病院に行く予定がない日でも、病院の近くを散歩してみて、
病院の近くでおやつをあげることを繰り返して下さい。
そのうちに病院の近くに行きたがるようになれば、
今度は病院の扉の前でおやつをあげるようにしてください。
もし病院で許可してもらえれば、
待合室でおやつをあげるようにしてトレーニングを繰り返すと良いです。
重症患者が多い病院などでは許可してもらえないケースもありますので、かかりつけの病院に事前に必ず確認してくださいね。
尻尾を振って病院に入りたがるようになればゴールです。
以上、動物病院好きなわんちゃんになってもらうためのおやつ外来について紹介させていただきました。
子犬期にどんな体験をするのか、というのはその後の犬生に大きな影響を与えていきます。もし子犬のしつけのことで気になる事があれば、お気軽に専門家にご相談ください。