前回は、漢字であるような「鳥居」の形とその真ん中の長方形の空間をスマイル顔にした姿が特徴である未来の「神社」の地図記号について紹介しました。
次は、仏像が祀(まつ)られ、儀式など宗教活動の中心となる建物で、僧侶が修行活動する場所でもある「寺院」の地図記号について紹介します。
従来の記号は、卍(まんじ)の形が特徴で、仏教のサンスクリット語から由来しています。
この形は、新石器時代に仏教やヒンドゥー教で使用されていたことが各国の遺跡から明らかであり、国内では既に奈良時代の薬師寺本尊の薬師如来の掌(てのひら)と足の裏に描かれていることから、昔から仏教とのかかわりが深かったという長い歴史があります。
また、卍はサンスクリット語で「スヴァスティカ」と読み、仏教・ヒンドゥー教では「おめでたい、幸福」の意味が込められた印であると言われています。
このような日本にとって長い歴史がある記号の由来ですが、私は以下のような疑問が湧きました。
「形がナチスのハーゲンクロイツに似ているので、見る人によっては誤解が生じかねないのでは?」
「卍は長い歴史で幸福の印と言われているが、それは記号の説明がありきのことで、実際にその記号を見てすぐに『なぜ、卍が寺・寺院を表すのか?』と理解できる人がどれぐらいいるのか?」
「その記号の形が『長い歴史があるから』と縛られずに、誤解がなく、多くの人が見ても分かりやすい今の時代にあった地図記号にすべきでは?」
「訪日外国人向けの地図記号に『三重塔』の形が検討されたが、『歴史を学ぶべき』など反対多数で採用が却下された。
過去には衣装やカードなどのデザインで卍が含まれていたが、海外からの抗議によって変更を余儀なくされた事例があったにも関わらず、なぜ地図記号だけは『長い歴史があるから』という理由で変更なしで今でも用いられているのか?」
※筆者は、LINEスタンプ作成当時、卍がナチスのハーゲンクロイツの形に似ていると知らず、デザインにマジ卍と書いていましたが、審査が通らず別のデザインに変更した過去があります。
このような考えから、次のように未来の地図記号として表現しました。こちらです。
漢字の「寺」とハート型を含めた「かわいらしい」寺の建物の形が融合したユニークで遊び心があるデザインを表現しました。
一部の建物の形は、誰が見ても覚えやすいように「寺院」の一般的な屋根やその下の形を取り入れました。
また、漢字が存在していることから、記号と同時に漢字も覚えることが可能な仕上がりにしています。
前記事で紹介した未来の「神社」と本記事の未来の「寺院」の両地図記号が将来、学校の教科書や掲示板の地図に並べて掲載されれば日本が少しでも明るくなるのではないかと想像しながら、これらの記号を作成しました。