2025年7月に、第27回参議院選挙が行われます。
そこで私は以前反響を頂いた、野党の絶対得票率が上昇した場合のシミュレーションの、第2弾を出そうと思います。
今回は、2007年の参議院選挙の結果を使ってシミュレーションを行いますが、当時は「消えた年金」問題や、閣僚の相次ぐ不祥事などで自民・公明の連立与党に強烈な逆風が吹き荒れていました。
投票率は58.64%で、前回(2004年)よりも2.07%上昇しましたが、それでも投票率70%超が当たり前だった、昭和時代を大きく下回るものです。
そこで、本記事では2007年の衆議院選挙で、野党の絶対得票率が●%上昇していた(有権者の100人に●人が、棄権せず野党に投票していた)ら、議席は誰から誰に移るのか?
その上で、投票率が昭和時代の国政選挙と同じ、70%台に達していた(今回の場合、野党の絶対得票率が12%上昇していた)ら各党の議席はどうなっていたのか?
これらの結果を、シミュレーションという形で示そうと思います。
シミュレーションの手順
ここからは、2007年の参議院選挙の結果を使ってシミュレーションを行います。
ここでは野党候補の惜敗率が最も高かった、定数1の鹿児島選挙区を例に取りますが、この選挙区では民主党の皆吉さんが、自民党の加治屋さんに2664票差で敗れていました。
<実際の結果・投票率60.67%>
当 加治屋義人 自民・現 402541
皆吉 稲生 民主・新 399877
井本 有一 共産・新 42657
当時、鹿児島選挙区の有権者は全部で142万1620人いましたが、この時の選挙で棄権した1万4218人の有権者が加治屋さん以外の2人に、ランダムに投票していたら、結果は下記のように変わっていました(1票以下の端数は切り上げ)。
<野党の絶対得票率が1%上昇した場合の結果・投票率61.67%>
当 皆吉 稲生 民主・新 406986
加治屋義人 自民・現 402541
井本 有一 共産・新 49766
以下、本記事では2007年の衆議院選挙で棄権した有権者が、選挙区で自民・公明の連立与党(自民党推薦の無所属も含む)の候補者以外に、ランダムに投票していた場合を例に取ります。
比例では自民・公明の連立与党以外に、ランダムに投票していたと仮定します。
なお、比例の名簿順位は変化しないもの(増加分が全て政党名での得票だった)と仮定します。
野党の絶対得票率が上昇したら、結果はどう変わるのか?
もしこの選挙で、野党の絶対得票率が1%~12%上昇していた(有権者の100人に1人~12人が、棄権せず野党に投票していた)ら、議席は誰から誰に移るのか?
その結果を以下に示します(現・新・元と、選挙区の定数はいずれも当時。以下、敬称略)。
<+1%>
鹿児島選挙区(1) 加治屋義人(自民・現)→ 皆吉 稲生(民主・新)
福井選挙区(1) 松村 龍二(自民・現)→ 若泉 征三(民主・新)
比例区(48) 魚住裕一郎(公明・現)→ 谷川 智行(共産・新)
自民37→35、公明9→8、民主60→62、共産3→4、社民2→2、国民新党2→2、新党日本1→1、女性党0→0、9条ネット0→0、維新政党・新風0→0、共生新党0→0、無所属7→7、計121(自民が結党以来の最低記録を更新&民主が改選過半数を超える!)
<+5%>
比例区(48) 有村 治子(自民・現)→ 篠原芙早子(女性・新)
自民35→34、公明8→8、民主62→62、共産4→4、社民2→2、国民新党2→2、新党日本1→1、女性党0→1、9条ネット0→0、維新政党・新風0→0、共生新党0→0、無所属7→7、計121
<+6%>
比例区(48) 山本 孝史(民主・現)→ 有田 芳生(日本・新)
新党日本の2人目が、民主の20人目を追い抜くことによる逆転現象
自民34→34、公明8→8、民主62→61、共産4→4、社民2→2、国民新党2→2、新党日本1→2、女性党1→1、9条ネット0→0、維新政党・新風0→0、共生新党0→0、無所属7→7、計121
<+9%>
比例区(48) 衛藤 晟一(自民・新)→ 天木 直人(9条・新)
自民34→33、公明8→8、民主61→61、共産4→4、社民2→2、国民新党2→2、新党日本2→2、女性党1→1、9条ネット0→1、維新政党・新風0→0、共生新党0→0、無所属7→7、計121
<+10%>
比例区(48) 大江 康弘(民主・現)→ 瀬戸 弘幸(新風・新)
維新政党・新風の1人目が、民主の19人目を追い抜く逆転現象
比例区(48) 加藤 修一(公明・現)→ 若尾 文子(共生・新)
自民33→33、公明8→7、民主61→60、共産4→4、社民2→2、国民新党2→2、新党日本2→2、女性党1→1、9条ネット1→1、維新政党・新風0→1、共生新党0→1、無所属7→7、計121(民主が再度、改選過半数を割り込む)
<+12%>
大分選挙区(1) 磯崎 陽輔(自民・現)→ 矢野 大和(無・新)
自民33→32、公明7→7、民主60→60、共産4→4、社民2→2、国民新党2→2、新党日本2→2、女性党1→1、9条ネット1→1、維新政党・新風1→1、共生新党1→1、無所属7→8、計121
おわりに
今回は、野党の絶対得票率が12%上昇した場合の結果まで示しましたが、ここまで来ると、自民党と、公明党の連立与党の議席は、どちらも結党以来(公明党の場合は1998年以降)の最低記録を更新することになります。
最終的な議席の変化は、以下の通りです。
自民37→32、選挙区23→20、比例区14→12、計83→78
公明9→7、選挙区2→2、比例区7→5、計20→18
民主60→60、選挙区40→42、比例区20→18、計109→109
共産3→4、選挙区0→0、比例区3→4、計7→8
社民2→2、選挙区0→0、比例区2→2、計5→5
国民新党2→2、選挙区1→1、比例区1→1、計4→4
新党日本1→2、選挙区0→0、比例区1→2、計1→2
女性党0→1、選挙区0→0、比例区0→1、計0→1
9条ネット0→1、選挙区0→0、比例区0→1、計0→1
維新政党・新風0→1、選挙区0→0、比例区0→1、計0→1
共生新党0→1、選挙区0→0、比例区0→1、計0→1
無所属7→8、選挙区7→8、比例区なし、計13→14
計121、選挙区73、比例区48
(非改選は自民46、公明11、民主49、共産4、社民3、国民新党2、新党日本0、女性党0、9条ネット0、維新政党・新風0、共生新党0、無所属6、計121)
この選挙では、勝負を分ける29の1人区で与党が6勝、野党が23勝しましたが、野党の絶対得票率が12%上昇すると、さらに3つの1人区で野党が議席を奪うことになります。
この結果、与党が勝利する1人区は群馬県と、和歌山県と、山口県の3つだけとなります。
自民党の改選議席は、公示前(64議席)のちょうど半分(32議席)にまで落ち込むことになります。
一方の民主党は、公示前(32議席)の倍近くまで議席を伸ばすことになります。
定数48の比例区では野党のリードが、6議席から14議席まで広がることになります。
また、一度に4つのミニ政党が、国会に初めて議席を持つことになります。
いずれにしろ、野党の絶対得票率が1%上がるだけで、選挙結果や、当選者の顔ぶれが大きく変わるのは明らかと言えます。
だから、この記事を読んだ皆さんは「入れたい所がない!」という理由で棄権せず、選挙に行って欲しいと思います!