「本を出したいけれど、テーマが見つからないんです」
これは、私のもとに相談に来られる方に非常によくある悩みです。
でも実は、テーマは“どこかに隠れている”のではなく、
見方を少し変えるだけで自然と浮かび上がってくるものなんです。
今日は、その考え方を具体例とともに紹介します。
読んだあとには、「あ、私もこれで書けるかもしれない」と思えるはずです。
「陰陽五行の専門家」も、最初はテーマが見つからなかった
先日、陰陽五行(いんようごぎょう)という
東洋思想を専門にしている女性が相談に来られました。
彼女は、長年研究してきた知識を本にまとめて広めたいと考えていたのですが、
「どんなテーマにすればいいのか」が分からず、立ち止まっていました。
実際、彼女の手元にはすでに自作のテキストがあり、
まるで学校の教科書のように体系立てて書かれています。
つまり、「知識」はもう十分にあるのに、“読者にどう役立つか”が見えていなかったんですね。
「誰かの何の役に立つのか?」を考えるだけで、方向が決まる
お話を聞いているうちに、彼女がふとこう言いました。
「人生には裏と表があって、良いことも悪いことも必ずあるものなんです」
私はすぐにピンときて、こう提案しました。
「読者が“自分を少し安心させるための考え方”として、
陰陽五行のエッセンスをやさしく伝えるのはどうですか?」
その瞬間、彼女の表情がパッと変わりました。
「そういう見方もあるんですね!」
つまり、“陰陽五行を教える”ことが目的ではなく、
読者が安心して生きるヒントとして使える形にする。
そこに切り替えた瞬間、彼女の本のテーマは自然に定まりました。
「自分が伝えたいこと」より、「相手が知りたいこと」へ
この話のポイントはとてもシンプルです。
「自分が伝えたいこと」×「誰の」「何の役に立つのか」
この掛け算ができた瞬間に、テーマは決まります。
たとえばあなたが専門知識や経験を持っているとして、
・それを知った読者は、どんな気持ちになれるのか?
・どんな悩みが解決するのか?
・どんな行動を起こせるようになるのか?
この3つを想像してみてください。
すると、「誰に」「何を」「どう伝えるか」が自然と見えてきます。
ほんの1時間でも、テーマは見つけられる
テーマ探しというと、すごく大変そうに感じるかもしれません。
でも、たとえば次のように1時間だけ時間を取って考えてみてください。
自分が得意なこと・興味のあることを3つ書き出す
その知識や経験で救える人を想像してみる(年齢・性別・悩み)
「その人がどうなれたら嬉しいか」を書く
この3つを線でつなげていくと、不思議と「伝えるべきテーマ」が現れます。
たとえば──
「仕事のミスが怖い新人社員が、自信を取り戻せる考え方」
「家族に気を使いすぎる主婦が、自分を責めない習慣を作る方法」
こうした“具体的な誰かの変化”を意識するだけで、
あなたの本のテーマはすぐに形になります。
「相手が、相手が」で考えると道が開ける
多くの人がテーマ探しでつまずくのは、
「自分が、自分が」と考えすぎてしまうからです。
でも大事なのは、「相手が、相手が」です。
相手がどんな気持ちで、どんな毎日を送っていて、何に悩んでいるのか。
そこを想像するだけで、伝えるべきメッセージは明確になります。
テーマは“ひねり出すもの”ではなく、
読者の人生に寄り添う視点を持った瞬間に見えてくるものです。