こんにちは!
キャリアコンサルタントのきむにぃ(木村尚文)です。
僕はこれまで管理職として、2,000回以上の1on1を部下と重ねてきました。 そして独立した今は立場や業種が違う方々のお話を聴く機会が増えています。
人がスッと辞めていく職場と、人が長く残る職場。
この違いって、人と人との関わり方、更には待遇というバランスだと思ってます。
今日はその話を書こうと思います。
■「辞めたい」と思う瞬間
少し話が逸れますが、自分が「辞めたい」と思ったことがある人って、けっこう多いんじゃないかと思います。
会社員時代の僕も、何度かそういう瞬間はありました。
そういう時の自分の頭の中ってどんな感じだったかなって考えることがあります。
辞めたいと思う瞬間って、給料や待遇というのもありますが、それだけではないんですよね。
色々やってきて考えてもきたけど、好奇心や興味が失われてしまった。
今の上司は指示しかせず、自発的に働かせてくれない。
どうしても乗り越えられない壁がある。
僕にとってはこういう時なんです。
そして多分これは、僕だけの感覚じゃないんですよね。
辞めたいという意志を示した人とは多く話してきましたが、みんな結構同じようなことを言います。
■外発的動機付けと内発的動機付け
心理学の考え方で動機付けには外発的動機付けと内発的動機付けという2つがあるとされています。
これキャリコンの勉強の時にもよく出てくる考え方です。
それぞれどういうものかと言うと
●外発的動機付け
報酬や罰などの外部からの要因による動機付け
給与やノルマ未達の詰めをイメージすれば分かりやすいですね
●内発的動機付け
好奇心や興味など自身の内面から湧き出る意欲による動機付け
やりがいとかモチベーションというイメージ
前段で書いた、辞めたいと思う時の感覚って内発的動機付けが薄くなった時に起こりうるよなって思います。
■内発的動機付けを周囲が増やすことも減らすことも出来る
モチベーションというのは主観的なものなので、その源泉は人それぞれ違います。
ただ1つ普遍的なものがある気がしていて、人間は社会的な生き物なので多くは「周りから必要とされている/いない」というもので大半の人のモチベーションは左右されるのではないかと僕は考えています。
以下は実際、私が職場で感じたモチベーションが増減する言動についてです。
●モチベーションが減る言動
朝挨拶をしても同僚がパソコンの画面から目を離さない。
自分なりに頑張ってやった仕事に対して上司からフィードバックがなく指摘だけが返ってくる。
チームメンバーから頼んだわけでもないアドバイスを何度もされる。
●モチベーションが増える言動
同僚との挨拶の時にプラス1で会話が発生する
上司が成功した時も失敗した時も要因を一緒に考えてくれる
チームメンバーが話を遮らずに意見を聴き、一緒に考えてくれる
ひとつひとつは、小さなことです。
でも、こういう小さな瞬間が積み重なることでモチベーションは上下しますし、極論ですが下降しすぎると辞めたいという意志に繋がると思っています。
■ただ外発的動機付けも非常に重要
ただ、当たり前ですが、待遇やプレッシャーというのもやはり非常に重要です。
僕自身、前にも書きましたがパワハラじみた対応で(不本意ながら)奮起してしまいましたし、出世や待遇向上を目指すという欲求は少なからずありました。
外発的動機付けは「最初の一歩」と「加速」を担うものだと思っています。
例えば、新しく入ったスタッフが、いきなり「この仕事に内発的な興味があります!」となることって、現実的にはほぼないですよね。
最初は「給料をもらうため」「契約期間があるから」みたいな外発的な理由で動き始めます。
そこから少しずつ仕事に慣れて、面白さを見つけて、内発的動機付けが育っていく。
最初のフェーズでは、外発的動機付けがないと、そもそも動き出せない場合が多いです。
それに、ある程度内発的動機付けが育った後でも、外発的動機付けはずっと必要です。
頑張った成果が、給料や昇進や評価という形でちゃんと返ってくる。
そういう仕組みがあるから、人は安心して内発的な意欲を発揮できます。
会社に貢献しているのに給料が上がらない、評価もされない。
これが続くと、いくら内発的動機付けが強くても、職場への定着はありえません。
つまり、外発的動機付けと内発的動機付けは、対立するものじゃなくて、両方必要と僕は考えています。
■例えるなら
外発的動機付けは、車のガソリンです。
これがないと、そもそも車は走り出せません。
給料や評価や制度は、組織を動かすための燃料です。
内発的動機付けは、車のエンジン性能です。
ガソリンが入っていても、エンジンが弱ければスピードは出ません。
逆に、エンジンが強ければ、少ないガソリンでも遠くまで走れます。
組織を担うべき立場の人がやることは、両方を整えることです。
ガソリン(外発的動機付け)の方は、給料の仕組みや評価の制度、職場環境の整備など、わりと目に見えやすい話です。
ここをちゃんと整えるのは、組織の土台として欠かせません。
一方、エンジン性能(内発的動機付け)の方は、もっと地味で目に見えにくい話です。
日々の声かけ、話の聴き方、相手への関心。
1on1もここでしょう。
こちらは制度も重要ですが、関わる人の姿勢で育っていきます。
そして残念なことに、多くの組織は前者の整備には熱心ですが、後者については「個人の問題」として片付けがちです。
人が辞めていく職場の多くは、ガソリンの問題よりも、エンジン性能を育てる関わりが足りていない場合が多いと感じています。
■最後に
外発的な部分は組織を担う人にしか変えることは難しいですが、内発的な部分は部下の立場でも意識することは出来ます。
毎朝率先して挨拶をする。
誰かに声をかけてみる。
会議で場の空気を整える役を引き受ける。
意識すれば誰でも出来ます。
良い雰囲気を作ることができればそれだけで「あいつ、めっちゃいいな…」と上司なんかは思います。
僕は思いました。
職場の雰囲気が良くなれば自分の気持ちも良くなるし、評価にも繋がるし一石二鳥ですよ。
人が辞めない組織を作るというのは個人個人が意識するこういう小さな積み重ねの先にあるんだと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
【前回の記事】