こんにちは!
キャリアコンサルタントのきむにぃ(木村尚文)です。
今回は私がキャリコンとして力を入れている領域である1on1について書きたいと思います。
■1on1について
1on1(ワンオンワン)とは、上司と部下が1対1で定期的に行うミーティングのこと。
目的は「部下の成長支援」「信頼関係の構築」「モチベーション向上」で、評価の場ではなく対話を通じて課題解決やキャリアを相談する場と言われています。
■上司は困っている
私は企業の管理職の方のお悩みを聴く機会が多く、1on1に関することもご相談いただきます。
「沈黙が怖い」
「何か気の利いたことを言わなきゃ」
「部下を成長させなきゃ」
こんなプレッシャーを実は多くの管理職が抱えており、困っています。
考え方や手法などは会社から習うことはなく、自己流で行った結果、つい自分が話しすぎてしまう。
気づいたら、業務の進捗確認と僕のアドバイスで時間が終わっている。
そんなことが非常に多い現場の声です。
■部下も困っている
私は前職で管理職をやっており、今では2,000回の1on1経験を売りにしております。
ただ、最初の頃はやはりやり方も考え方もわからず、指導、アドバイス、業務上の確認、数字の詰めなどをやってしまっていました。
そうやってやっているとですね、部下の顔がどんどん曇っていくんですよ。
「この人、自分の話聴いてくれないな」
「なんだ、結局数字の詰めか」
「マジで無意味…早く終わってくれ」
今ならわかりますが、そんな風に思われていたのでしょう。
1on1は部下のための時間です。
それを上司が適切に促進・支援できないと部下も大いに困ってしまうというわけです。
■上司の「良かれ」が、部下の本音を遠ざける
ただ、多くの管理職はその場でできる精一杯をやっています。
実際、管理職のクライアントから話を聞いていると、誰もが「メンバーに成長してほしい」と願っています。
だから、的確なアドバイスをしようとするし、前向きな言葉をかけるし、課題解決をリードしようとするのです。
全て良かれと思ってやっていることです。
でも上司が「成長させたい」と前のめりになるほど、 部下は「正解を探さなきゃ」「この人は自分をわかってくれない」と身構える。
良かれと思ったアドバイスが、本音から遠ざかる入口になっている。
これが、多くの1on1で起きている、見えないズレと私は考えています。
■データが示す現実
パーソル研究所の調査で、こんなデータがあります。
「上司との面談で、本音で話せている割合」を聞いたところ、 「2割未満しか本音を話していない」と答えた人が、51.2%。
つまり、半数以上の部下が、上司との面談でほとんど本音を話していない。
「自分の1on1は、ちゃんとできているつもり」だった上司が、 実は半分以上、すれ違っているかもしれない。
そして、すれ違っていることに、上司は気づいていない。
※出典:パーソル研究所「職場での対話に関する定量調査」
■1on1の位置づけを、変えませんか
1on1がうまくいかないとき、多くの人は「やり方」を変えようとします。
質問の引き出しを増やす
傾聴のテクニックを学ぶ
フレームワークを覚える
もちろん、それも大事です。
でも、その前にもっと根本的な転換が必要だと、僕は思っています。
1on1は「上司が話す場」ではなく、 「部下が安心して本音を話せる場」である。
そのように、1on1の「位置づけ」そのものを変えることが大事です。
主役は部下。
上司は「聴く」役割に徹する。
業務の進捗を詰める時間でも、上司が解決策を授ける時間でもない。
普段の業務では絶対に得られない、 「自分のことを、利害関係なく、じっくり聴いてもらえる時間」
これが1on1の本当の価値だと、僕は確信しています。
■部下は、みんな話したいことを抱えている
管理職時代、ひたすら部下の話を聴き続けて気づいたことがあります。
それは、どんな部下も、心の中に話したいことを抱えているということ。
一見モチベーションが低そうに見えるメンバーも、 反発ばかりしているように見えるメンバーも、 普段あまり喋らないメンバーもです。
ただ、ほとんどの場合、それを話す場がないだけなんです。
「この人になら話しても大丈夫だ」
そう思える時間と相手があれば、人は驚くほど自分のことを話します。
そして、話しているうちに、部下自身が自分の中で答えを見つけていく。
こちらがアドバイスしなくても、勝手に整理されていくんです。
これが、僕が2,000回の1on1で何度も目撃してきた光景です。
■完璧な1on1じゃなくていい
1on1は、一回で完成させるものじゃありません。
メンバーとの関係性の中で、少しずつ育てていくものです。
1回目の面談で信頼関係ができるわけがありません。
上司が真剣に向き合おうとしている姿勢そのものが、 時間をかけて部下に伝わっていくのです。
「関わろうとする姿勢」が、信頼の土台になる。
明日の1on1が、今日より少しだけ楽な気持ちで迎えられたら。
それで十分だと、僕は思っています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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