慶弔休暇の範囲と日数はどう決める?一般的な基準設定と就業規則の規定方法

慶弔休暇の範囲と日数はどう決める?一般的な基準設定と就業規則の規定方法

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ビジネス・マーケティング
従業員の結婚や出産、あるいは親族の不幸などが発生した際、慶弔休暇の対象範囲や日数をどこまで認めるべきか、頭を悩ませるケースは少なくありません。

慶弔休暇は労働基準法で義務付けられた法定休暇ではなく、企業が任意で設ける「法定外休暇(特別休暇)」の一つです。厚生労働省が公表した「令和5年就労条件総合調査」によると、夏季休暇や病気休暇等の「特別休暇制度」を導入している企業の割合は55.0%となっています。慶弔休暇もこの特別休暇の代表的なものですが、制度の規定が曖昧であったり、親等の範囲が不明確なままで放置したりすると、「同じ関係性の親族の不幸なのに、自分は休暇が取れなかった」といった不公平感を生みます。これが従業員のモチベーション低下や会社への不信感を招き、ひいては離職リスクを増大させる恐れがあります。

慶弔休暇の日数や対象範囲について、法律上の明確な定めはありません。各企業が就業規則等で独自に設定する性質のものですが、一般的な相場を知っておくことは重要です。慶事においては、従業員本人の結婚で3~5日、配偶者の出産で1~2日を付与する設定が多く見られます。弔事(忌引き休暇)においては、対象者との関係性(親等)によって日数を細分化するケースが一般的です。相場としては、配偶者の死亡で7~10日、1親等である父母や子が死亡した場合は5~7日、2親等の兄弟姉妹や祖父母の死亡では2~3日、3親等(おじ・おばなど)は1日とするか、あるいは対象外とする運用が多く見受けられます。また、配偶者の親族(義父母など)をどの親等まで含めるかも、企業間で判断が分かれるポイントです。

さらに近年は、多様化する家族形態への対応も実務上の大きな課題です。厚生労働省や労働局の各種指針においても、多様な人材の活躍推進やワークライフバランスの確保が求められています。事実婚の配偶者や同性パートナーを慶弔休暇の対象に含めるのかどうかといった基準のアップデートは急務です。この整備を怠ると、現代の価値観から乖離した企業とみなされ、採用市場において敬遠されるリスクも生じます。

これらのリスクを未然に防ぐためには、自社の「就業規則」においてルールを明文化することが不可欠です。まずは対象となる「親等」と「続柄」、それぞれに対する「付与日数」を明確に規定します。そのうえで、休暇期間中が「有給か無給か」、土日などの公休日を挟んだ場合の「暦日計算か所定労働日計算か(分割取得を認めるか)」を定めます。また、適正な制度運用のために、休暇取得の際に「会葬礼状」や「結婚を証明する書類」等の提出を求める手続きについてもルール化しておくことが推奨されます。これらは厚生労働省が公開している「モデル就業規則」等も参考にしながら、要件を整備していくことが基本となります。

慶弔休暇は法定外休暇であるからこそ、業種や社内風土、従業員構成に合わせた最適な制度設計が求められます。多様化する家族のあり方を見据えつつ、具体的にどのように自社の就業規則へ反映し、無理のない基準に対応させていくかについては、事前にご相談ください。
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