*他サイト等でのご質問を含みます。
■仮説の立て方は二つあるということを知った。自分の仮説の立て方が思ったよりあいまいだった。このまま曖昧な仮説だったら苦労することになりそう……。
■仮説に,「研究仮説」と「作業仮説」という種類があることを初めて知りました。作業仮説をなるべく具体的に書けるようにしたいです。自分が今までたてていた仮説は大まかなもので,ゴールがいまいち明確ではなかったので,今日の授業で教わったことをいかしてより深い仮説をたてていけるようにしたいです。
■研究方法の例として,具体的に実験をしてくださったり,仮説の立て方を分かりやすく教えてくださったりしたので,より研究の進め方がよくわかりました。
→実は,他にも仮説の種類があり,これがすべてではありません。今回は,知っておいてもらいたいものだけを紹介しました。また,今回は「研究仮説」と「作業仮説」というように用語を使用しましたが,おそらく分野によっては言い方も異なるかもしれません。その点に留意しておいてください。
■自分の研究の目的とやろうとしている内容が違う感じになってしまうんですが,どうすればよいですか。
→「やろうとしている内容」こそが本当にやりたいことなのであれば,「研究の目的」を「やろうとしている内容」に躊躇せずに寄せていけばいいかなと思います。まだ四月なので,もともと想定していたテーマとずれてしまうことを恐れずに取り組んでみて下さい。
■研究テーマの絞り込みの方法が知りたいです。
■調べたいことがたくさんありすぎて研究テーマを小さく絞れないです。
→大域的よりも局所的に社会を見つめてみてはどうでしょうか。つまり,ニュースなどで見受けられる社会問題について焦点をあてるだけでなく,自分や友達の経験から研究を展開するといいかもしれません。そうすると,自ずと局所的なテーマになると思いますし,ありがちな研究にならずにオリジナリティのある研究を生み出すことができる気がします。
■具体的な数値にするのが難しい人の考え(思想)の程度(強弱)などは,どうやって調べたり,示したりすればいいのかを知りたい。
■文系においての作業仮説の立て方があまりよくわからなかった。やはりアンケート結果の予測がメインとなるのだろうか。
→心理学研究では,必ずしもデータを数量化する必要はありませんし,必ずしもデータを得る必要もありません。実際,心理学の研究論文ではデータを得ず,先行研究のデータを用いた上で考察するという場合が見受けられます。本格的に研究を始める前に,自分の研究テーマに関連する先行研究を読んで,具体的な研究方法を学べるようにしたいと思います。
以下,補足です。データを得る研究の場合,数量データを用いて研究をおこなう方法は量的研究,数量データを用いずに研究をおこなう方法は質的研究と呼ばれます。前者はアンケート(質問紙法)などの点数,後者はインタビュー(面接法)などの言語情報が挙げられます。
データを得るならどちらにすべきか,という話になると思いますが,これは研究テーマに依存するでしょう。考え方の一つとして,研究対象者が数十人いるなど多くなりそうなら量的研究,数人など少なくなりそうなら質的研究を選ぶといいかもしれません。ちなみに,僕は量的研究ばかりをやってきた人なので,正直なところ量的研究のほうがずっと詳しいです。
■親子間のことが書いてある、おすすめの論文があったらぜひ教えてください。
→具体的に親子間の何を知りたいのかを知りたかったですが,とりあえず想像で「褒めることと自尊感情の関連」についての論文を挙げておきます。
あと,類似したテーマで,子どもの貧困についてもわかりやすい論文があったので,おまけで挙げておきます。これを読むだけでも,子どもの相対的貧困についての勉強になるかも。
井上清子 (2015). 両親・教師からの褒められ叱られ経験と自尊感情の関連について 生活科学研究, 37, 97-105.
阿部彩 (2012). 「豊かさ」 と 「貧しさ」: 相対的貧困と子ども 発達心理学研究, 23(4), 362-374.
■文系の研究の進め方がまだよくわかっていなくて、ただの調べ学習にならないようにアドバイスをいただきたいです。
→「ただの調べ学習」という言葉を,講師になってからよく耳にしますが,学校の先生からそういった類いのことを強く言われているのかなと察しました。「ただの調べ学習」の定義が,「調べればすぐわかること」だとすると,確かに学士論文や修士論文の研究でおこなうには物足りないものがあります。
ニュースなどで広く知られているような社会問題については,「調べればすぐわかること」でしょうし,その問題の解決策すらも,政府や法人,マスメディアなどによって提案済みになっていると思うので「調べればすぐわかること」でしょう。そういった広く知られた社会問題に正面から切り込んでいくのは無謀かもしれません。先述した「テーマの絞り込み方」と同じ回答になってしまいますが,「自分の経験」というフィルターを通して社会問題を見つめてみると,まだ誰も着手していない狭い範囲の研究領域になり得るので,「調べればすぐわかること」にはならずに済むのかなと思います。
それと,「調べ学習」と「研究」の相違点の一つとしていえるのは,社会にとって公共性があるかどうかだと思います。つまり,いまあなたが取り組んでいる内容を「調べ学習」とする場合,自分の知識や経験が増えるのみなので,実施することで恩恵を受けられるのは自分だけです。一方,「研究」とする場合,社会に対して問題提起やその問題の解決方法を提案することが求められるので,実施することで恩恵を受けられるのは社会全体です。その点を意識してやってみましょう!