「実をいうと私はマリコが好きではありませんでした」
この本は、4人の子供を持つお母さんのエッセーになります。
活発で元気いっぱいの明るい娘、マリコの言動にどうしてもイライラしてしまい、
「このままではこの子がダメになってしまう」と分かっていても、
娘マリコへの言葉の暴力を払ってしまうのです。
そして、挙句の果てには、19歳の時に精神科へ入院し、
重い精神薬を飲み続けることになります。
この本の著者、牧さんは、夫婦で長年鍼灸院をされていて、
私は一度お世話になったことがあります。
とても穏やかなご夫婦で、
「4人も子供さんがいるなんて、幸せな家庭なんだろうなぁ」と、
勝手に想像していたので、
この本を出版されたことを知り、かなりショックで涙しました。
そんな過去があったなんてと。。。
精神病院に入院するまでの牧さんの言葉は、まるでナイフのようで
本当に私自身も胸が痛くなるほどでした。
しかし、牧さんのマリコに対する言葉遣い、気持ち、
そして(私の脳裏に浮かぶ)牧さんの表情までもが、
マリコの入院をきっかけに、どんどん変化していくのが感じ取れました。
そして、マリコを強く虐めてしまうのは、
マリコのせいではないことに気づかされるのです。
そこから、マリコさんは精神薬の断薬をされ、社会人として復帰されたそうです。
「理由がわからないまま言葉で虐め、
虐めながら自分はなんとひどい母親なのだろうといううしろめたさを常に抱えて暮らしていました」
私自身も、自分の子供に対して強く当たっていた時期があり、
この言葉にはとても同調してしまいます。
分かっていても、止められず、そんなことをしてしまう自分を責めてしまう。
私自身は、「このままでは、私が自己嫌悪の人生を歩んでいるように、
この子の人生をダメにしてしまう」と思い、
ホメオパシーや、子育て講座に参加し、子供との関係が改善したのですが、
なかなか改善できず、大人になってしまう子供も多いのではないでしょうか。
自分の子供を愛せない人には、必ず、その人自身の子供時代にも同じように親に愛されていると感じることができなかった経験があると思います。
そして、その親自身にも似た経験があり、負の遺産として代々受け継がれているんだと感じます。
よく「子供は親を選んで生まれてくる」と言われていますが、
子供は、身をもって母親を癒してるんじゃないかと思います。
そのことに、お母さん自身が気づけば、かなり自分自身の痛みは癒されると思います。
両親にひどい扱いを受けていた方は、両親が生きてきた過程を知ろうとすれば、
自分にしてきた仕打ちを許すことはできなくても、
ある程度受け入れることはできるんじゃないかなと感じます。
親子の問題が全くない人はいないと思います。
「鏡の中のマリコ」
みなさんに一度読んでほしい本です。