こんにちは。
脱公務員キャリアコンサルタントのしーもです。
今回は、公務員が勤務自治体に住む・住まない、という点について、記事をお届けします。
あくまで私の考えですので、一意見に過ぎません。
これから公務員を目指そうという人にとっては一つの参考程度にはなるかと思います。
■勤務自治体に住むとは=職場に住むこと
公務員として仕事をする上で、自分が勤務する自治体に住むかどうか、ということも結構重要な要素になってきます。
ちなみに、私は自分が勤務していた自治体には一度も住んだことはありません。(厳密に言うと、都道府県に出向していた時期がありますので、その時期だけは勤務自治体に住んでいたことになりますが…)
住みたいと思ったこともありません。
そこはあえて一線を引いていたというのが実際のところです。
なぜか?
私にとって職場とは、役所の建物を意味するものではなく、勤務自治体全体が職場というイメージだったからです。
というのも、私は技術系の職員で、主に建設系の部局を中心にキャリアを積んできましたので、道路、公園、下水道などのインフラ整備も担当していました。
他にも都市計画のようにまち全体を考える仕事も長く経験してきました。
そうなると、役所の建物の中だけで仕事は完結せず、むしろ仕事の材料そのものが市内全体いたるところに存在することになります。
■仕事とプライベートのオンオフ
なので、勤務自治体に住んだ場合には、
道路を管理する部署にいて、休日に道路に穴が空いているのを偶然通りがかって見てしまうと、無視するわけにはいかなくなります。
例えものすごく大きな危険が無くても、このまま放置して自転車が転倒して怪我したら…
気付いていて放置した責任問題になりかねない、と考えると気が休まらないのです。
仮に、そういう事案が無かったとしても、ついつい何か不具合は起きてないか?という目線で見てしまうので、仕事とプライベートのオンオフが切り替えられなくなってしまうのが正直しんどいというのが勤務自治体に住まなかった理由です。
私のようにインフラ整備の仕事で無くても、地域の住民さんと深く関わる部署はいくつもあります。
自治会さんと常に関わる部署や、農家さんと常に顔を合わせることになる農業政策の部署、商工系の部署など。
勤務自治体に住んでいると、休日の外出時にそういった方たちと顔を合わせる機会が自ずと増えることになりますので、オンオフの切り替えが難しくなる面も少なからずあるでしょう。
勤務自治体の規模によってもそういった感覚は違ってくるとは思いますし、人によって受け止め方も様々だとは思います。
それが苦にならない、そういう風には感じない人は、勤務自治体に住むのも問題はないでしょう。
むしろ、住むことで愛着が持てるようになり、公務員として仕事にやりがいを感じる原動力にもなると思います。
■災害対策の観点では、一長一短
別な視点で考えてみると、
災害対策の面では、勤務自治体に職員が多数住んでいる方が即応性が高まり、緊急時の対応力が高まるのでメリットはあります。
休日や勤務時間外に発生する災害時にその違いが出てきます。
緊急時に5分、10分で役所に参集できる職員が多数いるのと、職員のほとんどが市外在住で緊急参集にも時間がかかるというのでは、対応に差が出てしまうのは当然でしょう。
よって、災害対策を考えると、職員には勤務自治体での居住を推進した方が良いという考え方もあります。
一方で、大災害時においては、リスク分散の観点から、ある程度職員の居住地は分散している方がよいという考えもあります。
勤務自治体に多数の職員が居住していて、壊滅的な被害があった場合には、職員の多数が被災者になり、ケガをして動けなかったり、最悪の場合命を落としたりということもあり得ます。
そうした場合、誰が役所の機能を動かすのか?という問題が生じてしまいます。
もちろん日常業務はストップする訳ですが、被災箇所の把握、避難所の開設・運営、外部の救援受け入れ、道路啓開(けいかい→がれきを除去して緊急車両が通行できるようにルートを確保すること)など、やるべきことはいくらでもあります。
が、誰も参集できなければその機能は止まったままになります。
参集できた職員が極端に少ない場合も同じです。
仮に半数程度の職員が近隣自治体に分散して居住していれば、被害も分散できる可能性も高まりますので、参集できる職員も時間とともに確保でき、役所の機能を回復することが可能になります。
あくまでそれくらい大規模な災害時において、という話ではありますが、大規模災害時ほど役所機能を早期に回復することが、後の被害軽減にも繋がるわけですので、そうした視点を持っておくのも大事かなと思います。
各自治体では、業務継続計画(BCP)というのを策定して、災害時における業務の優先順位や優先業務継続に必要な職員数と参集可能な職員数をあらかじめ推計していると思いますし、非常参集訓練なども行って、発災からどれくらいの時間で何人くらいの職員が参集可能か、ということも把握していると思います。
■公務員として働くということ
以上のように、公務員になると、
仕事のフィールドが自治体全域に及ぶということと、非常時でも仕事はあるということがあります。
例えば、民間企業であれば、台風の接近に伴って早めに店じまいしたり、帰宅難民にならないように社員を早めに帰宅させるような企業もあったりしますが、役所にそういう考えはありません。
例え災害対応に割り当てられていない職員であっても、勤務時間は通常通りです。
災害対応に割り当てられている職員は、台風が通過するまで一晩中仕事をすることもしょっちゅうです。
公務員になるならば、こうした仕事に対する捉え方の違いも、理解しておく必要があるかと思います。
自治体で仕事をしようと考えている方々にとっては、今さらな話かもしれませんね。
くれぐれも、こんなはずじゃなかった!とならないように、仕事内容だけでなく、公務員の「働き方」も良く理解しておくことも大切かなと思います。