応募書類(履歴書・職務経歴書)で「数字」を使うと何が変わるのか。 採用担当者の視点

記事
学び

 1.「自分の仕事に数字はない」と思っている人へ

職務経歴書を書くとき、
「数字を入れたほうがいい」
という話を
聞いたことはあるかもしれません。

でも、こう思う人がいます。
「自分は営業じゃないから売上数字はない」
「成果が数字で出るような仕事ではなかった」
「数字を出せる実績がそもそもない」

だから
「数字を使えない」と
思って、
言葉だけで
書いている。

この記事は、
そういう人に向けて
書きます。

先に言います。
「自分の仕事に数字はない」は、
ほぼ全員の思い込みです。

どんな仕事にも、
数字はあります。

探し方を
知らないだけです。

2. なぜ数字で書類の印象が変わるのか

先に答えを言います。

数字が書類の印象を
変えるのは、
「数字が仕事のリアリティを
伝えるから」です。

「売上に貢献しました」
「業務を効率化しました」
「チームをまとめました」

これらは、
言っていることは
正しくても、
「どのくらい?」という
問いに答えていません。

採用担当者は
毎日たくさんの書類を
読んでいます。

「貢献しました」という言葉は
何十通も見ます。

でも、
「担当した顧客50社のうち
翌年も継続した割合が
チーム平均の1.3倍だった」

という記述は、
「この人が何をして
どうなったか」が
具体的に見えます。

つまり、
数字は
「すごい実績を証明するもの」
ではありません。

「仕事のリアリティを伝えるもの」です。
数字があると、
採用担当者の頭の中に
「この人が働いている場面」が
イメージできます。

イメージできる人は、
「採用後の姿」も
イメージできる人です。

3. 数字が書類に与える3つの効果

数字を使うことで
書類に生まれる効果を
3つ整理します。

効果①:
「信憑性」が上がる

「成果を出しました」より
「前年比120%を達成しました」のほうが、
信じやすい。

数字は
「証拠」の代わりに
なります。

主張に数字がついた瞬間、
「本当に?」という
疑念が消えます。

これが
「読んでいて引っかかりのない書類」と
「なんか薄い書類」の
違いを生みます。

効果②:
「規模感」が伝わる

「大きなプロジェクトを担当しました」と
「50名・6ヶ月のプロジェクトを担当しました」では、

採用担当者に
伝わる情報量が
まったく違います。

「大きい」は人によって
捉え方が違う。

「50名・6ヶ月」は
誰が読んでも
同じ規模感です。

数字は
「あなたの仕事のスケール」を
正確に伝える唯一の方法です。

効果③:
「変化」が見える

「業務を改善しました」より
「処理時間を週10時間削減しました」のほうが、
「何がどう変わったか」が見えます。

採用担当者が
採用後に期待するのは
「変化を起こせる人」です。

あなたが
起こした変化を
数字で示すことで、
「この人はうちでも変化を
起こしてくれそう」という
イメージが生まれます。

4. 「数字がない」と思っている人の、数字の探し方

じゃあどうするか。

「自分の仕事に数字はない」と思っている人が
数字を見つけるための
視点を紹介します。

視点①:
「量」を数える

担当していた仕事の
「量」はどのくらいでしたか。
・担当した顧客・案件の数
・一日・一週間・一月に処理していた件数
・管理していたデータ・書類の量
・対応していた問い合わせ件数

「毎日〇件の問い合わせを対応していた」
これだけで
「仕事の密度」が
伝わります。

視点②:
「人数」を数える

関わった人数は
どのくらいでしたか。

・チームの人数
・担当した部署の人数
・対応した顧客の人数
・教えた・育てた後輩の数

「5名のチームでプロジェクトを進めた」
「新人3名のOJTを担当した」
人数が入るだけで、
「どのくらいの規模で動いていたか」が
見えます。

視点③:
「時間」を数える

仕事にかかっていた時間や、
改善によって
変わった時間は
どのくらいですか。

・月次作業に何時間かけていたか
・それを改善して何時間短縮したか
・プロジェクトの期間
「月20時間かかっていた作業を、
フォーマット整備で月8時間に削減した」

時間の変化は、
営業職以外でも
使いやすい数字です。

視点④:
「前後の変化」を数える

「改善前・改善後」
「入社前・退職時」
「1年前・今」
という変化のある数字を
探してください。

・エラー件数が月10件→月2件になった
・引き継ぎ時間が半分になった
・担当した顧客数が1.5倍になった

変化を示す数字は、
あなたの「仕事の影響力」を伝えます。

視点⑤:
「割合・比率」を使う

正確な数字が
分からない場合でも、
「割合」なら
使えることがあります。

・前年比〇%
・チーム内での順位や位置づけ
・目標達成率
「営業成績がチーム内で
上位3割だった」
「目標達成率が11ヶ月連続で
100%を超えた」

具体的な数字が
出なくても、
相対的な位置づけは
伝えられます。

5. 採用担当者から見た「数字のある書類・ない書類」の話

ここで採用する側の
本音を話します。

転職者が思っていること:
「数字がなくても仕事の内容を
きちんと説明すれば伝わるはず」
「数字がなくても熱意や経験の量で
カバーできる」

採用担当者が
実際に感じていること:
数字のない書類は、
「読んでいて引っかかりがある」
状態になります。

「貢献しました」と
書いてあるとき、
採用担当者の頭の中は
「どのくらい?」という
問いで止まります。

この「止まり」が
積み重なると、
「なんか薄い書類」という
印象になります。

逆に数字のある書類は、
読むリズムが止まりません。

「売上120%」と書いてあれば、
「どのくらい?」という
問いが生まれる前に
答えが出ています。

*元採用担当として言うと、
「数字がない書類」は
読み終わった後に
「何ができる人か」が
うまく思い出せないことが多かった。

「数字がある書類」は、
「あの〇〇件を担当した人」
「処理時間を半分にした人」
という形で
記憶に残ります。

採用担当者の記憶に残る書類が、
面接に呼ばれる書類です。

6. 数字を使って書き直したら通過した人の話

私が支援したクライアントの
話をします。

30代・女性・
医療機関の
医療事務職の
KKさんは、
書類選考が
まったく通過しない
状態で相談に来ました。

職務経歴書を見ると、
「受付・会計業務を担当」
「カルテ管理を行った」
「患者対応を担当」
という記述が
並んでいました。

「数字を入れましょう」と
伝えると、
「医療事務に数字なんてないです」と
KKさんは言いました。

一緒に仕事を
掘り下げると、
・1日平均80〜100名の患者対応をしていた
・レセプト業務で月300〜400件の
 請求書類を処理していた
・スタッフ12名のシフト管理を担当していた
・マニュアルを自ら整備して
 新人の習熟期間を3ヶ月から1.5ヶ月に短縮した

これらが
次々と出てきました。

「これ、全部数字じゃないですか」と
伝えると、
KKさんは
「こんなことが数字になるとは
思っていなかった」と
言いました。

書き直した書類で
応募すると、
3社のうち2社から
面接の連絡が来ました。

「数字が見つかると、自分の仕事に
自信が持てた」と
KKさんは言っていました。

7. 数字の「使い方」で印象が変わる

数字を入れると決めたとき、
使い方にも
少し気をつけると
さらに良くなります。

使い方①:
数字だけで終わらせない

「売上120%達成」だけでは、
「どういう工夫で達成したか」が
見えません。
「顧客ごとに提案内容を変える
カスタマイズ提案を実施した結果、
担当顧客の売上が前年比120%になった」
という形で、
「数字+行動」を
セットにすると、
「何をした人か」が
より明確に伝わります。

使い方②:
「おおよそ」でも構わない

「正確な数字が
思い出せない」という
場合でも、
「月80〜100件程度」
「約3倍」
「半分以下に」
という表現で
構いません。

数字の正確さより、
「規模感が伝わること」が
目的です。

使い方③:
すべての記述に数字を入れようとしない

数字を入れることに
こだわりすぎると、
無理やりな数字が
入った書類に
なります。

「数字で伝えたほうが
より明確になる部分」に
絞って使う。

「担当業務の概要」は
文章でいい。
「実績・成果・規模感」の
部分に数字を入れる。
この使い分けで、
書類全体のバランスが
整います。

8. まとめ:数字は「ある・ない」ではなく「探せるか」

今日お伝えしたことを
まとめます。

「自分の仕事に数字はない」は
ほぼ全員の思い込み

数字が書類に与える効果は3つ:
信憑性・規模感・変化が見える

数字の探し方:
量・人数・時間・変化・割合で探す

採用担当者は
数字のある書類のほうが記憶に残りやすい

数字+行動のセットで伝えると
さらに効果的

「数字がないから強い書類が書けない」は
思い込みです。

数字は
「探し方を知っている人」には
どんな仕事にもあります。

今日紹介した5つの視点で
もう一度、
自分の仕事を
掘り返してみてください。

「こんなことが数字になるのか」という
発見が、必ずあります。

応援しています。


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