自分は今40代で、まだ死ぬのは怖いですが、80歳とか90歳になった時を想像するとあんまり怖くないような気がしています。どんな死に方であれもうすぐ死にそうな時にはそっとしておいてもらいたいですし、特に意識がないような場合には延命治療は行って欲しくはないです。なんとなくですが、大抵の人は自分が死にそうで意識がない時は延命治療を望まないと思います。ところがこれが家族の場合はどうでしょう?家族が亡くなりそうになった時(特に老衰などで)どこまで延命治療を行なっていくかに関しては多くの人々がいずれは突きつけられる問題です。医療現場にいると非常に混乱した状況で決断を悩まれているご家族をよく目にします。
私個人の考えですが、病院に於いて一番延命措置を行わない方向性の決断は、点滴や胃管などで水分補給を行わないというものです。人は脱水に極めて弱い生物です。数日から10日程度水分補給を行わないと心停止をきたし死に至ります。逆に水分を投与していくと、極端な場合1ヶ月程度延命できることもありますし、胃管や胃ろうで水分の中に栄養を混ぜて投与することで、場合によっては数ヶ月延命が可能なこともあります。ただ、意識がないもしくは高度認知症や癌末期などで寝たきりで開眼せずの人に水分補給や栄養投与を漫然と行なっていくことはさまざまな問題が生じてきます。家族が長期間のそういった状況に疲れ切ってしまうようなこともありますが、患者さん本人も徐々に手足や顔が浮腫んでしまって元々の原型を留めていなかったり、胃管や胃ろう挿入部の皮膚が感染を起こしてしまったり、褥瘡ができてしまったりして結局つらい最期(ご本人はなんの感情も苦痛もおそらくないと思いますが)になる場合が多いです。医療従事者はそういった現場を数多く経験していると、あんまり延命治療に肯定的な考え方ができなくなってきてしまいます。私自身もその一人です。
数年前に祖母を亡くしましたが、その間際も残された家族で会議を開き、どこまで延命治療を行うかを話し合いました。私は点滴すらせず自然にお看取りをした方がいいのではと意見しましたが結局点滴と胃管からの栄養投与は行うことになってしまいました。水分補給と栄養投与で祖母の生命は数週間延長したことは間違いありません。しかし、延命治療を受けている祖母は私に「もう何もしなくていいよ」と言っているような気がして、当時の私は祖母への延命治療行為にあまり納得ができませんでした。もちろん、実の子供達つまり私の親やその兄弟などが水分補給すらしないのはかわいそうという気持ちも重々に理解でき、そちらを尊重した結果でした。
結論はありません。ただ誰しもが直面しうる終末医療の現状をここに報告し皆様のご意見などを伺えれば幸いです。