こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
遺言によって財産を遺贈(贈与)することができますが、【負担付遺贈】とは、一定の義務(負担)を課したうえで財産を無償で与える遺贈のことをいいます。
つまり、遺言によって、「ある行為をすること」を条件に、財産を贈与(遺贈)する方法です。
🔸 たとえば、「自宅の管理を続けることを条件に、200万円を遺贈する」といった内容の遺言を作成しておく方法です。
■遺贈の放棄とその影響
遺贈は遺言者の一方的意思表示のため、受遺者(財産を受け取る人)は、遺言者の死亡後、いつでも遺贈を放棄できます(民法第986条)。
遺贈が放棄されると、当然ながら負担(義務)も消滅します。
遺贈が放棄されることを防ぐには、遺言を一方的に遺すのではなく、事前に受遺者に意向を伝え、了承を得ておくと安心です。
■負担が履行されない場合
もし受遺者が負担を履行しない場合、相続人は家庭裁判所に対して【負担付遺贈の取消し】を請求できます(民法第1027条)。
負担付遺贈が取り消されると、遺贈は「なかったもの」となり、財産は相続人に帰属します。
ただし、取消しには家庭裁判所への申立てが必要であり、時間や労力がかかります。
■負担付遺贈の注意点
遺言者の死亡後、負担が適切に履行されているかを本人が確認することはできません。
また、負担付遺贈の取消しには家庭裁判所への請求という手間がかかります
。
だからこそ、負担を誠実に履行してくれると信頼できる人を受遺者に指定することが重要です。
■遺言を遺しても安心とは限らない
負担付遺贈を定めた遺言があっても、相続人全員が協議のうえ、遺言と異なる内容で合意した場合には、その内容が実現しない可能性もあります。
負担の確実な履行を重視する場合には、契約としての効力を持つ【負担付死因贈与】を検討することも一つの方法です。
負担付死因贈与については次回のブログで紹介します。