~遺言書のお話し~
私はこれまで司法書士として、数多くの遺言書を作成してきました。
みなさんは「遺言書」と聞くとどんなイメージがありますか。
「ドラマの中で実子ではなく愛人に遺産を遺す遺言書が発見され、殺人事件が起きる」
「遺書というイメージがある」など、様々だと思います。
今回は、遺言書についてお話していきたいと思います。ちなみに法律用語では遺言書を「ゆいごんしょ」ではなく「いごんしょ」と呼びます。
遺言書とは
遺言書は、「自分が亡くなった後に遺産の承継先を決めておける効力がある書面」です。
「自宅は妻に、○〇銀行の預金は長男に、〇〇の株式は次男に相続させる」といったような内容になります。
相続が開始した場合、遺産の帰属先の決定は次のとおりとなります。
①遺言書がない場合
相続人全員で話合いをして決定する(この話し合いを遺産分割協議といいます)。
私はあの土地が欲しい、僕は預貯金が欲しい、というように話し合います。当然、相続人全員の話し合いがまとまらなければ、遺産の帰属先が決まりません。いくら話し合いをしてもまとまらない場合は、裁判所に申し立てて調停や裁判によって解決を図ることもあります。俗に言う「争続」状態です。
②遺言書がある場合
遺言書に従い、遺産の帰属先が決まります。遺産を承継する相続人は他の相続人と協議をする必要がありません。そのため他の相続人からハンコを貰う必要もありません。
≪遺言書を遺した方が良いケース≫次のようなケースは遺言書を作成しておくとよいと思われます。
① 遺産分割協議が円滑にできない可能性のあるケース
例)・相続人間の関係が良好ではない
・遺産の中に価値の高い不動産が
0