コーチングの力
「変わりたいのに変われない…」
コーチングをしていると、こんな悩みをよく聞きます。実はこれ、とても自然なことなんです。なぜなら、人間の脳は本能的に「今のままでいたい」と思うようにできているから。これを「現状維持バイアス」と呼びます。
そして厄介なことに、無意識の領域で【変わりたくない】が働きやすいのです。
でも、だからといって変われないわけじゃありません。
カギとなるのが「ゴール設定」です。
しっかりとしたゴールを持つことで、脳の仕組みを味方につけ、変化を加速させることができるのです。
RAS(網様体賦活系)とゴール設定
脳には「RAS(網様体賦活系)」というフィルター機能があります。簡単にいうと、私たちが必要な情報を取捨選択する仕組みのこと。ゴールを明確にすると、このRASが「それに関連する情報」を優先的にキャッチし、行動を後押ししてくれるんです。
例えば、僕自身の話をすると、外資系コンサルへの転職を目指したとき、それまで意識していなかった情報がどんどん目に入るようになりました。「こんなキャリアの築き方があるんだ!」「このスキルが必要なのか!」と、まるで世界の見え方が変わったような感覚でした。
実際、クライアントの皆さんも「目標を決めた途端、必要な情報が自然と入ってくるようになった!」と驚くことが多いです。これはまさにRASが働いている証拠です。
潜在意識とゴールの関係
僕たちの行動の90%以上は無意識のうちに決まっていると言われています。つまり、「やるぞ!」と意識的に決めるだけでは不十分。潜在意識が「この目標は自分にとって本当に大切だ」と認識しない限り、人はなかなか行動を変えられないんです。
でも逆に、ゴールを「すでに達成したもの」として潜在意識に刷り込むと、脳はそれを現実にするための行動を自然と選ぶようになります。これ、僕も実際に経験しました。
例えば、体脂肪率を11%まで落としたとき。単に「痩せたいな〜」ではなく、「すでに引き締まった体を持っている自分」を思い描くようにしました。すると、不思議なことに、無理なく食事や運動の習慣が変わっていったんです。「意思の力で頑張る」より、「理想の自分になったつもりで行動する」ほうが、ずっと楽で続きやすいんですよね。
コンフォートゾーンを未来に設定する
多くの人は「今の自分の延長線上」で目標を考えがちです。でも、それでは本当の変化は生まれません。なぜなら、人間の脳は「今の環境を安全だ」と認識し、それを維持しようとするからです。
ここで重要なのが、「コンフォートゾーンを未来に設定する」という考え方です。
例えば、今の自分ではなく「未来の自分」を基準にするとどうでしょう?未来の成功した自分、目標を達成した自分を当たり前のものとして認識することで、脳はそれを現実と捉え、自然とその未来に向かう行動を選び始めます。
僕自身、自分がコーチとして活動するなんで最初は「無理じゃない?」と思っていました。でも、「すでにコーチとして活躍し、多くのクライアントの支援をしている未来の自分」をコンフォートゾーンに設定すると、学ぶことや行動が変わり、結果としてコーチとして活動をし続ける結果を得ることができました。
ゴール設定がチームを変える—草野球チームの実例
これは個人の目標だけではなく、組織やチームにも当てはまります。
僕が代表をしている草野球チームでは、昨年は若いメンバーに完全に任せる・趣味の範囲だからとあえてあまり組織化しませんでした。
その結果、ゴールは設定していたものの、おきっぱなしになり、忘れられていたような状態で、チームの目標も達成することができなず歯がゆい1年でした。
そこで今年からは、各メンバーの役割ごとに、メンバーが納得するようなゴール設定を行い、コーチングで実施しているように、目標に向けてのアクションプランを整理していくようにしました。すると、それまで感覚的に動いていたチームが、一気にゴール主導で考えられるようになりました。
結果として、わずか2ヶ月で昨年1年間以上の結果を得ることができました。
・SNSフォロワー4桁突破
・新しいマネージャーの入団
・協賛企業の獲得
・参加人数の平均が3名以上増加
これはまさに、「未来のコンフォートゾーンを設定したこと」で実現できた成果です。
結果ももちろんですが、メンバー1人1人のエネルギー溢れる状態が何よりも嬉しいです。
ゴール設定を行なっておいて心の底からよかったと感じています。
ゴール設定がすべてを凌駕する理由
認知科学に基づくコーチングでは、「ゴール設定こそがすべてを凌駕する」と考えます。その理由は次の3つです。
①脳の情報処理を変える
ゴールを設定すると、RASが働いて関連情報がどんどん入ってくるようになります。
②無意識レベルで行動を最適化する
潜在意識がゴール達成に必要な行動を自然と選ぶようになります。
③コンフォートゾーンを未来に設定する
未来の自分を基準にすると、脳がそのギャップを埋めようとし、新たな行動が生まれます。
僕がコーチとして大事にしているのは、「クライアントが本来持っている力を最大限に引き出すこと」。それには、ただ頑張るのではなく、科学的に正しい方法でゴールを設定することが不可欠なんです。
あなた自身、どんな未来をコンフォートゾーンにしますか?
それが、未来を大きく変える第一歩になるはずです。