自己開示します

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私はサラリーマン。ただのサラリーマンではない。筋金入りのサラリーマンなのだ。あらゆるセクションを渡り歩き、修羅場をくぐり抜け、やりがいや達成感を味わって来た。でも本当は、ムリしてガマンして、いろんなものを犠牲にして、生活のために仕方なく「ライスワーク」を生きていたんだと思う(続→

良い評価を得て出世するために、通勤時間も満員電車に揺られながら勉強して知識を高め、時流に合う感性を磨いて行った。時には本音を押し殺し、白黒付けずに妥協し、無意識のうちにゴマをすっていたこともあった。

出会う人や運も味方し「仕事の報酬は仕事だ。」そう上司は嬉しそうに話し、昇進を内示してくれた。

正直、嬉しかった。

異動や出世の内示は、新たな取り組みに関するものが多かった分、結構自由にやらせてもらえた。なので、大変ながらもやりがいを感じながら、正に身を粉にして仕事を進めて行った。

そうこうしているうちに一定の成果につながり、「仕事の報酬は仕事。」となる。

忙しい中にも少しの愉しみや達成感を味わいながら、来る日も来る日も働いた。

そんな中、全くもって合わない役員(上司の上司)がやって来た。言動不一致で、愛が無いのだ。

そう、人としての愛がカラっきし無いのだ。

それでも、私は筋金入りのサラリーマン。うまく合わせながら、いつも通りやりたいことを進めて行ったが、あらゆるシーンで、ストップや方針転換がなされるようになった。

計画外の新たなミッションが追加され、逆に部下やリソースはダウンサイジングとなった。

それでも決して腐らず、タテ突かず、できる限りの業務の効率化と標準化を図り、誰も手をつけないことまでキレイに整理して行った。

どこかで見返したかったし、どこかで期待に応えたいと思っていた。

この辺りから、自分の時間はもとより、家族との時間が無くなって行った。

数々のムリ難題も必死で何とかこなし、上司の評価はこれまで通り良好を継続。

しかし、最終評価者であるこの役員が、なんと評価ランクを下げるのだ。しかも2段階も下げるのだ。

当然上司は説明できないし、むしろ困惑気味。理由を聞いても曖昧で、こうならないようにがんばれ、としか言えない。

思い当たる節が無いわけではない。

これまで良好な関係を築いていた取引先を、この役員の出身企業へ鞍替えするのをいくつか目の当たりにしていた。

私が担当していた案件も例外ではなかった。

進行中で大詰めを迎えていた案件(株主総会決議レベル)を含め、現行取引先や協力してくれた社内の関連部署への影響(迷惑)があまりに大きかった。

「総会も近づいているため、影響が非常に大きいです。変更することに反対しませんが、少し長い目で見て、段階的に進めた方が得策となると思います。」
と進言したことがある。

人は後ろめたいところを指摘されると思わぬ反応をすることがままある。今回は、まさに、それだ。その後の行動や聞こえてくる声では、大切にしているのは、社員やお客様、取引先ではなく、自分自身、保身であった。

この役員は、私が進め大詰めを迎えていた仕事の取引先を事前に説明もなく勝手に変更したため、説明を求めに行った。

この時のセリフはドラマのようだったので今もよく覚えている。

「気が付いたのなら早く仕事を進めてよ!遅いよ、仕事が。新しい取引先と会うなとは言っていない!」

あまりの過剰な反応に、同席していた上司も助け舟を出すことができなかったほどである...

心が、折れた。
全身のチカラが抜けていく感覚。

心に入っていたはずの筋金がポキン!と折れて、ただのサラリーマンになるのか。

...いや。まだまだ、こんなことでは挫けない。

潰しの効く「志」があったことに気がついた。

いつしか、この会社をもっと良くしたい。そう思いながら仕事をしていたことに気がついたのだ。

上場プロジェクトの時も、機関投資家やアナリストへ会社や業績を説明する時も、社内の仕組みを整備する時も、いつかもっと素晴らしい会社になって行くはず!社員同士が切磋琢磨し、どこかあたたかい愛があり、時代を先読みした社会や人々に役立つ商品やサービスをローンチして行く。そんな会社になるように、ほんの少しでも貢献したい。

心の奥底で、そんな風に思っていた。

腐らず、今できることをやって行こう。社業を通じた社会貢献を具現化できるよう、与えたれた環境で精一杯取り組んでみよう!

そう思い直し、先の案件では現行取引先に丁寧にお詫びを重ね、新しい取引先と関係を作りながら、期限ギリギリで何とか仕事をまとめ上げることができた。少しは期待に応えられたかもしれない。

そんなおり、いつものように内示を受けるスケジュールが入った。今度は上司からではなく、例の役員から。これまで地方から東京に、本社にと異動して来たので、そろそろ営業現場での活躍の時が来たかと想像していた。

窓が無く、名も無い絵画が飾られている無機質な応接室。役員は入室後、席につくなり、無表情にいきなりこう切り出した。

「来期から、子会社へ出向してくれ。」

つづく
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