よく小さい頃に友達や家族と花火大会に行っていました。
屋台や出店など思いっきり楽しみでした。
けたたましい音とともに闇夜を照らし出す幻想的な景色に見惚れて
時間が経つのも忘れていました。
年が経つにつれ一緒に行く人数も増え、友人も増えました。
『たまやーかぎやーと』その頃は意味もわからず叫んで楽しんでいました。
思春期になったある夜、
僕は花火大会で花火ではなく花火が闇夜に照らし出す女の子を見ていました。
花火が時折照らし出すその子の美しさに見惚れ、
花火が終わった後の寂しさが今までの比ではない事に気づきました。
友達だと思ってたあの子に恋をした瞬間でした。
今まで何んの感情も持たなかった相手に、
胸が締め付けられる様な痛みと、
まだ経験をした事のない愛しさを覚えました。
不思議でした。
知っていることよりもはるかに知らない事の方が多いこの世界で、
僕は恋に堕ちたのです。
悩んでしまうのは当然なのに、若かった僕は苦しみました。
想いを伝えてこの関係が壊れてしまう事が怖かったのです。
友達のままならずっと一緒にいれるけど、
想いを伝えないままだと苦しい。
ただ何も言わずに時間だけが過ぎその子には彼氏ができ、
僕の初恋は終わりました。
不思議で知らない事だらけの世界をあの日、
花火は一瞬だけ照らしてくれたのかもしれない。
気づかないうちに心にあった暗闇にあの日、
花火は光を射してくれたのかな。