「もっと学べば、自信がつく」
「資格があれば、堂々と発言できる」
かつての私も、完全にこう信じ込んでいました。
でも、25年以上ビジネスの現場に身を置いてきた今、ハッキリ言わせてください。
どれだけ立派な「鎧(よろい)」を着込んでも、心の底にある不安は1ミリも消えません。
優秀な彼女が「MBA」に縋ろうとした理由
先日、大手企業で部長を務める、非常に優秀な女性とセッションをしていた時のことです。
彼女は今、ビジネスの最高峰である「MBA(経営学修士)」を取ろうか、本気で悩んでいました。
きっかけは、社内で行われた選抜研修。
英語が飛び交う、激しい議論
他部署から集まった、キレモノの猛者たち
そこで彼女は、人生で初めての「無力感」を味わったそうです。
「周りのスピードに、全然ついていけない」
「気の利いたフレームワークがパッと出てこない」
「自分の意見が子供っぽく思えて、声が出ない……」
圧倒的な「場違い感」に襲われた彼女は、自分をこう責めていました。
「私には知識が足りない。武器がないから、この場にふさわしい『正解』が出せないんだ」
だから、MBAという「最強の正解集」を手に入れて、自信の欠けた穴を埋めようとしていたのです。
恐怖の正体は「知識不足」ではなかった
じっくりとお話を深掘りしていくうちに、ある「本音」が見えてきました。
彼女が本当に怖かったのは、知識がないことではありません。
「正解を持っていない自分を見透かされること」だったのです。
これまで彼女は、着実に「正解」を出し、成果を積み上げて部長まで昇り詰めました。
しかし、研修のような「正解がないカオスな場」に放り出されたとき、拠り所にするはずのストックが自分の中にないことに恐怖した。
だから、お墨付きという「武器」を必死に探していた。
でも、これこそが大きな落とし穴なんです。
「不安を埋めるための勉強」は自分を縛る鎖になる
「自信がないから、資格を取る」
この動機で動いている限り、どれだけ学んでも本当の安心は訪れません。
なぜなら、ビジネスの現場に「100点の正解」なんて存在しないからです。
マーケティングの本質も、実はここにあります。
どれだけデータや専門知識を詰め込んでも、最後は「正解なんてわからないけれど、私はこう思う」と信じて、一歩踏み出すしかない。
教科書通りの正解を並べているだけのブランドに、人は惹かれないのです。
彼女に必要なのは、MBAの教科書ではなく、「正解を持っていない自分」で勝負する勇気でした。
英語が完璧じゃなくても
知識が追いつかなくても
その場で泥臭く食らいつき、自分の言葉で対話する
その「カッコ悪い自分」をさらけ出すことこそが、実は周囲を動かす最も強い武器になります。
最後に:その鎧、一度脱いでみませんか?
資格を取ること自体が悪いわけではありません。
ただ、「不安を埋めるため」の勉強は、自分を縛る鎖になります。
逆に、「今の自分がもっと面白くなるため」の学びなら、それは一生モノの翼になります。
あなたは今、「正解を持っていない自分」を隠すために、必死に新しい鎧を探していませんか?
もし、今の自分に自信が持てなくて、「お墨付き」を求めて疲れてしまっているのなら。
一度、その重い鎧を脱いでお話ししてみませんか。
肩書きや資格の先にある、あなただけの「代わりのきかない価値」を一緒に出していくお手伝いができるかもしれません。