ご先祖が本籍をおいていた地で感じたあの違和感は、偶然ではないと思っていました。
最古の本籍地から現在まで戸籍を追っても、転籍はない。
名字もこの地域に多い。
土着していた可能性は高い。
それなのに、
請求した地番と現地の感覚が、どこか噛み合わない。
もしかすると、
請求している地番そのものが、
正しく今の地図に反映されていないのではないか。
そう考えるようになりました。
相続の仕事を通じて、
公的書類であっても間違っている可能性がゼロではないことは知っていました。
固定資産評価証明書も、登記簿も、
前提がずれていれば結果もずれる。
実際に法務局へ行くことにしました。
証明書を出してもらうためではなく、
事情を確かめるために。
登記官に尋ねると、
この地域では土地の更正が入っていることが分かりました。
しかも二度。
区画整理によって地番が組み替えられていたのです。
そこで、頭の中の点がつながりました。
私は二度目の更正後の地図を基準に、
更正前の地番を照合していた。
だから、ずれていた。
まず更正前の地図を請求し、
新旧の地図を重ねる。
そのうえで、改めて旧土地台帳を取り直す。
やるべきことがはっきりしました。
再取得した旧土地台帳。
そこに、戸籍に記載されていた先祖の名前が載っていました。
その瞬間、
胸の奥で小さく「ヨシ」と思いました。
大きな感動ではありません。
けれど、ほっとした。
間違っていなかった。
見落としていたわけでもなかった。
仮説を立て、確かめる。
一つの資料で判断しない。
別の記録と照らし合わせる。
100年以上前の出来事なわけですから一筋縄ではいきません。
先祖調査は、その小さな積み重ねしかありません。
先祖に近づいたというより、
「調べ方」が一段はっきりしました。