キャリアコンサルタント資格を取ったあと、多くの方が次の壁にぶつかります。
「自分の強みは何となく分かってきた。
でも、それが本当に相談者に選ばれる強みになるのか分からない」
これはとても自然な悩みです。
なぜなら、強みは自分の中で納得できるだけでは足りず、相手に「この人に話したい」と思ってもらえる形になって、はじめて力を持つからです。
実際、JILPTの調査では、相談場面で最も重視されていたのは、「話をよく聴いて感情表現を促し、相談者の気持ちに寄り添う」38.7%でした。
つまり、相談者に選ばれる土台は、まず「すごい人」よりも、きちんと聴いてくれそうな人であることが分かります。
強みは「持っているもの」より「伝わるもの」が大事
ここでまず押さえたいのは、強みは、持っているだけでは意味がないということです。
たとえば、
営業経験がある。
管理職経験がある。
転職経験がある。
介護や両立の経験がある。
趣味を長く続けてきた。
占い、自己理解支援、ロープレ相手などの入口がある。
こうしたものは、どれも十分に強みの材料です。
でも、それがそのままでは相談者には伝わりません。
相談者に伝わる形とは、「この人は、私のどんな悩みを理解してくれそうか」
が見えることです。
つまり、強みを作るとは、
「私は〇〇をしてきました」
ではなく、
「私は、こんな悩みを持つ人に、こう役立てます」
まで言葉にすることなのです。
選ばれる強みは、「誰に役立つか」が入っている
相談者に選ばれるキャリコンの強みには、共通点があります。
それは、相手が自分ごとにしやすいことです。
たとえば、
「営業経験があります」
よりも、
「応募が怖くて動けない人の気持ちが分かります」
「管理職経験があります」
よりも、
「部下育成や1on1でしんどくなっている人の整理を手伝えます」
「占いができます」
よりも、
「自己理解の入口をつくって、そこから働き方の整理につなげられます」
「ロープレ相手ができます」
よりも、
「実践デビューが怖い対人支援職の方が、安心して練習できる場を作れます」
こうなると、ぐっと伝わりやすくなります。
強みとは、経歴の立派さではなく、相手の悩みと結びついた時に、はじめて「選ばれる理由」になるのです。
相談者は、最初から「深い支援」より「安心して話せること」を見ている
この視点はとても大切です。
JILPT調査では、熟練が浅い段階では「受容・共感」や「自己洞察」を重視し、活動年数が長くなるにつれて「認知変容」「行動促進」「情報提供」「原因除去」といった、より積極的な支援技法へ重心が移っていくことが示されています。
これは何を意味しているかというと、選ばれる入口は、まず安心感であり、その先で支援の深さが育っていくということです。
つまり、最初から「私は問題を根本解決できます」と大きく見せる必要はありません。
むしろ、
この人は話を丁寧に聴いてくれそう
否定せずに整理してくれそう
自分に合う一歩を一緒に考えてくれそう
こう感じてもらえることの方が、最初の信頼にはつながりやすいのです。
強みは「掛け合わせ」で一気に立ち上がる
選ばれる強みを作るうえで、非常に有効なのが掛け合わせです。
国家資格キャリアコンサルタントだけで勝負しようとすると、どうしても似た見え方になりやすいです。
でも、そこに前職経験、人生経験、趣味、他資格、複業経験などが加わると、一気に独自性が出ます。
これはまさに、資格を増やすこと自体が目的なのではなく、どんな支援テーマで自分を見せるかを明確にしている例です。
たとえば、
キャリアコンサルティング × 介護経験
キャリアコンサルティング × 複業経験
キャリアコンサルティング × 占い・自己理解支援
キャリアコンサルティング × ロープレ伴走
キャリアコンサルティング × 趣味や夢中になった分野
こうした掛け合わせは、相談者にとって「この人なら自分向きかもしれない」と感じやすい入口になります。
強みは、実践の中で磨かれていく
ここも大事です。
強みは、プロフィールの中だけで完成するものではありません。
JILPTでは、通算活動年数が長いほど、活動頻度が高く、活動の幅が広がり、満足度・役立ち度も高くなることが示されています。また、資格を活かした活動の幅が広いほど、満足度・役立ち度が高い傾向も示されています。
つまり、選ばれる強みは、頭の中だけで作るものではなく、実際に少しずつ使いながら育てていくものなのです。
私の経験でも、ライフシフトラボでの実践の中でキャリアコンサルティング、コーチング、カウンセリング、ティーチングを使い分けながら支援し、実践経験こそが成長につながったと感じています。
だから、最初から「完成した強み」を持っていなくても大丈夫です。
まずは、小さく使える形にして、反応を見ながら磨いていけばよいのです。
相談者に選ばれる強みを作る3つの視点
私は、強みを「選ばれる形」にするには、次の3つが大切だと思っています。
一つ目は、誰に役立つかを明確にすることです。
全員に選ばれる必要はありません。
まずは、自分の経験が届きやすい相手を決めることです。
二つ目は、安心感と具体性を両方持つことです。
「話しやすそう」だけでも弱いし、「すごそう」だけでも近づきにくい。
この両方があると強いです。
三つ目は、小さな実践の場を持つことです。
モニター相談でも、ロープレ相手でも、趣味ベースの複業でも構いません。
使ってみることで、自分の強みは輪郭を持ち始めます。
まとめ|強みは「あるかないか」ではなく、「伝わる形に育てたか」です
相談者に選ばれるキャリコンの強みは、最初から完成しているものではありません。
大事なのは、
相手の悩みと結びつけること
安心感のある入口を作ること
掛け合わせで独自性を出すこと
小さな実践で磨いていくこと
です。
JILPT調査でも、相談場面で最も重視されているのは受容・共感であり、熟練とともに支援技法が深まり、活動の幅が広いほど満足度や役立ち度も高まることが示されています。
つまり、選ばれる強みとは、肩書そのものではなく、相談者に伝わる安心感と、使いながら深まっていく支援力なのです。
「自分の強みをどう見せればいいか分からない」
「趣味、複業、占い、ロープレ相手などの入口をどう強みに変えればいいか整理できない」
「誰向けに打ち出せば選ばれやすいのか迷っている」
そんな方は、まずは現状整理から始めてみてください。
強みは、見つけたあとに、伝わる形へ育てていくものです。
一緒に頑張っていきましょう。
ご相談はお気軽に!!