親の介護と自分の老後がぶつかる時代になった

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「親のことは心配だけれど、自分の老後も漠然とですが不安です」
50代前後の方とお話ししていると、この言葉を本当によく聞きます。

昔なら、親の介護は親の介護、自分の老後は自分の老後、と少し分けて考えやすかったのかもしれません。

でも今は、そう簡単には分けられません。

親が後期高齢者に近づく時期と、子ども世代が老後資金を本気で考え始める時期が、ちょうど重なってきているからです。

だから今の40代後半から50代は、親を支える責任と、自分のこれからを守る責任を、同時に背負いやすい世代になっています。

親の高齢化は、もう「そのうち」ではない

内閣府の令和7年版高齢社会白書では、2025年に65歳以上人口は3,653万人に達すると見込まれています。さらに、総人口に占める75歳以上人口の割合は今後も上昇し、将来は約4人に1人が75歳以上になると推計されています。つまり、親世代が後期高齢者に入っていく流れは、すでに社会全体の大きな現実です。

親が70代に入ると、まだ元気に見えても、通院、服薬、転倒、物忘れ、住まいの不安など、少しずつ「支える準備」が必要になることが増えてきます。

そしてその時、子ども世代はちょうど、自分の定年後や年金や貯蓄を真剣に考え始める年齢に差しかかっています。
ここで、親の介護と自分の老後が、同じ家計と同じ時間を取り合い始めるのです。

実際に、介護の担い手の中心は50代にいる

総務省の令和3年社会生活基本調査では、ふだん家族を介護している人は653万4千人でした。年齢階級別にみると、50~59歳が183万6千人で最も多く、また60歳以上で介護者全体の約5割を占めています。つまり、介護は「もっと年上の人の問題」ではなく、まさに50代を中心に起きている問題です。

さらに、令和4年就業構造基本調査では、介護をしている者は628.8万人、そのうち有業者は364.6万人で、介護をしている人の58.0%が働いています。

つまり、親の介護は、仕事を辞めた後の問題ではなく、働いている最中に降りかかる問題として考えなければいけません。

ここで大事なのは、今の介護は「家に誰かがいて支える」前提では成り立ちにくいということです。

共働きが当たり前になり、60代以降も働き続ける人が増える中では、親の介護と自分の生活設計が真正面からぶつかりやすくなっています。
これは、個人の頑張りだけでは片づけにくい時代の変化です。

ぶつかるのは、気持ちだけではない。お金も時間もぶつかる

親の介護と自分の老後がぶつかるというのは、気持ちの問題だけではありません。もっと現実的に言えば、お金と時間がぶつかります。

生命保険文化センターの2024年度調査では、介護にかかる費用は、一時的な費用が平均47.2万円、月々の費用が平均9.0万円でした。しかも介護期間は平均4年7か月です。在宅でも施設でも負担は続き、短期間で終わるとは限りません。

一方で、同じ生命保険文化センターの2025年度調査では、夫婦2人の老後の生活費として必要だと考えられている金額は、最低日常生活費で月23.9万円、ゆとりある老後生活費で月39.1万円でした。

つまり、親の介護にお金を回す時期は、そのまま自分の老後資金をためるべき時期と重なっているのです。

ここが一番苦しいところです。

親のためにお金を使えば、自分の貯蓄や投資や保険見直しは後回しになりやすい。

親のために時間を使えば、仕事や副収入づくりや学び直しに使える時間が減りやすい。

その結果、親を支えながら、自分の老後準備がじわじわ削られていくということが起きやすくなります。

だから「親のために頑張る」だけでは足りない

ここで多くの方が陥りやすいのが、
「親のためだから、自分のことは後回しでいい」
という考え方です。

もちろん、親を思う気持ちは大切です。
でも、親の介護と自分の老後がぶつかる時代には、自分の老後を守る視点も同じくらい大切です。

なぜなら、自分の生活が先に崩れると、長く親を支えることも難しくなるからです。

収入が減りすぎる。
働き方が不安定になる。
老後資金づくりが止まる。

そうなると、数年後には「親を支えた結果、自分が立ち行かなくなる」ということも起こり得ます。
※このリスクに気づいていない方が多い現状もあります。

経済産業省は、仕事と介護の両立支援に関するガイドラインで、2030年には仕事をしながら家族介護を行う人が約318万人に上り、経済損失額は約9兆円になると示しています。

資料では別の呼称も使われていますが、本連載ではこれをワーキングケアラーとして考えています。社会全体で見ても、親の介護と働く世代の人生設計がぶつかることは、すでに大きな課題なのです。

自分の老後を守ることは、親を見捨てることではない

私はここを、とても大事にしたいと思っていますし、一人でも多くの方に伝えていきたいと思っています。。

自分の老後を守ることは、親を見捨てることではありません。
むしろ、親を支え続ける力を残すことです。

親の介護で全部を背負い込んでしまうと、お金も、時間も、気力も、働く力も削られます。
すると、支える側が先に倒れてしまう危険があります。

だからこそ、これからの時代は、「親のことを考える」だけではなく、
親のことと、自分の老後を一緒に考える必要があります。

この発想は、冷たく見えるどころか、実はとても現実的で、家族を守る考え方です。

今やっておきたいことは3つ

1.親の介護費と自分の老後資金を、同じ家計表で見る
別々に考えると、どちらも甘く見積もりやすくなります。
介護費用の平均と、老後生活費の目安を並べてみるだけでも、今の家計で何が起きうるかが見えやすくなります。

2.親を支える方法を「自分が全部やる」以外で考える
介護保険、地域包括支援センター、家族分担、施設も含めて、選択肢を持つことが大切です。
全部を自分の時間と収入で抱え込む設計は、長続きしにくいからです。働きながら介護している人はすでに364.6万人います。

3.自分の老後準備を止めない
親の問題が大きくなるほど、自分のことは後回しになりがちです。
でも本当は、老後資金づくり、働き方の見直し、支出の整理こそ止めない方がいい。

親の介護と自分の老後は、同時進行で考える時代に入っているからです。

まとめ

今は、親の介護と自分の老後が、別々ではなく同時に進む時代です。

親世代は高齢化が進み、介護の担い手の中心は50代にあり、働きながら親を支える人も増えています。

その一方で、同じ世代は自分の老後資金も本格的に考えなければならない。
だから、親を支えることと、自分の将来を守ることが、同じ家計と同じ時間の中でぶつかりやすくなっています。

だからこそ必要なのは、親の介護だけを見ることではなく、親の介護と自分の老後を一緒に設計する視点です。

親のことを考え始めたら、自分のことも考える。
自分のことを守るからこそ、親を支え続けやすくなる。

この順番が、これからの時代にはとても大切です。

一緒に頑張っていきましょう。
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