人との繋がり「共同体感覚」について

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こんにちは、日々アドラー心理学(個人心理学)を学んでいるナガエトモヒコです。
本日はアドラー心理学でも実践のゴールともいわれる「共同体感覚」について書いていこうと思います。
また、共同体感覚を説明するにあたって、先に「共同体」を説明する必要があるかと思いますが、ここでは、家族や学校や職場といった「自分の所属している集団」と理解していただければ問題ありません。

「共同体感覚」とは

「共同体感覚」は、以下のような感覚と言われます。
・共同体への積極的な参加や所属の感覚
・精神健康のバロメーター
・人とのつながりの感覚
多くのアドレリアン(アドラー心理学を実践する者)がこの「共同体感覚」について議論しており、理解が非常に難しい概念でもあると同時に、「共同体感覚の育成」が人間が幸福になるための条件とも言われています。

「共同体感覚」の3つの要素

理解するのが難しい「共同体感覚」ですが、現代アドラー心理学では、多くの人が学びやすいように、「共同体感覚」を次の3つの要素から構成されると説明しています。

1.自己受容
2.他者信頼
3.貢献感

一つ目の要素である「自己受容」は、不完全である部分も含めて自分自身を認めて受け入れているという感覚です。よく「自己肯定」と混同する人がいますが、「自己肯定」は根拠もなく自分はできる、自分は良いと思うことです。
ついつい人間は自分の欠点ばかりを気にしてしまい、自分を嫌ってしまいがちですが、自分を嫌ってしまっていては自分自身が幸せになることはできません。
そのため、人間は誰でも不完全であるという前提のもと、自分はこういう部分もあるが自分は自分だと受け入れることが大切です。
二つ目の要素は「他者信頼」です。これは、他者に一切の条件をつけずに信じるという感覚です。
アドラー心理学では、よく「信頼」と「信用」の説明をしていますが、「信用(credit)」は、君は私のなかで親友になったから信じます、あなたは私にこれだけのことをしてくれたから信じます、というように相手に条件を付けて信じることです。それに対して「信頼(trust)」は、そういった条件をつけません。たとえ裏切られたとしても相手を信じます。そのため、この「他者信頼」では、相手を信じ続ける勇気が必要になります。
三つ目の要素である「貢献感」は、自分が他者や共同体の役に立っているという感覚です。
この貢献感で大切なポイントは、自分自身で主観的に感じることです。誰かの役に立っていると思える瞬間の多くは、人からお礼や賞賛といった何かを得た時だと思います。
しかし、これでは自分が共同体のために何かをした時に何かを貰えなかった場合、自分は役に立っていないと思ってしまいます。さらには、共同体のためにやったのにお礼も何もなかったと怒りや悲しみといった不幸な感情を抱くことにもなりかねません。
そのため、自分が共同体のために何かをした時は、「よし、自分は共同体のために自分のできることをしたぞ、役に立ったぞ」とお礼や賞賛を得られなくても自分自身でそう思えることで、「貢献感」を感じることができます。

宇宙まで広がる「共同体感覚」

アドラー心理学(個人心理学)を創ったアドラーは、「共同体感覚」は人だけではなく、世界、そして宇宙までに広がる感覚であるようなことを言っていたみたいです。
この宇宙まで広がるというと、いまいちピンとこないかもしれませんが、私たちは一人では生きてけません。私も親が私を産んでくれて育ててくれたから今ここにいます。もっと前のこと言えば、先祖がいたから今ここにいます。私も先祖も食べ物があったから生きています。水があるから生きています。酸素があるから生きています。太陽があるから生きています。地球があるから生きています。宇宙があるから生きているのです。
こう考えると私たちは一人では生きていないことがよくわかります。そこにはありとあらゆる繋がりがあります。アドラーが「共同体感覚」が最終的には宇宙にまで広がる感覚といったのは、このためかもしれません。
ただ、最初から共同体を宇宙まで意識してしまうと、宇宙にとって役立つことを考えることになってしまい、とてもイメージできないかと思いますので、まずは自分と他人→自分と家族→自分と学校→自分と社会というように、小さな共同体から徐々に大きな共同体を意識した方がより実践的な考えだと思います。

本当の「共同体感覚」

ここまで「共同体感覚」について書いてきましたが、本来「共同体感覚」は定義できるものではないとされています。(説明しておいてすみません)
説明するに便利なのでこんな感じですというように書いてきましたが、結局のところ、我々にはそれぞれの「共同体感覚」があると思います。
私個人としては、シンプルに「人と社会と繋がる感覚」が「共同体感覚」に一番近いと思っています。
日本にアドラー心理学を広めた野田俊作氏は、「共同体感覚」はもともとその人の中に眠いっているというようなことを本で書いていました。
その本来眠っている「共同体感覚」を呼び覚ますためにも「自己受容」「他者信頼」「貢献感」の要素が必要なのだと思います。

まとめ

ここまでの「共同体感覚」についてをまとめると以下のようになるかと思います。

・共同体感覚は共同体への所属や参加の感覚
・共同体感覚は「自己受容」「他者信頼」「貢献感」の要素からなる
・共同体感覚は人として幸せになるための条件
・共同体感覚は本来はその人の中に眠っている

アドラー心理学は人としてどうすれば幸せになれるかを考える心理学でもあります。そのための実践のゴールが「共同体感覚」の育成です。
非常に難しい概念に思われたかもしれませんが、私は好きな人のために好きな場所のために頑張ればそれで良いと思います。
単純ですけど、好きな人のために何かしている時って幸せじゃないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。




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