2年のテレワークから見えてきたこと

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帝国データバンクは、「企業がテレワークで感じたメリット・デメリット
に関するアンケート」結果を発表しました。

1. 31.5%の企業がテレワークを実施し、その 52.1%がデメリットの方が多いと感じる
2. 大企業におけるテレワーク実施率は半数近く、全体を大幅に上回る
3. 『製造』のテレワーク実施率は『非製造』を 7.5 ポイント下回る
4. 地域別では、1 都3県でのテレワーク実施率が47.2%で突出して高い
5. 社内コミュニケーションに関連することが一番のデメリットに
3割の企業がテレワークを実施し、その半数がデメリットの方が多いと感じているようです。
一番のデメリットは、社内コミュニケーションに関することです。


また、ILOとWHOは、技術概説資料「安全で健康的なテレワーク」を刊行しました。
テレワークには多くの利点がある一方、次のような問題があるとしています。

本書は一方で、適正な計画立案、作業組織、安全・衛生上の支援がないと、テレワーク勤務は労働者の心身の健康と社会的福祉に相当の影響を与える可能性があり、孤立感や燃え尽き感、うつ状態、家庭内暴力、筋骨格系障害その他の損傷、眼精疲労、喫煙・アルコール消費量の増大、長い座位・画面凝視時間、不健康な体重増加につながる可能性があると警告しています。
(太字は筆者)
テレワークは、労働者の心身の健康に影響を与えるとされています。

実際にテレワークでは、会議の時間が増えます。
知り合いが、「今日は朝9時から夜7時まで会議だった」と言っていました。
以前は、外出や接客で会議に参加できないと言えたのですが、今は予定表に会議が入っていなければ、勝手に会議を入れられようになりました。

ちょっと外出したり、移動の時に寄り道したり、ということがなくなり、一日中いすに座りパソコンに向かっている、ということになりました。
社内の通路で雑談したり、会議の前後で雑談したり、といったこともなくなりました。
自由に息抜きできるようで、実はあまりできていないのかもしれません。

1日の密度は濃くなっており、集中が必要な作業や議論の生産性は上がっています。
一方で、新しい発想やひらめきが求められることや協働して行う案件については、生産性が下がっています。
自律したプロフェッショナルの組織であれば、生産性にそれほど影響しませんが、多くの普通の組織では何らかの影響があります。

テレワークは、いつでも、どこでも働くことができます。
これまでより働き方が自由になりました。
自由には規律が必要です。
自分で規律をつくりコントロールできる方もいますが、できない方もいます。
テレワークが拡がる中、会社には、規律を提供する義務があるということですね。

新しい取り組みには必ず課題がありますが、試行錯誤を経て、働き手の選択肢が増えるよいですね。


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